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シングルマザーは案外悪くない選択だと思う。

「シンママの人って、嫌いな人の血が混じっているのに子供に100%愛情注げて不思議やなーって思ってたんです。もしくはその逆で、嫌いな人の血が混じってるからこそ、子供を愛せないって場合も。それらの感情ってどんなんかなーって」

そんなことをとある人に言われた。
なるほど、確かに二つのケースは両極端で、その心の折り合いの付け方は全く異なる。
違いは何なの?って考えたことはなかった。
幸いなことに私は息子が大大大好きだ。
だが、嫌いな人の血が混じっているから、子供を愛せない、という人の気持ちも理解できる。

特に、うちの息子は父親の顔にクリソツである。
※父親(クソ野郎)の振り返りの話はこちら。

されど、かわいい。
小さくて、声も高くてかわいくて、クソ野郎とは全然違う生き物である。
「だって違う生き物だもの」「そして私は母だもの」
そんな立派なふりをしているが、私も小さなかわいい息子に嫌いなクソ野郎を重ねていた部分がある。

子供を愛せている人も、愛せていない人も、大小あれど、必ず子供に嫌いな元パートナーの姿を重ねて憎しみを持っていると思う。

いいや、私は彼のことは憎いけれど、子供のことは100%愛していますよ、という人がいたとしても、気が付いていないだけで、認めたくないだけで、潜在的に子供に憎しみをほんの少し重ねてしまっているというのが私の考えだ。

しかし正確に言うと、それは子供が憎いのではない。
そしてさらに言うと、元パートナーが憎いのでもない。
本質的には、そんな元パートナーをかつて愛してしまった、自分自身が憎いのである。

彼が悪い、彼さえいなければ。あんなヤツ死んでしまえばいい。
そう無き者にしようとしていることで、半分の遺伝子が入った息子のことを意図せず否定している。
私は悪くない。彼が悪いのだ。
そんな男をかつて愛してしまった自分自身を認められないから、彼と愛した結果生まれてきた子供の存在に矛盾のかけらが生まれる。
過去の愛した感情と現在の否定したい憎しみ。
どちらも子供が引き継いでいるのだ。

私には幸運にも、そんな矛盾をはらんだまま少しねじれた感情で子育てをしている私の姿を指摘してくれた友人がいた。
「元パートナーに会ったほうが、スッキリすると思いますよ」
メンターでもあるその友人に諭され、私の考えまいとしていたもやもやを引っ張り出し、向き合うことにした。

一つは自分のため。
未婚のシングルマザーという境遇になってしまったそんな自分を繰り返さないため。
自分の何がだめだったのかをきちんと把握する必要がある。
こうなったのも、自分の幸せを「テキトー」に考えてしまったからだ。
テキトーにテキトーな相手と結婚したらテキトーに幸せになれると思っていた。
自分のことを大事にするとはどういうコトか、きちんと腹落ちしたい。

もう一つは息子のため。
息子に100%愛情を注げているのか?
もし自分でも意識せずに欠けている部分があるのならそこはなくしたい。
そしてこんな自分のテキトーな感情を無意識に息子に・後世に引き継いていきたくない。
こんな自分を大事にできない性格は私の代で終わりにしたい。

最終的に上記の理由で元パートナーに会うことになる。

しかし、そこまで整理するまでに相当な葛藤があった。
会わなくてもいいのでは?
嫌いなクソ野郎になぜ私が会いに行くのか?
新しい相手を見つけて幸せな家庭を築いて見返してやればいいのでは?

しかし、メンターである友人はひたすら私にこう言ったのだ。
「ダメ男のその人と、あなたはお似合いですよ」
「ダメな女だからダメな男を好きになっているのですよ。見合っていますよ。」

正直きつい。
カチンとくる。
しかし、その友人が言いたかったことは「彼のことを悪者にしているのは、あなたですよ」というコトだった。
全ては私の思い込み、まずはその思い込みのベールを脱ぎ去って、真っ白な心で彼と向き合ってみて、というコト(さらりと書いたが、簡単なことではない)。

葛藤し、もがき、他の友人にも相談し、ついに覚悟を決めた。
そして、先のnoteで書いた通り、彼に会い、謝罪し、現状を伝えることができたのだ。
憎しみは溶け、過去に愛した男が、かわいい息子の父親であることを私の中で認めることができた。
あ、彼のこと憎んでたけど、そんな彼を愛したのは他でもない自分だった。
そんな自分の過失を認めることができたら、矛盾のかけらはポロリとなくなった。

全ての悪を許す全能の神のような書きっぷりだが、エッヘン、告白しよう。
3月に元パートナーに会った時、「こいつやっぱり謝らんなアホが」「相変わらず得体のしれん奴や」「おまえの話なんか聞きたくない」そう思いながら私は彼と話をしていたのだ。

そんな低俗な感情がメンターにばれて、今度はちゃんと彼の話を聞いてみましょう、ということで5月末に会う。
それが本当のところである。トホホである。

世のシングルマザーはここまで元パートナーに向き合う必要はないと思うが、心の整理ができればシングルマザーは個人的にはオススメしたいと思う(もし迷っている人がいれば)。
特に子供を産もうかどうしようか迷っている人がいれば、考えてほしい。
シングルマザーも、別に悪くないかもと。
気楽に子育てできて、かわいいわが子を独り占めできる。
結婚前ならなおさら“未婚の”シングルマザーのレア性もゲットしてほしい(おい)。

もちろん、片親収入なので貧困の問題はあり、そこは慎重に考える必要はある。
しかし、公的機関の助けも借りて経済的な面の割り切り(=お金に対するマインドセットの見直し)と、上記に述べた元パートナーとの心の整理ができれば、普通に幸せなのではなかろうか。

少なくとも、私は結婚しなくて本当に良かったし、今、ボロアパートで息子と2人毎日幸せに過ごしている。
シングルマザーを推奨するなんて負け惜しみのようだが、結婚してても不幸せもある。
何が幸せかを定義するのは自分次第。
選んだ選択肢の中でベストなになるように道を作ればいいだけ。

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