見出し画像

【WWOOF体験記】北海道のオーガニックハーブ園での非日常の暮らし

2週間ぶりの東京はびっくりするくらい蒸し暑くて、早くも夏バテの気配を感じています。
みんなは元気ですか?
私は家のクーラーの効きが弱すぎて、冷房を求めてさまよい歩く日々を送っています🫠



夏、東京の暑さに嫌気がさした私は、涼しい風と広い空、そしてずっと好きだったハーブの知識を求めて、北海道のハーブ農園にボランティアに行くことにした。

WWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms)という、「住む場所と食事・知識と経験」と「労働力」を交換するボランティア制度を使って、旭川の農園に2週間、滞在させてもらった。

私がお世話になったLienfarm(リアンファーム)は、日本で唯一のフランス伝統製法でハーブを育てるオーガニックファーム。
北海道旭川の自然のなか、ハーブの生産、加工、販売まですべて自分たちで行っている。

ハーブ農園での暮らし

太陽とともに働く農園の朝は早い。
朝6時に起床し、自分たちで朝食を作って朝ごはんを済ませたら、8時から農作業が始まる。

まずは敷地内に咲くハーブの収穫。
大規模な農家だと収穫機を使うところもあるんだけど、Lienfarmではひとつひとつ手作業でひたすら花を摘んでいく。

収穫したブルーマロウ

農園のスタッフさんや他のウーファーの方とお喋りしながら、時にラジオを聴きながら、黙々と収穫をする。
背の低い花、身長を超えるほど伸びる花、トゲのある花など、色々な種類があるので、日によって違う箇所が筋肉痛になる。

ローマンカモミール。
鎮静作用のある成分が肌から吸収されて、摘んでいるとだんだん眠くなってくる。
7月は収穫期だったので花がたくさん

収穫したハーブは重さを記録し、木板に並べて乾燥室で3日~1週間ほど乾燥させる。


完全に乾燥したら、すり潰して混ぜ、ハーブティーやハーブソルトに加工していく。
微生物をふんだんに含んだ豊かな土の栄養素をたっぷり吸収したハーブは、とても香り高くて鼻も目も癒される。

調合したハーブティー
食べられるブーケも包んだ!

私が滞在した7月は収穫期で、至るところに色とりどりのハーブが生い茂り、虫の声も賑やかだった。
この時期は収穫がメインの作業だったけど、5~6月は草取りが多いらしい。

ちなみにLienfarmでは、天体の運行に基づくバイオダイナミック農法を取り入れている。
循環や自然との調和を重視し、月の満ち欠けをもとに種まきや収穫の時期を決める。

13時に作業が終わって、交代で料理をしてランチの時間。
畑で収穫した新鮮なハーブを使った食卓を囲みながら、スタッフの方やウーファーさんとお喋りする。

収穫したバジルを使ったパスタ🍝

3年前、初めてWWOOFに行った農園で出会った男の子とLienfarmで再会した!
ひとつめの農園から自転車で旅をスタートして、今は日本一周を終えて北海道で暮らしているらしい。
奇跡的な出会い。

WWOOFの作業は一日5時間なので、このあとは自由時間。
滞在しているログハウスでお昼寝をしたり、料理をしたり、観光をしたり自由に過ごす。

蒸留器を持ち運んで各地のハーブを蒸留しながら旅をしている人がウーファーとしてやってきて、薔薇の蒸留をさせてもらった!

蒸留した水は化粧水と薔薇ゼリーに

ホストのお母さんに車を貸してもらえたので、空いた時間は北海道を観光できた。

青い池
美瑛小麦のピザ&エルダーフラワーソーダ。
バジルが絶品だった!🍕✨
田んぼを一望できる展望サウナ。
水風呂の透明度がすごくて浄化された。

流れの中に生きていること

Lienfarmでの滞在で強く意識したことは、「人も自然も流れの一部である」ということ。
天体の運行が大地に影響を与え、大地に抱かれて植物が育ち、ハーブを加工し、体内に取り入れ、そして排出する。

ハーブの生き生きとした輝きにふれていると、自分の動物としての生命力を強く感じる。

東京で過ごしていた期間、梅雨が苦手なこともあって体調を崩しがちだった私は、北海道に来てから「からだに感謝をする」ということを毎日やっていた。

花を摘んだり雑草を抜く手、地を踏みしめて動いてくれた足、食べ物を消化してエネルギーに変えてくれる内臓。
毎日毎日花をつけるハーブたちと同じように、私のからだは私のものであるけれど、それ以上に地球という大きないのちの流れの中の尊い一部なのだ、という感覚を強く感じた。

自然もからだや心も、コントロールしようとするのではなく、ただそこにあってくれる尊さを忘れないこと。

そして心やからだが弱ってしまって、世の中の理不尽や不公平に悲しくなることがあっても、
こうして生き延びることができていて、北海道の美しい自然の中で豊かな時間を過ごせていること、それを幸せだと感じられる健康な心があることは、周りの人やこの地球がたくさん私に与えてくれているからなんだなぁと思った。

「愛されてるから生かされてる」

そう実感した2週間だった。

WWOOFでの「暮らし」と「非日常」

私は旅が好きだ、と何度かnoteで書いたけれど、バックパッカーやヒッチハイクで旅をするよりも「気ままに、暮らすように旅をする」という形が一番心地良いと感じる。
そんな私にとって、一定期間ひとつの家族と生活を共にするWWOOFという制度はとても合っていた。

「暮らし」「非日常」
ふたつを両立できるのがWWOOFの大きな魅力だと私は思う。

いつもと違う空、いつもと違う音、いつもと違う背景のなかでいつも通りの音楽を聴きながら日記を書いたり、料理をしたり、自分のペースを大事に過ごすこと。

新しい体験に心をときめかせて、ここに来なければ出会えなかった人や場所、家族の空気感に溶け込むこと。

どちらも私にとっては大切で、特別な経験だった。

家族で温泉に連れて行ってもらった車内




かかったお金
飛行機代(28710円)、ガソリン代(6460円)、観光代(6172円)
合計:31352円

いただいたもの
ハーブティー、ハーブソルト、ラベンダー精油、バジルオイル、虫刺されと日焼け跡

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?