![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102283216/rectangle_large_type_2_52ff966b7e356462cf896ea48ae7a79d.jpeg?width=1200)
【遺跡探訪26】三島由紀夫とライ王のテラス Leper King Terrace(12世紀後半)
アンコール・トム内のバイヨン以外の遺跡にどんどん引き込まれていき、片っ端から訪れたいと思うようになってきました。
また、2週間くらい前からとにかく恐ろしく暑くなってきて、ここ数日は最高気温が37〜38度です。涼しい森の中を通り、少しでも市街地に近い遺跡、となると早朝のアンコールトムは今の時期に良さそうです。
(写真はFujifilm X10で撮影しました)
最高気温38度になる前に
快晴すぎて日差しが痛い
天気予報を見ると、今日は最高気温38度でした。できるだけ早く行って、酷暑になる前に帰ってきたいです。
朝7:30のアンコールトム南大門。西洋人観光客が多いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1680757355179-swe8vPXlWs.jpg?width=1200)
南大門とバイヨンの間の道から見える風景が結構好きです。森は深いのですが、アンコールトムの巨大な城壁の中にあって、守られている感覚があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758190847-VKhoR7VYxg.jpg?width=1200)
今日のバイヨン
東門より写真を撮りました。来週末のクメール正月に合わせて、バイヨン東門前でもイベントを行うようで、足場を組む準備をしていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1680757390033-4vM1cmcuzs.jpg?width=1200)
バイヨンの第二回廊に、ライ王のテラスの王の伝説がレリーフで描かれているそうで、余裕があれば帰りに行こうと思っていましたが、暑すぎて割愛です…
ライ王のテラスに到着
表のレリーフと、1990年代まで発見されなかったもう一層のレリーフ
ライ王のテラスは、テラス部分の側面に巨大な彫刻のレリーフがあるのですが、レリーフが二層になっていて、その間を迷路のようにすり抜けて見学していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1680757415860-POBv2xkFCa.jpg?width=1200)
この二層目は、1990年代にフランスEFEOが修復時に発見するまで、なんと土の中に埋もれていたそうです。下の写真では通路左側の部分です。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758321459-SpyuIvbeex.jpg?width=1200)
テラス建立後に内側のレリーフが崩れてきたため、それを土で埋めてもう一層外側にレリーフを作った可能性があるそうです。
この長年埋もれていた二層目の方が彫刻の保存状態が良く、見応えがあります。湿っぽく、観光客もいないのでちょっと怖い気もするのですが、他の季節でなく4月の刺すような日差しの中、来て正解でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758329641-gYNoRrnqtT.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680758348178-U9FjH8adUE.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680758402718-oejGXw2fGC.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680758419967-ZNjS2EkH0T.jpg?width=1200)
テラス上部の像
この像はレプリカで、本物はプノンペンの国立博物館の中庭の中心部にあります(あー、あれか!!何の像だろうとずっと思っていた…)
像の変色がハンセン病を想像させたためライ王と名付けられましたが、カンボジア人はインドの神ヤマ法王(ヤマ・ダルマラージャ)と呼んでいるとか。
※ハンセン病は現代では治療法が確立されて、早期治療により完治する病気です。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758600664-Yz6wL3EkEw.jpg?width=1200)
この像自体は8世紀に作られたようで、片足を立てたクメール彫刻には珍しいスタイルは、ジャワ様式のようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758610307-dOvGbI5gSV.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681361032540-TZSuG6Ff3g.jpg?width=1200)
確かに中央に座っています。こちらが本物だったのですね…
ライ王のテラスから、象のテラスを見ます。上部でつながっている印象がありましたが、つながっていませんでした。昔の記憶って、結構勝手ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758850185-KH6q8nefhu.jpg?width=1200)
順路通りに進むと、
内部レリーフ→テラス上部の像→テラスから降りて外部レリーフ
となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1680758904912-bEQNNQFfqb.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680758916552-YbhHRxy8IY.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680758936377-rrUtty9mYg.jpg?width=1200)
他のアンコールトム内の遺跡が壮大なため、ライ王のテラスは後回しにしがちだと思いますが、迷路のような内側のレリーフをぜひ見てください!
![](https://assets.st-note.com/img/1680758973273-ihhj8aVrDk.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680759015569-cB2ncHbwok.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680759064988-3ss42z5hio.jpg?width=1200)
三島由紀夫作品「癩王のテラス」
宮本亜門さん演出の舞台
2016年に「ライ王のテラス」舞台が宮本亜門さんの演出で行われていました。聞いたような気もしましたが、その時は日本にもカンボジアにも住んでいなかったのでそこまで気にしていませんでした。
実際遺跡に行った今、どうにかして観ることができないものかと調べたら、早稲田大学演劇博物館にアーカイブがあり、事前予約の上、舞台の映像を視聴することができるそうです。
Youtubeでダイジェストなどを見てみると、主役の鈴木亮平さんがジャヤバルマン7世に雰囲気がとても似ています。役への寄せ方がすごいなあ。ジャヤバルマン7世ファンとしては感激でした。
三島由紀夫作品をアマゾンでポチ
そういえば三島由紀夫作品の著作権はそろそろ切れる頃でkindleで読めないものかと思っていたのですが、調べてみると著作権保護が没後70年になった(!)とかでギリギリ読めませんでした。
Wikipediaを見ると、「癩王のテラス」は2023年時点では下のリンクの三島由紀夫全集でしか読めないそうです。6,000円超え!ええ、高い…
泣く泣くポチしました。クメール正月の弾丸一時帰国で持って帰ります。次、ライ王のテラスで座って読もうかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?