通勤電車で頭突き攻撃を見かける

もうだいぶ長く電車通勤を味わっていませんが、私がまだ若く日本で電車通勤をしていたころのある日の朝、中学生くらいの制服を着た女の子が立ったまま電車の中で爆睡しているのを見かけました。

もうなんというか「爆睡」という言葉がぴったりでした。

彼女は時々膝をカクン、頭をガクンとさせたりしては必死に体制を立て直していました。

そのうち電車もかなり混んできて、それでも彼女はドアの近くで爆睡しながら、体は必死に倒れまいと戦っていました。

しばらくすると、彼女はガクンと上半身を大きくお辞儀させては前に立っていたサラリーマンをバスッ、バスッと何度も頭突きしはじめまました。

突然の頭突き攻撃で最初はびっくりしていた若いサラリーマンも、状況を飲み込むと、上手に頭突きを受け止めて、学生さんが本当に崩れ落ちないように、硬い手すりに頭突きをしないように、笑いをこらえつつ頑張って学生さんのことを守っていました。

迷惑そうに起こすのではなく、頑張って頭突きをやさしく受け止めてあげていたあのサラリーマンは、きっとこころに余裕のある「できる」サラリーマンなのだと思ったものです。

それにしても、酔っ払い以外であれほど立ったまま爆睡する人をはじめて見ました。よほどクラブ活動とか、試験勉強とかで疲れていたのでしょうか？悪いけれどサラリーマンの対応を含めてなんだか朝からほほえましかったです。学生さんにもサラリーマンにもそっと「がんばれ」って声をかけたくなりました。

私は途中で電車を降りてしまいましたが、学生さんが無事降りるべき駅で降りて、学校にたどり着いたことを祈ります。