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私がオペラが好きな理由

私はオペラ鑑賞が好きだ。
多動症の自分にとって3時間を超える演目は、結構きつい。でもそれ以上にオペラがくれる幸福感は計り知れない。
これから自分が積極的に観に行くためにも、完全に主観でオペラの好きな要素を書き連ねていく。



当たり前だが、プロのオペラは歌が素晴らしい。自身はヴァイオリンを演奏するが、世界で1番美しい楽器は声だと思っている。人の身体から放たれる力を持った音は、この世のどんな楽器にも変え難い尊さがあり、心に響く。無条件に涙を誘う。言葉が乗っているのに、空間に色がついてどこまでも飛んでいきそうな解放感が私をも宙へと連れていってくれそうだ。腹から飛んできた音は本当に心地が良い。


オペラの話って、大体が単純でくだらない。何回も何回も同じ言葉を繰り返すし、内容も大して中身がない。ドン・ジョヴァンニは1,874人の女性と関係を持ったとこからスタートするし、愛の妙薬はただの安ワインだし、天国と地獄では天界の神様がハエに化けて女を口説くアリアを歌っている。現代まで続いているのは単純にその楽曲の素晴らしさからだ。(たぶん)

オペラでは軽率に愛を叫ぶし、軽率に死ぬ。
なんて素晴らしいんだろう。
現代人は複雑すぎる!生きにくいし死ににくい。今日出会った素敵な出会いに乾杯して結婚の約束を取り付けたり、愛のために決闘して命を落としてみたい。幸せを追い求めて苦労し続けるよりも、瞬間的な快楽や幸福を楽しみ続ける方が、豊かな人生なのではないか。死ぬ時に後悔しない生き方を考えさせられる。いつ死ぬか分からないというのは、全ての人が平等な部分だから。



オペラ鑑賞って敷居が高そうな感じがする。
でも、所詮ただの観劇だ。(ちなみに値段はバカ高い)
1度本物の歌を聞いてみて欲しい。
クラシック音楽は楽しむために少々知識がいるけれど、オペラは内容は簡単だし、歌の力強さも味わってもらえるはずだ。

もしもあなたが人生に絶望して───そんなに重くなくてもいいけれど、生きるのにちょっと疲れちゃった時はオペラを見に行って欲しい。パーッとお金をつかうのもストレス発散になるし、ぜひそのくだらない内容に……刹那的な感情の昂りの美しさに、涙してみてほしい。涙と一緒に心に溜まった毒素がこぼれ落ちていくはず。

そして胸いっぱいに愛の素晴らしさを再確認して、帰路について欲しい。世界は愛に満ちている。きっと。

身近にある、愛に気づいて。

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