見出し画像

【英語学習】多読にYouTubeと音声検索を取り入れて大量インプットをする

息子の小学校時代、学校で年2回(だったかな?)ブックウィークというのがありました。
ブックウィーク中は学校の中庭の黒板に生徒がそれぞれ自分の好きな本について絵や感想を書いたり、最終日には好きな本の登場人物になりきるコスプレパーティ的なものもあり、私の好きなイベントでした。

ブックウィークでイギリスから本を購入

この期間中、学校が本の注文を取りまとめてイギリスから発送してもらうという制度がありました。任意なので買っても買わなくてもよかったのですが、暇さえあれば本屋や図書館に行くのが趣味だった人(at 本の少ない国)としては、このカタログはワクワクするものでした。

最初は息子が読めそうなものを買っていたのですが、次第に私が気になってしまい、自分ための本もこの制度を使って購入しました。

ですが、大人として内容が面白そうと思える、7歳から14歳のカテゴリーに入る本は、結構英語が難しいのです。英検でいうと1級レベルだと思います。

下のキャサリン・ジョンソンの本もこの制度で購入しましたが、娯楽として読むには私にはまだ難しいかなと思いました。

ところが昨年ホーチミンで、下のリンクのキャサリン・ジョンソンの違うシリーズの薄い本 (Who was…?シリーズと同じくらい)を見つけ、すぐに読み終わりました。挿絵に文字が少し入っているような本で、デザインも美しかったです。

(キャサリン・ジョンソンはアフリカ系女性の二重のハンデがあった時代に、アポロ11号の月面着陸を成功させたNASAの数学者です)

そして、YouTubeでちょっと検索してみると、キャサリン・ジョンソンに関しての動画がズラッと並びました。for kidsを検索語句の最後につけると、子供向けの動画もたくさん出ました。

↑以前家庭教師をしていた時お世話になったイギリスの教材サイトTwinklの動画です。すっごく分かりやすいです。

この、同じ内容で英語が易しい本やYouTubeを挟みながら、本来読みたい本を読んでいくというやり方はとても良かったです。
結局、イギリスから取り寄せた方の厚い本も、時間かかりましたが読み終わりました。

YouTubeを使うとちょっと難しい洋書も読めていく

ブックウィークで勢いで買っておきながら読めなかった本は、シリーズもありました。下のパックです。伝記のWho was…?シリーズが好きなので、その続きとして読もうとしたら、なかなかに語彙が難しかったのと、イギリスっぽい皮肉にいまいち馴染めず、そのままになっていました。

地元の「売ります買います」に出そうか考えていた頃、これもYouTubeで動画を見ながらだったら読めるかもしれないと思いついたのです。

ウィンストン・チャーチルを読んでみた

名前は知っているけど実は何をしたかよく分かっていなかった人を選んでみました。

まずYouTubeでわかりやすそうな動画を。

なるほど、概略を知りました。二回イギリスの首相を務め、第二次世界大戦ではナチスと戦いナチスに勝ちました。世界の三大リーダーと呼ばれる人の一人です。(他の二人は、アメリカのルーズベルト、ソ連のスターリン)

ウィンストン・チャーチルは生まれてまもなく引っ越しし、お祖父さんが総督をしていたアイルランドのダブリンで子供時代を過ごします。

個人的ではありますが、私がヨーロッパでほぼ唯一行ったことある街がダブリンであり(あとは乗り換えのアムステルダム)遠い時代と国の人物が一気に身近になりました。

左のBritons needs youは第一次世界大戦の志願兵を募る有名なポスターだそうです。
右のMy country needs meは本当は違う人が言ったそうですが、何かこの組み合わせのあたりの感覚がイギリスっぽいなあ…笑
このポスターが有名なポスターだそうです。今でもオークションで売られています。

想像できない単語が出てくる

lieutenant colonel

これは発音が全く分かりませんでした。一度Google先生に発音してもらうと、"Learn to pronounce(発音を練習しよう)"というラベルが出てきたので、そこに行ってみました。

意味は、軍隊の中での階級で、majorより上でcolonelより下だそうです。多分これは日本語で聞いても分かりません。英日辞書で調べると、もうそれは多様な訳語が出てきました…

さて、このGoogleの「Learn to pronounce 発音を練習しよう」のページに移ると、右上にイギリス英語とアメリカ英語の選択肢があります。
イギリス英語は発音を聞いて口の形を見るだけなのですが、アメリカ英語にすると何と吹き込んだ発音を評価してくれます。

Practiceを押して自分の"lieutenant colonel"の発音を録音すると評価が出ます。
要らないnが入っているかも、とGoogle先生の講評がありました。
右真ん中にはBetter(前回より良くなったね)と総合評価も。

イギリス発音だと「レフタナントカーノー」アメリカ発音だと「ルーテナンカーノー」とだいぶ違います。スペリングにないfがちょっと入るイギリス発音は、フランス語っぽいです。

suffragette

ウィンストンの妻がずっとsuffragetteであったとあり、まずデヴィットボウイのSuffragette Cityを思い浮かべました。

Suffragetteは政治用語っぽいなあ、それをパンクな曲で爆走させているんだろうな、というイメージはありましたが、Votes for Womenだったなんて…そりゃぶっ飛びです。Suffragette cityに何か裏の意味があるんだろうなと思います。

「サフラジェット(女性参政権)」はその語彙の歴史的背景から、使われた時期が特徴的でした。
Googleで"suffagette meaning"で調べた結果の下の赤枠がいつどのくらいその言葉が使われたかというグラフなのですが、1900年頃までゼロだったのが1920年頃にかけて急上昇しています。

女性参政権運動が拡大しイギリスで女性参政権が与えられる1918年頃と、語彙の使用頻度が比例している。ちなみにデヴィッド・ボウイのSuffragette Cityは1972年発表。

日本だと女性参政権が認められたのは戦後で、グラフでは山麓にあたります。この時代のイギリスが先陣を切っていたことがビジュアルで理解できます。

最高のホテルと最高のワインが好きだったチャーチル

この本が2/3くらい読み終わったところで、このシリーズは当事者が行った偉業よりも周辺の出来事や本人の意外なエピソードを交えることで、最終的には歴史や人物に興味を持たせるシリーズなのかなと思いました。

まだ一冊読み終わってはいないのですが、最後まで読める確信は持てたのと、このような多方向からの補助で、より洋書多読が深みのあるものになりそうだと思いました。(Googleで検索するときも、すべて音声入力にすると発音の練習にもなります)

本の中で出てくる、NYのプラザホテルです。この部屋はチャーチルが好きだった部屋だということです。

Winston Churchill's favorite bathroom

リンク上の動画で見ることができます。今はチャーチルスイートとして公開されているようです。インテリアが素敵です。

Winston Churchill's favorite bathroom

あまりにこのバスルームが好きすぎて、イギリスの自分の家に同じものを作らせたそうです。

…というようなエピソードを追っていくと尽きないです。多読の新しい楽しみ方を知りました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?