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わたしは怯えている。

わたしは単純に、「ドライヤーで髪を乾かす」という、あの作業が嫌い。
いつもお風呂上がりにタオルで髪を巻いたままにしては怒られている。
作動音とともに熱くなるあの感じ、アタリマエのことなのだが、本当に何者にも代え難い、嫌な時間とみなしている。

テレビや声は聞こえなくなるし、その間だけすごく閉鎖されてる感じで、無理やり暑苦しい演説をする人たちの間に閉じ込められたような感覚になる。(例えが非常に悪い)
もともと字幕をつける習慣があるので、テレビは音無しでもみれる。そもそも止めておけばいいのだから。
しかしあの時間だけは何故か音を聞きたくなる。やはり閉鎖されていると、逆のことをしたくなるのでしょう。

それとは別に、怒りも湧いてくる。
洗って乾かしてなんでこんなに時間をかけなければならないのか、と。
(そういえばお風呂も面倒くさいというのは別案件です)
ショートヘアとはいえ、この時間でやりたかったことはたくさんある。生乾きだっていいじゃないか。
このちょっとの時間で世界は変わるかもしれない。昔であればやるべき宿題や見たいドラマだって山ほどあったのだ。だから後回しにする。そのときのその場でしか、リアルタイムは存在しないのだから。
恋愛ドラマの展開を、サスペンスを、生き死にを誰かと共有するなら、今しかない。
こんなドライヤーごときに囚われて乗り遅れたくないのだ。(さっきから罪のないドライヤーに言い過ぎました、ゴメンなさい)

なんなら髪は、自然に勝手に乾いておいてほしいと願ってしまう。(髪もゴメンなさい)
コイツらはちゃんとケアしないと次の日荒れ狂うんだから、なんという怪物。
そりゃあ贅沢な悩みだという人も、そんなことくらいでー?という人もなかにはいるでしょう。正直、どれもこれも仕方ない。

今、わたくしは非常に鬱憤が溜まっていて。
ウワーッとあれこれ並べて言いたいし泣きたいし叫びたいが、何もかもが面倒くさい。
そしてこれがまた活力にならないことを知っている。かえって無駄な動きにしかならない。恐ろしく疲れる。だったら静かに溜め込んで寝ろというほうに転換される。

髪なんかどうだっていい、そのまま考えずに眠ってしまいたい。でも、乾かさずに寝てボサボサで後悔したことがある。ダメージダメージばかりで本当に髪にはすまないことをしている。髪よ、こんなヤツの髪の毛ひとつになりたくなかったなんて言わないでね。

現状、なんか思うように上手く行かない、自由になれない。つまり、人生においても閉鎖的な段階にいると踏んでいる。とにもかくにも苛立ちや迷いが様々で、要は詰みだ。

使っているドライヤーは数年経っている。
よく冬の時期は火事のニュースを聞くが、このドライヤー使用時も、うっすらそのニュースが脳裏をよぎる。
もし、もしもこの詰みまくりイライラしまくりのわたしが握ったドライヤーが、髪をいたわる前に怨念やら鬱憤を放つため火を噴いたらどうしようか………
ボンっと火が出ないだろうか………
いらぬ心配だが、もしこれで黒焦げになって髪が詰んだら………毎回毎回狂いそうです。って、そんなバカなことを考えているわたしは、いつまでもどこまで行ってもバカなのでしょう。悲しいですね。

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