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【遺跡探訪60】死者の門 (Gate of the dead)

水祭り連休最終日、もう一つ遺跡(遠くないところ笑)に行こうと考え、アンコールトム内でまだ訪れていないところ、ガイドブックに載っていてもあまり観光客は訪れない、アンコールトム5つ目の門の「死者の門」に行こうと思いました。

Google Mapで門のレーティング

「死者の門」名前からして怖いなあと思っていました。しかし、人が訪れないということは、実はあまり手が入っておらず昔の雰囲気を残しているのではないかな…と急に気になってきました。

ふとGoogle Mapで門の星の数をそれぞれ見てみました。
今まで、遺跡のレーティングなんて、個人の好みもあるしあまり意味がないのでは(バコンはもっと高くてもいいでしょう!など)…と気にしていなかったのですが、チェックしてみたところ、

東(勝利の門)4.7
西 4.6
南 4.7
北 4.7

この4つのレーティングが自分の肌感覚と同じでした。さらに、死者の門が4.8なのを見て、これは見に行かなくてはと思いました。
4.8はアンコール遺跡では最高レベルで、アンコールワットとバイヨンと同じです。


季節が変わったようです

さて、朝7:00にアンコールワット環濠に出ました。
季節は乾季に変わりました。雨季と違うところは、空の色と、アンコールワットの環濠が鏡のようになるところです。もっと寒く(10°C台)なると、水の上に靄ががかかって、これまた綺麗です。

アンコールトム 南大門

10日ほど前は大行列で渋滞が起きていたアンコールトム南大門は、今日は空いていました。あの時よりも気候は良くなっているのですが、ハイシーズンは11月前半〜中盤だったようです。

乳海攪拌を起こしています
下から見る門もかっこいいですね

バイヨン到着、死者の門へ

アンコールトム 中心部のバイヨンに到着しました。この時点で遺跡オープンの7:30になっていなかったので、待っている人もいました。

バイヨンから真東へ

地図で見るとバイヨンから真東に伸びる道があります。これを真っ直ぐ行くと死者の門に到着するはずです。

往路:赤、復路:青でした

実際にバイヨンの東に行くと、駐車場・駐輪場になっています。トゥクトゥク、車、バイク、自転車が無造作に止めてあり、よく見るとその奥に道ができています。

何の道かなーと思っていた

これ、まさかあの門に通じているとは思っていませんでした。

写真では平らに見えますが、昔の参道としての石畳があるため、実際スクーターで走るとかなりガタガタしています。

夜中に雨が降ったので水たまり

門が見えてきました

感動です。林の奥に、アンコールトムの四面仏の塔門が見えてくるのです。

こんなところに石碑がありました。他の4つの門と違って、人が訪れていないことがわかります。クメール語の名前はទ្វារខ្មោចと書いてありました。

このទ្វារខ្មោច、単にgoogle翻訳するとBroken door(壊れた扉)でしたが、ちょっと違うような気がして「〇〇の門」の〇〇にあたるខ្មោចをクメール語・クメール語辞典で調べてみると…

さらに英語訳:
Definition: Ghost (n.) Inhuman or human form, dead animal: human ghost, animal ghost. Ghost child or ghost worker means a member who is only in the work of a ministry or group, but does not have an active person to perform the duties.

この上記の語義を見ると、死者の門は、実際の戦闘での死者がこの門を通ったというよりも、霊が行き来する門なのかなと思いました。そう考えると、このアンコールトムにとってより宗教的な意味のある門と思えます。

今夏亡くなった伯父のことを思ったりしました。

実はこの門、あまりよくわかっていないのか、ガイドブックには存在は記されているものの詳細までは書かれているものがありません。

門を抜けると環濠に出ます。向こうからバイクに乗った人が来たので、抜けられるのかな?と思いました。

死者の門の外側からです。
この写真を撮っていると、ドイツ人っぽい男性に「あそこに置いているのはあなたのスクーター?」と声をかけられました。

はい、あれで来ました、あなたはどうやって来ましたか?と聞くと「走ってきた」と言います。え?と思ったら、アンコールトム城壁を一周(12km)走っているということでした。
城壁は門のところで一旦降りなければいけないので、降りてきたが、この門が5つの中で一番良いねと言っていて、深く同意でした。

四面仏以外にも小さな彫像が多くあることに、気付きました。

「じゃあアンコールワットハーフ走るんですね」と言うと、「去年出たからもういいや。あなたは参加する?」と言うので、「3kmのファンランだけです」と言うとグッドラックと言って走り去って行きました。

上から見る門も素敵です
象の支柱

スクーターで門を抜けて外に行こうとすると、いつの間にか係員の人がいて、「あっちは行き止まり」と言うので、じゃあバイヨンまで行かないといけないですか?と聞くと「この道を行くといい」と勝利の門へ続く近道を教えてくれました。

ああ、この道があったのか!これは楽だ。バイヨンから無理して東に行くことはなかったのです。

すぐに、馴染み深い勝利の門の前の道に出ました。

死者の門があるからこその勝利の門

チャンパに勝利して王宮の正面までジャヤヴァルマン7世が凱旋したと言われる勝利の門。あの5つ目の門があるからこそ、勝利の門も際立っているのだろうと思います。

いつもの門が違って見えます。


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