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ポンコツな私のウツ歴史⑧治ったからこそ思うこと(ADHD由来)その1

長い鬱症状から抜け出た今、わかった事柄がいくつかあります。

まず最初に、私にストラテラというノルアドレナリン再吸収阻害薬が効いた、ということは、ADHDなのだそうです。

面白いですよね。薬を飲んでみて、効いたということは現状「ADHD確定」なのです。

実は、知り合いのADHD確定組は、IQテストを2時間ほどかけて受け、言語的IQが130、動作的IQが100以下、という結果をもらったそうです。

私も受けてみようかなと思ったのですが、もう45歳にもなって鬱なのに2時間もかけてテストを受けるのも面倒くさいのと、ネット上に落ちている簡易チェックリストで「可能性が高い」と出たというので、「じゃあ試してみましょう」というので始まりました。

原因がわかったのでラッキー!だと私自身は思っています。

そこで、鬱を患う方々に向けて、思いつく限り、お伝えしたいことを列挙していきたいと思います。

■鬱は、仕事を完全に休まないと有効な治療はできないし、治療には最低3ヶ月かかる。

メンタル系の疾患を患う人は、会社に中にも多数いて、だいたい3ヶ月おやすみになります。私はそれを取らずに辞めてしまったのですが、それにはいろいろ事情がありました。その事情はまた別途述べるとして。

鬱の治療は、完全に休まないとできません。

仕事をしながらの治療は、ほぼ意味がありません。

脳のことは、基本的に全て解明しているわけではなく、この薬をこれぐらい増やしてみよう、減らして別のものにしてみよう、そうしたら症状が若干よくなった、じゃあ増やしてみよう、といったように、いろんなお薬を試したり足したり削ったりして調整します。「出たとこ勝負」で、ほとんど「人体実験」です。それで、症状が深刻な人の方が、いろんな原因があるから、一つのお薬で若干よくなったように感じて、「まあいっか」となります。でも、なんとなく万全にならず、ずるずると通院を続け、生活はそのまま、となるでしょう。

治療では、血液検査で「ノルアドレナリンが足りませんねえ」となったからノルアドレナリンの再吸収阻害薬を処方するのではなく、たまたま処方してみた薬が合ったから、「ノルアドレナリンが足りなかったみたいだね」となるのであって、その患者の体で試してみないとわからないのです。

その実験をするにしても、医師は毎週来てもらわないと、多く処方することも、別の薬を試してみることもできません。

でも、仕事をしながら毎週病院に通うのは、鬱の場合体力的に難しいと思います。

加えて、仕事をしていると、いろんな「事件」が起こります。「●●なトラブルがあって疲れた」とか「出張が入って疲れた」とか、仕事上の大きなイベントがあるとか、「ミスをしたので凹んだ」とか、「●●さんに嫌味をいわれた」「上司に叱られた」といったように、外部要因が多すぎて、コンディションがよくなったかどうかの判断ができません。仕事がなくても「風邪をひいたから」とか「お腹をこわした」とか、女性なら「生理だったから」とか、患者本人がニュートラルな状態を見極めるのが難しいのに、仕事が入っていたら、ほぼ判断はできません。

福利厚生が恵まれている会社に勤めているのであればぜひその制度を利用して、思い切って休みましょう。

「ただ休んで疲れをとる」のではなく、戦略的休暇をとるつもりになりましょう。

眠たければ病院以外はひたすら寝ればいいのです。

■昼夜逆転は症状です。(強調)

ちょっと長めの休みになると、昼夜逆転してしまう人はいませんか?

そして、ちょっとの夜更かしと朝寝坊が、一気に昼夜逆転になってしまう。

昼夜逆転は症状です。

私も、自分が急に治ったので、やっとわかったのですが。。。

夜が遅くなり、朝が遅くなり、だからまた夜寝られなくなる、と思っていませんか?違うんです。昼夜逆転する人は、それはそれは猛烈な眠気に襲われ、たとえ朝きちんと起きても、午後になると起きていられなくなるのです。

あの眠気を我慢しろというのは無理な話で、ほとんど拷問です。だから、寝るのは脳を守る上で正しいんです。

「じゃあ昼間お出かけしたら起きていられるでしょう?」と言われますが、確かに起きていられます。が、ものすごく疲れます。翌日に昼夜なく寝て、あっという間に元通りです。

