結婚式のあれこれ
今まで5回ほど結婚式に呼ばれたことがある。
大抵がご利益のない簡易式の教会で挙式し、宴会場でパーティをする。
それまでに知らない人たちがスピーチをしたりする。多くが新郎新婦と同じ世代なので若い。あるいは上司だったりするが、きちんと空気を読んだりする。
問題はそれ以外の人たちだ。
従姉の結婚式の当日、ナナシは学校があったため遅れて参加することになった。親族の集合写真には間に合わず、制服で参加。
会場にたどり着くと、ナナシの父親が大変にご立腹な様子が見えた。従姉の相手は同じ会社の人間であったため必然的に職場のパーティのようになっていた。
そのため、親族を差し置いてのドンチャン騒ぎをしていたそうだ。
ナナシの父親が色々と祝電を依頼して、それを職場関係者がはやし立てたそうでそれでお怒りだったそうだ。
途中参加のナナシにはよくわからんことで、「くだらないことで怒ってるなぁ」と父を諌めた。
友達の結婚式に呼ばれたことはない。
大半が身内で済ませることが多かったからだ。何人かは盛大にやったそうだが、友達だと思われていなかったらしい・・・。でも、年賀状では「結婚しました」の報告があった。
当初は招待されていなかったが、いきなり招待された結婚式もあった。
同じくいきなり招待された知り合いに聞くと、「何人か突然欠席して、その分の席が空いてしまって。しかも、あてにしていたご祝儀で補填できなかったから呼んだらしい」と聞いた。
「露骨すぎない?」とも思ったが、招待されて仕方なく参加した。
祝儀の金額の相場は「3万円」。
こちとらフリーターでやってる身に3万円の出費はきついなぁとしみじみ思いながらも、支払った。
周囲は何人か知っている人間はいたが、多くは相手方の知らない関係者たち。ウェイ系が多く、何か起こりそうな予感がした。
案の定、数人のウェイ男子たちが、急遽呼ばれた女の子にお酌をしながら、ナンパしてきていた。
ナナシは「猿かよ」と思いながらその子の援護射撃に回った。結局、気を遣いながらの結婚式となった。
なぜ、人は人を祝わないのに、自分のことになると露骨になるのだろう。
良い結婚式だなと思ったのは一番上の従兄と二番目の従姉の結婚式だけだった。
自分の結婚式だけは、誰も不幸になることがないようにしなければと固く誓ったのだった。
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