第三話 奪い奪われの価値
声を手に入れた女は、無言でとあるところに僕を連れて行った。それは、しばらく使われていない古びた家屋で、今にも壊れそうなところだったが、生活感があるので、どうやらこの女は此処で暮らしているのだろう。
女の子の声で淡々と話す女に、時々違和感を感じる。腐りきった僕に絶えず「遊ぼう」と声をかけてくれていた、あの親戚の女の子。ただでさえこの理解が追いついていないのに、その声で色々と言われると、益々何がなんだか分からなくなってくる。和道の人間が亡くなっていっているのに、何で僕は生きてい