見出し画像

人権や自由を最大限に認める努力

民主主義における自由とは何でしょうか。一般的には以下のようなことが民主主義において守られるべき自由に含まれるのではないかと思います。

表現の自由
思想・良心の自由
信教の自由
居住・移転の自由
職業選択の自由
学問の自由

そしてこれらは 基本的人権の、生命研、自由権、平等権、社会権、財産権、請求権など個人の権利として認められているのではないかと思います。これが現行日本国憲法の立場であり、世界人権宣言ともほぼ共通するものなのではないでしょうか?

この自由や権利を制限することは、最大限の慎重さをもって行わなければならないのだと思います。

民主主義社会においては「他者の人権や自由を抑圧する自由」は、認められません。民主主義の根幹にあるのは、自由と人権の尊重ですから、表現の自由や言論の自由などに一定の制限が設けられる場合があるとしても、それはヘイトスピーチや虚偽情報の拡散など他者の人権や自由を侵害する行為など限られた場合だけだと思います。

以前取り上げた「ツワネ原則」では、国家機密に関してさえも次のように述べています。「国家安全保障上の利益保護のために情報を秘匿することを認めるとしても、あくまでもそれは人権擁護のためである」と。

各国の実態はともかく、民主主義の原則というものはかくも自由や権利の制限に対して厳格であるべきなのだと思いますし、民主主義が大切だというのであれば、自由や権利の制限より先に、いかにそれを守るかが発想の前面に出てくるように、私たちは思考を変えていかなければならないのだと思います。

選挙権が18歳に引き下げられ、年齢的には高校生の一部にも選挙権が認められています。文部科学省は「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」に関するQ&A (生徒指導関係) の中で、学校内における生徒の政治的活動について、規制、制限、近視が出来る場合についていろいろと記載していますが、民主主義の原則に立っていえば、生徒が正当な政治活動を学校内でも行えるようにするために、できるだけどのような措置を講じなければならないかを学校側に指導するのが筋なのだと思います。

社会経験の少ない高校生に、他者の人権を尊重しつつ、自分の政治的信念をどう形成し、どう表現していくか、その機会をできるだけ保障しながら適切に指導していくのが本筋だと思います。

日本の高校生を含む若者が、自分の政治的な意見を表明したり、他人の政治的発言を尊重したりすることができず、健全に議論を深めていくのが苦手なのだとしたら、そんな経験がなかなかなできないまま社会に送り出されているのも一因なのではないかと思ってしまいます。

若者のポテンシャルを信頼して、高校はもっと政治に目を向ける若者を世に輩出するように、民主主義の原則に立って努力をしてほしいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?