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アパートの窓から見える海上油田の明かり

南国の高層アパートの窓から、夜になると南国の沖合20㎞ほどのところにある海上油田の明かりが良く見えます。

油田の中央には中央処理施設があって、居住施設もあり、現場では安全・安定操業のために12時間交代で24時間365日誰かが働いています。

また、時々足の付いたジャッキアップ式の掘削リグが油田内にいくつかあるプラットフォームに設置され、井戸の掘削が行われているのも見ることができます。といってもかなり離れているので、双眼鏡などで見ないとなかなかリグの形までは見分けられませんが。

油田というと何となく、櫓のてっぺんで赤々と燃える炎 (フレア) をイメージする人もいるかもしれません。しかし、近年、二酸化炭素排出による地球温暖化の問題や不純物の燃焼などによる公害問題が懸念され、フレアは必要最小限に減らされています。

入社してはじめて南国に研修できたときに、夜飛行機が着陸する前、南国沖合上空からたくさんのフレアが見えました。この炎をみて、「ああ、とうとう石油の国に来たのだな」と思ったものです。

昔は石油会社のロゴにもフレアをデザインしたものが結構ありましたが、今はフレアをロゴに取り入れる会社はまずないと思います。時代の流れですね。

私も若いころはかなり掘削現場に行きました。地質データを集めたり、あらかじめ決められた油層ターゲットを掘削するために井戸の坑跡をコントロールしたりする仕事をしていました。

掘削現場の仕事は以下のような感じです。私の現場での仕事は不定期でしたが、忙しい時には4週間ぐらいリグに乗って3日ぐらい降りてまた4週間リグに乗るというような生活をしていました。

きりきりするようなプレッシャーの中で井戸を掘り終わり、うまくデータが取れた時の満足感、達成感は現場ならではのものです。

アパートの窓から明かりが見える海上油田からは街の明かりがとても良く見えます。

夜に無事掘削を終えて、次の日の朝のチョッパー (ヘリコプター) を待つ間、リグのヘリデッキで一休みしながら街の明かりを眺めるのは最高に気持ちがいいものです。これでビールが飲めればさらにいいのですがさすがに現場ではお酒は飲めません。次の日家に帰って冷たいビールを飲むのを楽しみに、ひとときホッとした時間を過ごします。

アパートの窓から油田の明かりを見ながら、海上油田の掘削現場で働いていたころのことを思い出していました。

今、この瞬間もたくさんの人たちが現場で奮闘しています。どうぞ事故などありませんように。


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