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立体ものの写真撮影「ブツ撮り」へのあくなき挑戦

わたしの作っている作品は、立体の人形です。
先日、テレビで錯覚に見える階段やオブジェを作ってる方がいらっしゃいました。
あの先生は、人間の目の視点から「だまし立体」を作っているのですが、わたしの方は騙すつもりはないけど、可愛い顔が写真で可愛く再現できないんです。

猫のノーズ(鼻)部分は、本物より小さくしていますが、全く出ていないというわけではない。
真ん中のクマは、あえてぺったんこにしています。横から見ると変です。奧のワニは、ノーズが出っ張っているけど、真ん中は少し凹ませています。

製作中は人間視点で見て可愛くなるように作っていますが、いざ写真撮影となるとおや?となる。

カメラが一眼レフだからでしょうね。最近のスマホはレンズが複数個ある。より人間がみたまま写りやすいからでしょう。
一眼レフでの良い点は、一枚の絵がドラマティックに映ることなのですが、極端に言えば、一点に集中するために魚眼レンズのように、周りの位置がズレる。

動画では、複数の箇所にみる目が行くため、立体ものはより楽しく撮影ができ、可愛くならないという心配をせずに済む。

こちらの子のような動画で見ると、どの視点からも立体が見えて確認しやすいかと。
問題は、人形ってきちんと座ってくれるものではないため、固定させるのが大変なことですが、、

3Dでなく、布や糸などの素材で作るということは、素材ならではの形の歪みや特性も楽しみのうちだから。
編み物でいえば、よくあみぐるみで使う編み方は、細編みといいますが、三角なんです。

目を見ればわかるのですが、斜めなんです。
つまり、製図を真っ直ぐ描いてもその通りの形になりません。
それでもカタチが出来るのは、数をこなしてきて、どんなかたちになるかわかっているから。

糸もでこぼこだったり、変わった糸を使うと、泣きじゃくる子供みたいに、いうことをききません。

この糸は途中に丸いスパンコールが通っています。ほんま、よく作ったもんだ。案の定、丸くすらなかなか編めない。

でも、これを使って作りたいものがあるので、頑張ってます。

よくあるブツ撮りを綺麗に撮る方法の記事の大半は、アクセサリーやブローチなどの静止画用。あまり立体感を出さないものの撮り方です。
あちらにも、静止画と違う時があります。着用写真がそれにあたります。
人間が身につけた時の印象が、違うのです。人間は立体で、動くものなので、つけて動いてるアクセサリーはブツ撮りの中でも高度で、載せている人も少ないです。

ウエアなどは着用画が欲しい。で、人形だとどんな方向からお客様が見るかわからないため、あちこち回して写しています。
今は立てて写していますが、横置きしても良いのではないか。

この間の写真では、よくある背景用パネルの上に白いサテン生地をふんわり乗せたら、とても柔らかな光になりました。
パネルは光を反射しますが、生地は光を吸収します。そのため、影が出来ない。

下に生地をひいていますが、板のようにはっきりした線が出来ていない。

こちらは白いマットの上に載せたもの。影が出ています。
なんでも、プロの方が言う感じでは、素材の周りの影を消して商品を出しているのだそうで。普通に撮影して消してもいいですが、最初から影が周りに出ない方法で写す方が、楽です。

やはり一番消えるのは布なんだとか。
ライトに布をかぶせているのも、てかりが出るのを防ぐため、だそうです。

あえて影を消したものです。
これは、実は普通に撮影して加工で消したもの。
撮影で光を強くすると色が飛んでしまい、お客様から「色が違う」と言われるため、光を少し弱くし撮影してから、ベジェ曲線で消しました。

最近のライトはLEDのため、太陽光と違い一直線に飛びます。そこで、余分な光を吸収するものがあった方が、プロっぽい仕上がりになりそうです。


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