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家庭科の自由研究

小学6年生の時、家庭科の先生に、「夏休みにグループでなにか家庭科に関する実験・研究をやってみない?」と声をかけていただきました。その時、家庭科に関する展覧会(技術・家庭科作品展)みたいなものがあるというのも初めて知りました。工作や衣類などの作品を展示するだけでなく、研究発表みたいなものでもよいとのことでした。

研究といえば理科だと思っていたので、家庭科の実験や研究といってもイメージがわかなかったのですが、友達何人かと相談して、「家庭科と言ったら食べ物を使った実験をしようよ。残ったら食べられるし」などとのんきに先生に相談したら、それはいいとおだてられ、結局、液体の乳製品を片っ端から集めてきて、酢をまぜて、どのぐらい固形成分がとれるかという実験をやることになりました。

今考えるとカッテージチーズを一生懸命作っていたようなものなのですが、温度や酢の濃度などを変えて、一生懸命出てきた個体分を分離して乾燥させて重さを量りました。製品に記載されている乳成分の濃度が違うのに、どうしたら意味ある比較ができるのか、出てくる固形分の量は乳成分の割合だけで左右されるのか、などなど友達と頭を悩ませました。

結果は。。。あまり覚えていないのでここでは語れません。。。

とにかく一生懸命実験をしていたけれど、できたものはそれほど子供にとってはおいしいものではありませんでした。でもなんだかおもしろくて、先生にもうまくおだてられて、結局当初の目論見とはちがって、おいしいものにはありつけませんでしたが、楽しく実験を終えることができました。

実験結果は友達の家に集まってわいわい言いながら模造紙にまとめ、夏休み明けに先生に提出しました。

作品は地域の展覧会に出品してもらい、金賞をいただきました。技術・家庭科展では珍しい実験だったからかもしれません。先生の作戦がみごとに功を奏したのかもしれません。

さらに上の展覧会に出品できる権利をいただき、先生からも出品を打診されました。ただし上の展覧会に出品するためには、もう少し手を加える必要があるといわれ、そのころにはすっかり熱の冷めてしまった私達は、あっさり、「もう充分です」と、まるで力を出し切って引退するスポーツ選手のように、先生の誘いを今度はあっさり断ってしまったのです。

先生もさぞがっかりされたことでしょう。しかし夏休みに友達と実験をしているときは本当に楽しかったです。そんなきっかけを与えてくださった先生には感謝です。

ところでなぜ私たちは先生から目を付けられたのでしょう?私たちがほっとくと夏休みに何もせずにぼーっと過ごしてしまうと思われたのか、ほかにも誘っていて断られてしまったのか、今でも謎です。

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