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【遺跡探訪12】自転車でアンコールワットへ初詣

2023年、明けましておめでとうございます。

一応名目は初詣としながら、息子が好きな「天国と地獄」(初詣に相応しくないモチーフですね笑)を見に行こうとマウンテンバイクを借りて、早朝ステイケーション中のホテルからアンコールワットまで家族で走りました。

街灯のない自転車道路を走ることができる、明るくなった朝6時台後半に出発し、ホテルの朝食のラストオーダーの9:30までに戻ってくる、割とタイトなスケジュールでした。

Angkor Wat アンコールワット អង្គរវត
年代
:12世紀前半
国王:スールヤヴァルマン2世
宗教:ヒンドゥー教(ヴィシュヌ派)。後に、この寺院は仏教寺院となる
ベストの方角と時間帯:アンコール遺跡群は通常東向きだが、アンコールワットはその例外であり西を向いている。そのため、光が差し込む位置は午後のほうがいい
とはいえ、午後のアンコールワットは観光客が非常に多く、朝から昼にかけての時間帯は比較的静かに見学することができる。
この寺院は非常に大きく、装飾も豊かなため、最低でも午前と午後の二回は訪れて欲しい。

Focusing on the Angkor Temples(ざっくり翻訳)

本日のマップ

いつもはバイクでアンコールワットまで一直線のシャルルドゴールですが、その道にほぼ並行して森の中に自転車専用道路があります。最近の自転車遺跡ツアーブームで新しくできたのかもしれません。

自転車はアンコールワットの外堀の橋のすぐ手前まで行けます。
バイク・トゥクトゥク・車は(コロナ以降整備されて)
かなり離れたパーキングエリアに止めることになりました。


自転車専用道。気持ちいいです。
アンコールワットの環濠まで着きました。乾季ど真ん中なんですが、雨が降っている…!!
私の左奥にちょこんと見えるのがアンコールワット。
ユネスコの石碑からこんなに遠い場所に建っている遺跡、他にありません
元々ある中央の橋は工事中なので、仮の橋を通ります。コロナ前はものすごい人数がこの橋(浮き)の上を歩いたので、揺れに揺れて酔いそうになったのを思い出します。
今日はお天気悪い上に、朝日の時間でもない早朝。人は少ないです。

内部のマップ

象の門と呼ばれる最初の門
いや広い。広すぎる
南のライブラリーを通過してトイレへ。ナーガもいて、急な角度の階段もあります。

ライブラリーを通過してトイレへ

アンコールワットはとにかく広いです。回廊に入ってからトイレに行きたくなると集中できないので、まずはトイレ、と思ったのですが、入り口(西参道が工事中なので南側の道)とトイレは逆方向。

ライブラリーを突っ切ります。

ライブラリーも彫刻は少ないものの、見入ってしまう

ここで時間を使ってしまうと天国と地獄まで辿りつかないので、通るのみ。

外から見たライブラリー。見どころ多すぎます。

やっとのことで第一回廊へ

自転車を止めて入場し、トイレに行っただけなのに、第一回廊に着くまで40分くらいかかっています。本当に広すぎる。

救いは気温が20度くらいで、小雨〜曇りだったので日差しがなかったことです。写真はうまく撮れなくとも、鑑賞にはベストコンディションでした。10回ほど来ていますが、こんなに涼しいアンコールワットは初めてです。

他の寺院と比べて別格のデヴァター

第一回廊のデヴァター。やはりアンコールワットのデヴァターは違います。

アンコールワットのデヴァター、装飾品が豪華です。
そういえば、仏像も、アンコールワット様式はとにかく装飾がジャラジャラで、その後のバイヨン様式になると装飾が無くなりシンプルになるのでした。

天国と地獄になかなか着かない

歩いても歩いてもたどり着きません。第一回廊は見所あるレリーフが幅100m近くにもわたって続くのでした。トイレの後北西から第一回廊に入り、ラーマーヤナとマハーバーラタはざーっと眺めながら南面に向かいました。

スールヤヴァルマン2世のマーチ

天国と地獄の手前に、アンコールワットを建造したスールヤヴァルマン2世の行軍のレリーフがありました。長ーーーい行進の中、とんでもない人数の家来(?)を連れてスールヤヴァルマンがいました!

息子とどこにいるか探してしまった。ここでした。傘もたくさんさしています。

メインの天国と地獄

入場してからほぼ1時間経過、やっと目的のレリーフに着きました。
これです!上の段が天国、下の段が地獄、真ん中が天国と地獄のどちらに行くか審判を受ける人々のレリーフです。

よく見ると、中段と下段の境目にクメール語がありました。
奥の方は修復中のようです。
ガイドブックには、このエリア10mくらいはDamaged sectionとあります
手が18本ある閻魔大王が判決を下しているところ
中段から下段に落とされた人々。じっくり見ると寝れなくなりそうです
減刑を訴える人の表情が必死
下段の描写は生々しい

「最後の審判」に似てる世界観?

少し前に息子が学校の授業で、Doom paintings(西洋画の「最後の審判」)を見て、それに関連した作品を作るという課題があったそうです。

その時に、「最後の審判」とアンコールワットの「天国と地獄」の世界を混ぜたドローイングを描いたところ、とても評価がよく美術室に飾られたとのことでした。

よく考えてみると最後の審判はキリスト教が背景にあるのに対して、天国と地獄はヒンドゥー教、それでも非常に近い世界観が中世で共有されていたのだと面白く感じました。

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