見出し画像

中3の時に書いた小説

同じような過去がある人にとっては、このタイトルの持つ強さがお分かりいただけるかもしれない。

本を読むうちに自分も書いてみたくなって、ノートにしたためてみたり、某小説サイトに投稿してみたり。

私は小学校も高学年になる頃にはすでにキーボードを叩いているような子どもだったので、自分の世界を繰り広げる先はもっぱらパソコンだった。

小学生の頃ジャ二オタだった私はブログを開設し、全国の同グループ推しの人々との交流にいそしんでいた。ちなみに小学校6年生の時に小学校生活総まとめの壮大なプロフィールにあった「私のともだち」という欄には、ブログを通じて知り合った友人のハンドルネームが書いてある。

とは言え学校で孤立していたわけではなく、むしろ休み時間は男女混合でドッジボールをやるような、活発なタイプだった。

一学年80名ほどという少なさも手伝ってだいたいみんな友達だったし、クラス替えに一喜一憂することもあまりなかったような気がする。そもそも2クラスしかなかったし、どちらになろうと誰かしら話し相手がいる。気になるのは担任の先生が誰になるか、教室の場所がどこになるか、だった。

小さな街だったので中学校に上がっても小学校とほとんどメンツは同じで、相変わらず学校とネット両方の世界を楽しんでいた私が中3の時に手を出したのが、小説だ。

8年経った今、久しぶりにそのサイトへ行ってみた。メアドもパスワードもほぼ同じものを使い続けているので、数回エラーが出たものの「8年前に書いた小説を読む」という覚悟を決めるほどの時間もないままに、ログイン出来てしまった。

その後も何度か小説を書こうとした私を悩ませた「登場人物の名前」問題はプロローグで解決されている。海外小説によくある、冒頭で主要人物の名前と簡単なプロフィールが書いてあるあれだ。

未だに中2病が抜けきらない私が考えたにしては、初見キラーのような名前はなく、「ささやかな可愛さ」が宿った名前が並んでいた。今の私の名前感覚が一般的であれば、だが。

唯一投稿していた作品を見てみると、サブタイトルがざっと10個ほど。昔から飽きっぽいので、せいぜい5個くらいかと思っていたのに、まさか予想の倍をいくとは。

意外にも多かったことに笑ってしまい、8年分の緊張や覚悟はもう必要なくなっていた。なんの躊躇もなく第一章を開く。

プロローグの時点で私があの頃想いを寄せていた担任の先生との恋愛小説であることは把握していたし、登場人物のプロフィールからもそのモデルである友人は浮かんでいたのだが・・・これまた予想を上回るほどの「リアリティー」だった。

情景描写などもあるし、形としては小説と呼べるのだろうが、これは多少の脚色を加えた日記だ。9割ノンフィクションだ。

そういえばこんなことがあったなぁ、と思いながら読み進める小説。これはこれで面白い。

ところで私は今、とにかく有川浩さんの作品を読み漁っている。中3の時に書いた小説を読み返そうと思ったのも、有川さんの「ストーリー・セラー」という小説の影響を大いに受けてのことである。

この作品で描かれた夫婦の妻が作家なのだ。我ながら単純だと思う。

私も小説、書いてみようかな、などと思ったのが事の始まりだ。

お風呂に入りながら設定を考えてみたり(笑)、あぁでもやっぱり名前問題があるなあと歯を磨きながら悩んだり。

しかしそれは8年前の私が解決してくれそうだ。小説自体は恥ずかしくて他人に見せられたものじゃないけど、そこは礼を言っておこう。

さて、意外とさくさく考え付いてしまった設定を、考え始めたら楽しくなってきてしまったストーリーを、これからどうしようか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?