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写真を撮って植物検索

私は中学生のとき科学部に所属していました。
部室代わりの理科室でなんとなくうだうだしていた初夏のある日、だれからとなく「みんなでなにか研究らしいことをしようよ」と思い立ち始めたのが中学校のまわりの植物調査でした。学校周辺にどんな草花が生えているか徹底的に調べてみようということになったのです。

当時中学校のまわりにはまだ田んぼや畑が広がっていて、あぜ道にはさまざまな草花が生えていました。

中学校周辺の地図を手に入れて、いくつかの区域に分けて、部員もいくつかのグループに分けて担当区域をじゃんけんで決めていきます。

担当区域はさらにメッシュ状に区域を決めて、グループごとにしらみつぶしにそこに生えている植物の名前を調べようという作戦です。

ポケット植物図鑑などを手にして、できるだけ現地で植物を判別して、わからなかったら植物を採集して理科室に持ち帰り、詳しく調べようということになりました。

放課後、グループごとに校外に出動して植物調査を開始したのですが、これがなかなか難しくて大変でした。植物同定をなめていました。

何と言ってもまず私たちが植物の名前を知らな過ぎました。かなりの頻度で植物図鑑を頼りに名前を調べなければなりません。そして植物の名前を判別するのも簡単ではありません。花、葉、茎などのさまざまな形状やつき方の特徴から図鑑を使って植物を判別するのは、当時の私たちには非常に大変でした。

ほとんどのグループが植物を持ち帰り、理科室で図鑑と格闘することになりました。それでも自信をもって植物を判別することがなかなかできず、脱落者がつづき、ついに挫折してしまいました。科学部の苦い思い出です。

現在、写真を撮るだけで植物の名前を判別してくれるアプリが多数出ています。判別の確度も表示してくれます。撮影した写真も合わせて自分だけの植物図鑑も作ることができます。なんて便利な世の中になったのだろうと思います。「この草花は何という名前だろう?」という私たちの普段の疑問には十分対応してくれそうです。

ただ、やはり本格的に植物の名前を調べるためには、その植物ごとの特徴を丁寧に比較して名前を判別した方が良いと感じます。植物の特徴が詳しく記載された植物図鑑は大切だと思います。

現在NHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルとなっている牧野富太郎さん。中学生当時、学校の図書館か、理科室の書棚で、牧野さんが編纂された植物図鑑を目にした記憶があります。「牧野」と名前の付く図鑑が妙に記憶に残っていました。写真ではなく詳細な植物のスケッチが印象に残っています。

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