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aikoが持つ「好き」のモーション数について/2020年7月18日


土曜日。

唐突なマイブームが来て、延々とaikoを聴いていた。そのことをツイッターでつぶやくと、いつもは(いろんな意味で)くっさい男オタクからしか反応がない当アカウントだけど、女性(と思しき)フォロワーからいくつか反応をもらって、「aikoは恋する乙女(乙男)の永遠バイブルなんだなあ」と思った。

ということで、いちばん好きな曲を張っておきます。


aikoは言ってしまえば、「好き」という感情について手を変え品を変え延々と歌っているわけだけど、その「手を変え品を変えのパターン数」が尋常ではない。

ダメな三國無双なら「過去最大の戦闘モーション数」みたいなことをいいながら、その実、ほとんどがコンパチ(使いまわし)でガッカリさせられるんだけど、aikoは好きのモーション数がとにかくすさまじい。

……ごめん、ちょっとたとえがわかりづらかった。

いずれにせよ、量は質を規定するものだから、これだけ「好き」について歌っていれば、その表現はなかばオートマティックに深化(進化)するものである。

彼女の歌を聴いていると、ハッとさせられる表現がめちゃくちゃ多いのは、数ゆえの洗練の結果なのだろう。まあ、初期の曲でもすごいんだけど。

あまりaikoに詳しくない人は上のリンクにあるシングルコレクション『aikoの詩。』から入ってもらえればと。マジですごいからね、「好き」で胸やけを起こす。

ぼくの(いちおうの)得意分野である声優アーティストでいえば、田村ゆかりももう少しポップでファンタジックな意味で、「好き」や「恋」について多く歌ってきた。だけど、そちらは本人作詞ではないこともあって、もう少し規格化というか、聴きやすい感じになっている。

それは田村ゆかりの音楽性のコアがアイドルポップスであることと無関係ではないのだろう。

とくに女性のアイドルポップスは歌い手に「処女性」を求める一方で、彼女たちが歌う楽曲の多くは「性愛」がテーマであるという意味で、原理的に矛盾した音楽ジャンルなのだ。

あなたが好き」みたいな歌をうたわせながら、実際に「あなたが好き的な現実(a.k.a.恋愛スキャンダル)」が発覚すると石を投げる。これが矛盾といわずして、なんといおうか。

というより、「あなたが好き」に代入される「あなた」は、「オタク(ぼく)」なのであろう。そういう意味で、アイドル商売はやはり、「疑似恋愛」なのかもしれない。

その実、aikoは濃厚でむき出しである。自身の恋愛体験がゴリゴリに詞に反映されれている(ようにみえる)。「あなたが好き」のなかの「あなた」に、リスナーが自身を投影することはない。なぜなら、aikoの愛が重すぎるからだ。

むしろ、「好き」の主語であるところの「あたし(わたし、ではない)」に感情移入するのが、aikoと向き合う際の一般的なマナーである。

ブロガーの上田啓太さんが「aikoを聴くとき、我々はaikoになるのだ」みたいなことを書いていたが、けだし名言である。

aikoを聴くことは我々のなかに潜むaiko的な感情と向き合うことにほかならない。

要はなにがいいたいのか。つまり、おなじ「恋愛」テーマといえども、私小説かファンタジーかで、だいぶと口あたりは変わる。その意味で、前者にaiko(恋愛ソング)、後者に田村ゆかり(アイドルポップス)を配置するのは、やや図式的にすぎるだろうか。

もちろんそれで、aikoと田村ゆかりのどちらがいいわるいという話ではないのだけど。

いずれにせよ、ぼくはaikoがポップスど真ん中に長年君臨する歌い手であるということ自体が、うちの国の恋愛文学に多大な影響を与えていると確信している。

それくらい偉大な歌手ですよ、aikoは。

昼。ジムでパーソナルトレーニング。終了後、即ヒレステーキ。400gはさすがに多かったな……。

夜。いのせんと。常連仲間とY田さんと飲む。西新宿のY田さん行きつけの居酒屋へ。爆安くて爆美味い。なんなんだこれ。

その後、区役所通り沿いのガールズバーに流れるも、Y田さんが爆酔いしたので23時すぎに撤収。

楽しかったですね。

以下、今日の服。

トップス:ブルーとホワイトのギンガムチェック半袖シャツ(ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング)
インナー:ネイビーのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ 5分袖(ユニクロ)
ボトムス:グレーのスラックス(ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング)
靴:スタンスミス(adidas)

うーん、いまいちしっくりこないコーディネートになってしまった。

スラックスとTシャツをすっと決まって、それ自体はわるくない感じだったんだけど、トップスがTシャツだけというのはどうにも苦手意識があって。で、なんか羽織ろうと試行錯誤したんだけど、Tシャツのネイビーにハマるアイテムが意外に見つからない。

結果、ギンガムチェックシャツの前ボタンを留めてたんだけど、だったら中は肌着のエアリズムでよかったよね、と。

ネイビーのTシャツにこだわりすぎて、結果的にいまいちな感じになった。

(終わり)



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