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肥料の話


上の写真は緑肥の一つでクリムゾンクローバーです。
緑の中に赤い花が咲いて見た目も綺麗です。
緑肥とは、ある植物を育て、それを畑の土中にすき込むことで肥料の役割をさせることです。

人も植物も同じ

その人が食べたもので、その人の体ができるのと同じで
植物も吸収した栄養分+光合成で体を作ります。

カップラーメンや菓子パンなど、とりあえずお腹がいっぱいになってカロリーが取れるものを食べていれば人間の体は大きくなります。でもその人が健康的で元気かというとそういうわけではないと思います。人が健康であるために穀物、肉、魚、野菜、果物などバランスよく食べるのと、良い農作物を作るために土の栄養バランスを整えることは同じです。

野菜に何も考えず化学肥料のみを与えて育てるのは上の人間のケースと同じで、ただその作物が大きくなれば良いということで、その作物が健康で美味しく育つことを無視しています。化学肥料の使用により量産はできるようになりましたが一方で野菜の持つ栄養分は60年前の半分から10分の1になっているとのデータもあります。

野菜も健康で美味しく育つためには栄養バランスが大事です。有機農業だろうが慣行農業だろうがこれができなければ美味しい野菜は作れません。逆にこれができれば有機農業だろうが慣行農業だろうが美味しい野菜が作れます。

私のやり方としてはまず緑肥を育て、それを土中に還すことにより、有機物を微生物が分解します。微生物が分解することで作られる栄養分は化学肥料と異なり、何かの成分が偏ることなくバランスが取れており、また複雑な形態で作物に吸収されます。例えるならば人が野菜を生で食べるのか、焼いて食べるのか、煮て食べるのかといった具合です。いろんな形で吸収された方が有効利用されやすいのです。また分解は徐々に行われるため急激な濃度変化は起こりません。そのため少しづつじわじわと途切れることなく栄養分を吸収することが出来るので植物にとっては理想的な環境になるのです。
自然には「窒素」「リン酸」のように単一の工業的、化学的に作られた物質ではなく、亜種や副産物など中間的物質が存在します。私はそれらが持つ複雑性が野菜の味や栄養分に影響すると考えています。

そういった土台となる土を作った後で、有機質肥料を中心に施肥設計します。有機質肥料は地温が上がらないと効果を発揮しづらいので、生育初期の低温下でも肥効を発揮させるために化学肥料の窒素分を一部使用しています。

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