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ホームルームの歌

私が小学校5・6年生の時のクラスでは、帰りのホームルームの時間に必ずみんなで歌を歌うことになっていました。歌の好きな担任の先生の提案で始まった、このホームルームでの合唱は、大体月ごとに新しい曲に変わり、結局2年間で多分20曲以上の歌を歌ったのではないでしょうか?

私は小学校5年生になった時にこの小学校に転校して来ました。微妙に違う学校のルールにとまどい、友達もまだできなくてまごついていた時に、初めてホームルームで歌った歌は、確か「リンゴの花ほころび 川面にかすみたち」で始まる「カチューシャ」だった気がします。

そしてこの歌を聴いて思い出される光景は、この歌を口ずさみながら春の日差しを受けた明るい土手の上や線路の脇を友達と歩いているところです。

新しくできた友達と遊びに来て、春の土手で覚えたてのホームルームの歌を一緒に口ずさんでいたのでしょう。

この後、このクラスの友達や先生と過ごした2年間は、私の基を作った2年間でした。

「カチューシャ」は旧ソ連の歌謡で、軍歌としての一面もあったということですが、そのメロディーと優しい日本語訳には何となく郷愁を誘うものがあります。

ロシアはいまだにウクライナへの侵攻を続けていますが、この歌が侵攻を続ける軍人を鼓舞するものではなく、自分にも相手にも愛する故郷があることに思いを馳せ、そこで待つ平和を願う恋人や家族のことを思い出させる歌として、この歌が歌われることを願うばかりです。

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