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現代人に不足しがちな「観察力」を磨く【動物園・水族館のススメ】

○はじめに

動画投稿主である僕は動物達の動画を通して伝えたい事の一つとして
「動物園や水族館に足を運んでもらう」
という目標があります。
これまで皆様のおかげで来園報告を上げて貰うtwitterタグ
#どうぶつのともだち には、多くの報告をいただいています。

しかし動物園に行くと、来園者のほとんどが1つの展示を2〜3分ほど見て
さほどの関心もなく帰ってしまう人が多く居ます。

僕に出会った事で動物園や水族館に興味を持ってくれた人達には
そんな「観察音痴」になって欲しくはありません。

動物に出会う事で「考えて」欲しいのです。
前記はいわゆる「学びの機会損失」ってやつです。

僕は見たり聞いたりした事を上手く自分の中に取り込めるヒトを
「観察力が高いヒト」と呼んでいます。効率化を求めすぎて多くの事が
形式化してしまったヒトの日常生活で観察する力なんて正直養えません。

動物園や水族館とは、形式化してしまったヒトの生活から抜け出して
自然の一部としてのヒトに戻る数少ない機会であり「観察力」を磨く絶好の場なのです。

今回の記事は、動物を観て観察力を磨くためのコツを教えたいと思います。
「観察力」を高めて人生を豊かにしたいヒトは参考にしてみて下さい。

1.展示物を読む

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飼育員さんにとって担当している動物は我が子同然です。
我が子の行動や素敵な特徴を自慢したい気持ちは親なら当然持つでしょう。
それを来園者に伝える術が展示物です。

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手作りのボードや手書きの絵 また、実際に動物の体の一部を展示したりと様々な工夫を凝らして覚えてもらおうとしています。

ヒトと比べて何が凄いのか、逆にどんな苦労をしているのか。そんなことを考えながら彼らを観察してくれる事で、ヒトが生きている動物達に対して敬意を持ってくれることを願います。

2.足を止める

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2〜3分ふらっと観ただけじゃ絶対何も分かりません。もったいないです。
ここで出会える動物達は日常で会う機会が滅多に無いのです。

「寝てる」「動かないから違う所に行こう」なんて家族連れの会話を耳にしますが、寝ている時こそ動物の特徴を観察するチャンスともいえ。寝ている時こそ動物の特徴をよく観察するチャンスともいえます。

例えばジャガー

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手がクリームパンみたいとか

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模様の中に猫が居る とか

足を止めてじっと観察しているからこそ自分だけが気付く素敵な出会いもあるでしょう。それによってその動物が好きになれば、会いに行く事自体がライフワークになるかもしれません。

話は少し逸れますが最近はゲームや動画コンテンツも
「じっくり」→「スキマ時間でサクッと」
に移行してる気がします。

現代のヒトが何のために時間短縮しているのかは分かりませんが
人間社会から自然に還る時ぐらいは時間なんて忘れて欲しいものです。

3.人の話に流されない

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爬虫類の展示場で 子連れの親御さんが子供によく言う言葉
「気持ち悪い」 「不気味」
長く生きる人間の事ですから、当然動物に好き嫌いはあると思います。
しかし子供は大人よりも体験が少なく、出会う経験全てが新鮮な分
「興味深い」「面白い」という感情を強く持っています。

大人の一言で子供の感情や興味はすぐに吹き飛んでしまうので
大人には子供の感情優先で動物園を廻って欲しいのです。

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先日訪れた上野動物園でも子連れのお父さんがツキノワグマの前で
「クマは人襲う怖い動物なんだぞ」というニュアンスで子供に語りかけているのを見かけましたが、大切なのは子供がクマを観て何を考えるかです。
飽きるまで見せてあげて、その上で「怖い」と思うのならばそれが子供の
素直な気持ちです。
子供と同じように大人もテレビや映画で伝えられた事に左右されず
偏った印象を動物園に持ち込まない事が観察力を養うコツです。

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大人の世界でも同じですよ。

4.妄想する

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動物園を廻っていると不思議な行動を目にする事があります。
そのときにやってもらいたいのは「妄想」です。

原始的なサルであるワオキツネザルは体温調節機能が十分に発達していません。そのため、1日のはじまりは、座ったまま両腕を広げ、朝日をたっぷり浴び体温を上げてから行動します。

体温調節のために朝日の当たる時間こんな格好になるのですが
僕はこの行動を見て

ワオキツネザルが社会性を高めるためにやる
「ワオ教礼拝の時間」だと思ってシャッターを切っていました。

帰って調べて間違いにすぐ気づきましたが、妄想は大切です。

たとえ間違っていたとしても、彼らに対しての興味は増すし
創作物を作る人にとっては何かを創り出すためのヒントになるかもしれません。

アニメや漫画以外にも動物がモチーフになっている作品は古今東西数えきれない程ありますが、彼らも動物達を観察する事でイマジネーションを得ていたのかもしれません。

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●まとめ

高い知能があったからこそヒトは便利な生活と社会を手にしました。
が、同時にくだらない事で悩んだり迷ったりします。
その殆どの理由は「人間関係の悩み」「刺激が足りない」「将来への不安」だと思います。

それらを解決したり、逆に離れるためには

好奇心を持ち続ける事が大切です。

僕が言う「観察力」とは即ち「興味を持つ力」です。
磨いた観察力を応用すれば、動物に対してだけではなく
ヒトや社会にその力を応用できるかもしれません。

だからこそ、たまに動物園や水族館で自然へ帰りにいきましょう。

一種の動物として。

ご支援頂けると僕が遠めの動物園に行けます。