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「エグい」の温度感

GW中に熊本・阿蘇をドライブして、ミルクロードにある絶景ポイントで景色を眺めていた。私は福岡に住んでいるので1年に数回は阿蘇を訪れていて、それでも毎回、素晴らしい景色に心を揺さぶられる。

最近少し身体や心が疲れていたこともあってか、新緑が美しい景色を眺めながら(ああ、今回も来てよかった)と胸がいっぱいになった。

心地よい気分で、車に戻って窓を開けると、近くを20歳前後の男女数名が楽しそうに会話しながら通り過ぎていった。(若くていいなぁ)と私がのんきなことを思っていた瞬間、

景色をみた女の子が「やっば!えぐっ!」と大声を出していて、つい笑ってしまった。

そうか、今の子は、この景色を「エグい」と表現するのか。

批判ではなく、単純に気づきがあった。
もちろん人にもよるし、全員ではないけど、こうやって時代は移り変わるんだなと実感したできごとだった。


ところで「エグい」の本来の意味は何だろう?と思って検索してみた。

AIによると…
「えぐい」には、次のような意味があります。
あくが強くて、いがらっぽい感じがする
俗に、むごたらしいさま、どぎついさま
我が強くて思いやりのないさま、きつい
洗練されていない
つめたい、ひどい、あくどい
嫌悪感を催させるほど卑劣であるさま

確かに、そんな意味合いで使っていたような気がする。
ただ、続けてこんな検索結果があった。

「えぐい」は若者言葉で、「最高」「素晴らしい」といった賞賛の意味合いや「酷い」「ありえない」といった否定の意味合いの両方で使われます。本来は刺激の強い嫌な味覚のことを意味する表現で、関西弁で使われているのを、テレビなどで見た若者が流行らせたのが始まりです。

「えぐい」は「ヤバイ」と比較的似た使い方ができますが、「ヤバイ」はポジティブな意味でもネガティブな意味でも使われるのに対し「えぐい」は基本的にはネガティブな意味でのみ使われます。また、「やばい」は何もないときに使えるのに対し「えぐい」は状況が好ましくないときに使います。

きっと、この検索結果(AIの答え)も変化していくような気がする。だって、私が大学生のころ「やばい」も大概だった。それが今ではポジティブな言葉として捉えられているのなら、もっと言葉の変化はあるのだろう。

私は仕事柄、本来の正しい使い方で、美しい日本語を守ることも理解できるし、一方でより伝わりやすい表現を意識して文章を書けるようにもしておきたいとも思う。

簡単に否定してしまうのではなくて、理解できるように努めてみる、柔軟な年の重ね方をしていきたい。

例えば15年後、高校生になった甥っ子と同じ温度感で話せることを目標にしよう。

ここまで読んでいだだき、ありがとうございました!もっとすてきな記事をお届けできるように、頑張ります!