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タイピングオブザデッド

カタカタカタと、毎日パソコン画面に向かってキーボードを打っている。

これが20年前だと片手で人差し指でちまちまやっていたから驚きだなぁと思う毎日。

学校、大学、職場でカタカタカタという音、印刷機の音が木霊する。

人の声はあまり聞こえない。

不意に我に返ってあたりを見回してみると、画面を食い入るように真剣な表情でタイピングをしている。

「まるでゾンビ映画だ」

顔色の悪い人たちが、キーボードとパソコンの前で規則的な動きをしながら、呻いている。

それだけではない。皆、デスクの上にラップトップ、デスクトップ。

スカイネットに支配されたターミネーターの世界を想起してしまう。

昔は画面が表示されるか、パソコンが起動するかをいちいち拝んでいたのになぁ。

クラスにひとり、ブラインドタッチ出来る子がいれば、その子はもはや英雄だった時代はもうなくなってしまった。

私は今日もパソコンの前に立ち、レポートを作成する。

これがあと何十年と続くようだ。

死んでもこれが続くような気さえしている。

まさしく、タイピングオブザデッド。

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