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【遺跡探訪49】王が見た景色(The Royal Pond)

動画は今朝のアンコールトム内、王宮前のテラスからの眺めです。この正面の道を真っ直ぐ行くと勝利の門で、ジャヤヴァルマン7世がチャンパとの戦いに勝利して、門からこの王宮まで凱旋してきたと言われています。今日はその広い王宮の敷地内の、ピミアナカス以外を散策しました。


季節が変わりました

先週末が土日とも大雨で外出を断念したため、2週間ぶりのアンコール遺跡でした。雨雲は遠くにあるのですが、空気が澄んでひんやりとしています。朝6時の時点では、長袖一枚でも移動していると少し冷えてくる感じでした。

昨年10月の終わりに引っ越ししてきたので、季節が一周した感覚です。これからどんどん最低気温が下がりますね。

なんて綺麗な

アンコールワットの観光ハイシーズンも終わり、今回は正面から写真を撮っていていも何も言われませんでした。

アンコールトム南大門前から環濠に向けて撮っています。今日は空と水とのコントラストがどこも良いです。雨季もいいなあ。

象のテラスは相変わらず修復中でした。
プレアピトゥの修復の立て看板と共有しているようです。と、いうことはプレアピトゥと同じく韓国の協力で修復しているのでしょうか?そういえば看板には韓国語があって中国語がないです。

入れません

王宮の正面

どんな思いで東門をくぐったのだろうか

あれ?先日行ったバンテアイサムレの東門とテラスに似てなくもないです。

「王家の誓い」の碑文

この東門の西側に刻まれている碑文が、王家の誓いなのだそうです。

王以外の君主を敬わず、王に敵意を示さず、王の敵の共犯者とならず、王を害するようなことは一切行いません

A Royal Oath

そして理由はわからないが、検査官の名前が消された場所↓


140mにわたって続く池のほとりの彫刻

王宮の敷地内には池が3つあり、一番奥の(西の)池には水が入っていません。中央が一番大きく、幅が140mもあります。

ピミアナカス側は丘になっていて地面が高いので、最初はよく見えませんでしたが、近くまで寄ってみると、池の内側が全て彫刻されていることがわかり驚嘆しました。

ジャヤヴァルマン7世がここから池を眺めたであろう、ラテライトの舞台
舞台の下に降りました。
下からピミアナカスを見ます。

雨季は足元に気をつけて

一度、苔で池側に滑り、落ちるかと思いました。石畳がもう一列なければ落ちていました。雨季は無舗装の小道の遺跡へ行くのはやめようとは思っていましたが、それだけでなく石に生える苔も気をつけた方が良さそうです。

ナーガが壁に彫られていました。欄干や建築物の角でなく、レリーフとして正面から見たナーガが彫刻されているのは珍しいかもしれません。

一輪だけ蓮の花が咲いていました。上の彫刻でも王女(と思われる)が蓮の花を手にしています。池が建設された数百年前から、ここに蓮の花があったことを考えると、感慨深いです。

140mの彫刻が壮観です。

さらに奥(西側)に入ります。城壁に囲われたエリアに手入れされた自然が美しく残っているのは、東京の皇居を思い起こさせます。

奥の池は水は抜けてしまったようです。

木漏れ日が美しいです。とはいえ、蚊と蜘蛛の巣がかなり多かったので、虫除けしておいた方が良さそうです。(蜘蛛の巣は避けられないですが)家に帰ったら虫刺されの跡がありました。

ピミアナカスの立ち入り禁止は一時的なものかと思っていましたが、もう登れなくなってしまったようです…

案内板がありました。ああ!プリア・パリライは位置的に池のすぐ北になるのですね。テッププラナムもここから右ではなく、プリアパリライ経由の方がお勧めです。

象のテラスが「斗象台」ライ王のテラスが「癩王台」に比べると、プリアパリライとテッププラナムの中国語の当て字の苦労が見えます。

ナーガと王女の美しいレリーフ

こちらもナーガと王女のレリーフ。東側の方が高さもあり、彫りも深い気がします。

穏やかな笑み

アンコールトムの神聖な空間

アンコールトム内は最盛期には数万人が住んでいたそうです。その中でも、この城壁内の王宮の敷地は別の空間で、選ばれた人のみが優雅に暮らしていたのかなと想像できます。

東門へ戻ります

実際の王宮は木造だったようで、この城壁内のどのような場所にどのような構造で建っていたのか明らかになっていないようです。

一番重要な建物が迷宮入りというのも、また興味深いです。

ここを出ると、冒頭の動画のテラスに出ます。

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