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ちっちゃいことでも、ありがとう! 『The Days After 3.11』 栃本あゆみさん#5

さまざまな挑戦をされている栃本さん。
周りの人から遠い地から励ましてくれる人まで、沢山の人に支えられてきたからこそ、いつも感謝の気持ちを大切にしているそうだ。

「人への感謝の気持ち、ありがとうは絶対に忘れないように。
ちっちゃいことでも、ありがとう、ありがとうって。
もう口癖かって言われるぐらいに伝えよう、大事にしようって思っています。」

取材中も栃本さんは、感謝の言葉を何度も伝えてくれた。
「ありがとう」は、伝える人も伝えられた人もお互いが幸せになれる素敵な言葉だ。
また、元住民が来てくれるだけではなく、きっと東京にいたら2度と会うことがなかっただろうなと思うような人まで訪れてくれることが、とても嬉しいと話してくれた。

「新聞とかで私の名前を見てメッセージをくれて、連絡を取り合ったりとか。直接ここでお会いするのももちろんですし、たくさんの出会いが本当に嬉しいし、楽しいし、すごい大事な時間だと感じています。」

地元を始めとする多くのファンから愛される、おむすび専門店えん。
おむすびへのこだわりはもちろん、えんのストーリーや、店主の栃本さんの温かい人柄が、きっと人々を魅了するのだろう。
えんは地域の人と一緒になって、お店ができあがっていると感じる。最後に、栃本さんから読者に伝えたいことを伺った。

「浪江町、福島って放射能とかそういうイメージで完結されてしまっていると思っていて。でも現在は町も徐々に復興してきて、人も増えてきて、明るい街になろうとみんなで頑張っていて、みんなで手を取り合って協力し合って頑張っている、 ポジティブな街ということが伝わればと思います。初めての方も是非、えんや浪江町を好きになってくれたら嬉しいです。」

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福島県沿岸部に位置する浪江町。
港町があり、福島原発に近いこともあり、居酒屋も非常に多くあった町だ。
Dash村もこの村にあった。

東日本大震災。
震災後の原発事故の影響を受け、全町民避難を余儀なくされた。
そして6年後に一部帰還困難区域が解除されるも、未だ7割以上の区域で人が住めない状況が続いている。
かつては21,000人いたが、現在は2,000人弱。

そんな地域にUターンで戻ってきた栃本さんのお話をお届けします。

栃本あゆみさんのプロフィール

福島県浪江町出身。高校卒業までは浪江町に住んでおり、その後上京。
飲食店向けのコンサル会社に勤務。直営の店舗運営や物件探しから資金調達のお手伝いなど手掛ける。
東京から離れるつもりはなかったが、2011年の東日本大震災と家族の諸事情が重なり、2021年にこの町に戻ることを決め、Uターン。
現在は浪江町駅近くでおむすび専門店「えん」を営む。

読んでくださり、ありがとうございます:):) 人生を語ったり、宝物になる言葉を探したり。まるで本棚の中から、自分だけの一冊を探すように。そんな記事配信を目指しています。いただいたサポートは、取材やクリエイターの活動費として使わせていただきます。