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今回は幼馴染に抱いていた憧れの話をしたいと思います。
私には仲の良い4人の友達がいました。
幼稚園、小学校と帰る方向が同じために一緒に登下校をしたり、集まって遊ぶような幼馴染みです。
そのうちの1人であるAとの話です。
Aは小学校2年の頃、近所に転校してきました。
身長や体重が彼とは近く、他にも共通点が多いことで彼には親近感を持っていました。
中学も同じで一緒に卓球部に入ったことでともにいる時間も長かったのですが、元々のルックスが良いことや、明るい性格だったので部活以外ではやんちゃな人とよくつるんでいました。
そのためまじめすぎる私からすればそんなところも羨ましく感じていたのですが
本人は「毎日がつまらない、刺激が欲しい」とよく言っていました。
高校が離れたことで連絡を取ることが減り、少しずつ疎遠になってきたそんなある日、彼が俳優のオーディションに受かり東京に行くという噂を耳にしました。
聞くところによると、家族が送ったオーディションの応募が受かり、東京の養成所に通うというものでした。
当時兵庫県の田舎に住んでいた私にとってオーディションやら俳優、養成所といった馴染みのないワードに加え、東京に行くだなんて何やらすごそうだ、ただごとではないと漠然と感じたことを覚えています。
会う機会が減っていたとはいえ、身近に感じていた友人に起きたこの出来事は衝撃的でした。
もしかしたら彼自身が起こした行動ではないかもしれません。
しかし、きっかけはなんであれ自身の掴んだチャンスで日常を変えたことはまぎれもない事実です。
つまらないと言っていた毎日を変えた
それがどれだけかっこよかったか。
何も考えず、当たり前のように塾に通い、勉強をして、進学して…
ぼくだけではなく多くの人が当たり前としていた進路とは別の
人と違う道を進んだ彼は輝いていました。憧れでした。
現在、私は自身のブランドでデザイナーとして活動しています。
高校卒業後は四年制大学に進学しましたが、多くの人が選んだ就職や大学院への進学の道ではなく服作りを学ぶため学校に入り直すことを選びました。
似ているなと今はまた親近感を感じています。
彼に最後に会ったのは10年以上前でここ数年は連絡すら取っていませんが、今も東京の劇場で役者をしてると聞いたことがあります。
同い年なので今年でもう30歳。
お互い険しい道を選んだなと思います。
それでも服飾の道を選択をしたことで私の人生を間違いなく楽しいものへと変わりました。
私の憧れた彼の人生も楽しいものであることを今はただ信じています。
そしていつか会えた時には素直にこの話をしてみようと思います。
また卓球もできたら最高ですね。
それではまた。
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