たとえば不登校で昼夜逆転の子に「規則正しい生活をしましょう」などと言っても、できなくて当たり前です。

治ったからわかりますが、普通の人にとっては、確かに朝起きるのが普通で、夜寝るのが普通で、べつにそれは努力してそうなっているわけではないのです。病気でなかったら、そうなるのです。だって、昼間に起きていた方が便利ですし、病気でない人が昼間散歩に行ったり買い物に行ったりできるのは、できるから行っているのであって、昼夜逆転した人にはそれが「できない」から病気なのです。

体調が良くなれば、昼夜逆転は勝手に治りますし、健康になれば、多少の夜更かしや寝不足も、体が適当にバランスをとってくれます。

ともすればそうなりがちであった私も、このリズムを勝手に自分の体ができるようになったとき、「おおおおおおーーーーー!!!」と思いました。もう、以前の自分とはまったく違います。

思い煩うことなく朝には適当な時間に目が覚め、昼寝をしても適度になり、あるいは昼寝なしで夜寝るようになるのです。

昼夜逆転は、とてもだらしない感じがします。それは患者だってそう感じている。生活習慣なので、かなりパンチのあるコンプレックスになります。昼夜逆転は、原因があってそうなっているだけです。

昼夜逆転になる人は、昼夜逆転をまず治療する方向になってほしいと思います。

■子供の時の通知表に書かれたことは、自分の本質である

私は、保育園の頃に、「とにかく落ち着きがない」と保母さんに指摘を受けたそうです。砂遊びをしていて、隣でブロック遊びをしているのがいいな、と思ったら、全てを放り投げてブロックに突進していったのだそうです。

この指摘を受け、母は私に絵本の読み聞かせをして、幼稚園に上がった頃にはそういった指摘は受けず、「元気でいい子」になりました。

小学校1年生の時には「とても元気ないい子だけど、忘れ物が多い」と書かれていました。

それは今でもそのままです。が、忘れ物というのは大人になって困るのは自分なので、なんとかそれを減らす努力や工夫をして、普通の人が努力をしなくてもできるレベルに、なんとか合わせていけたりすることもあります。

が、今本当に思うのは、クラスに40人近い子供がいて、やはり「特別にそういった欠点が目立つ」から、先生は指摘をするのです。

忘れ物の多い子が悪いと言っているわけではありません。ただ、その子にはそういう癖がある、という客観的事実です。

鬱の症状が出ている場合、自分にはそういう癖があって、大人になってからはある程度体裁を保って生きてこれたとしても、それは普通の人より何倍も努力している結果なのだということです。そのために他の人と同じ能力だとしたら、その隠れた努力が脳に負荷をかけているのだということを理解しておく必要があります。

■私が自覚している自分の癖、まだまだあります。

①片付けが苦手です。

私は小学校に上がった時から個室を与えられたのですが、その部屋がまーーーーあひっくり返っていました。

片付けができなかった原因は母にもあって、母は片付けが得意らしいのですが、人からおもちゃや洋服をやたらもらってくるのでした。おもちゃなら玩具箱に入らないぐらい、洋服ならタンスに入らないぐらい。

この傾向は就職して実家を出るころまで続きました。

就職してからは、入るものがある程度制御されるので、マシにはなりました。また、捨てられない性格ではないので、面倒になると全部捨てる、という荒技を駆使します。また、転勤が多かったので、その度に捨てる機会に恵まれ、そこまで困ったことにはなっていませんが、他の人よりも片付けにはとても気力を割いている自覚はあります。

②ものに異常にこだわる

会社を辞めた理由のうち、3割ぐらいは、「Windowsパソコンを使うのが嫌だから」が占めていました。大変ふざけた話ですが、会社貸与のWindowsパソコンの、8ビット?16ビット?のギザギザ画面にこれ以上耐えるのはいやだなと思ったのでした。Macなら、こんなにツルツルのフォントなのに。

バッグはシャネル、鍋はビタクラフト、調理器具にはいくら使ったかわからないほどです。デザインや使い勝手を念入りに検討し、それがいくらだろうと楽天やアマゾンで買うのです。百均に行けば100円で買えるものも、数百円から数千円出して買います。

結婚式のときもそうで、まーあ、豪華でした。元夫に感謝ですが、あそこまでこだわるのも、異常だと思います。

家を買った時には、好みの家具がなくて悶絶しそうでした。結果、イギリスやアメリカから輸入したのですが、一般の人からみたら目が飛び出るような価格です。

セーター類は、ほぼカシミヤかアルパカ。これは、それ以外だとチクチクするからで、ユニクロのカシミヤもチクチクするので買いません。

お金に不自由がなかったからよかったのですが、それにしたってこれほどまでにモノへのこだわりがなかったら、どれだけ人生が楽だっただろうかと思います。

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