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【日本全道人力踏破 JPWEX 熱海市攻略戦Days316】2024-7月期3日目 上多賀東西縦断道ルートE 核心部 復旧作業


―― 0. ここまでのあらすじ~

ひょんな事から、ある目的のために4代目散歩師として国土地理院に記載された日本の道を全て自分の足で歩くことになったお話。

熱海に入って316日目、数々の苦難とトラブルを乗り越えて本筋の踏破へ向けて舵を切ったはずではあったが、前期の4月に道を整えていたはずの山道が草の生え変わりで、その前半エリアで1日を使い果たしてしまう。

本来想定していた到着箇所は第2オープンワールドという遥か先のエリアであった。

アスファルトが敷かれた部分の整備は何とか終えた一行は、いよいよその先の核心部へと踏み入ることになる。

今回こそ、第2オープンワールドへ辿り着けるのか!?
そしてその先まで行けるのか!?

████████████████████████



―― 1. 起床~

起きた…真っ暗だった

目が覚めた。聴こえるのは波の音のみ。
むくりと身体を起こすと周りの様子を探る。
照明は消えていた。
ランタンやthirdスマホの照明は充電が切れたのか。
手元のメインスマホのライトを点けて状況を確認する。


空は雲が多めだが月光は届く

時間は1時であった。
理想通りの起床時間ではあるが睡眠時間としては不足気味か?
まあそれでも3時間寝れたらロケ時としては良い方だろう。
昨日はのんびり支度して、出発が5時近くになったのでもう少し早く出られるように、即座に行動する。

表に出て空を見上げると、月明かりがはっきりと見えた。
雲が割と多めな気がする。
昨晩は山の上が雷激しそうだったので心配だったが…どうなったのだろうか。
朝になってみないと詳細は不明だな。

パン一だと、蚊帳を出た瞬間蚊の餌食になる。

暑いから蚊帳の中に一応いるし、パンツ1丁で寝ていたが何とかなったようだ。
蚊帳&防虫スプレーの組み合わせ最強説。

頭を乾かすと、まず買っておいたものを食べる事にした。 
昨晩の夕飯はかなり簡易的に済ませてしまったので、それなりに空腹だ。
支度するのにも体力がいるからね。

朝の1次食、干瓢。

2:06。ちょっと朝食として食べるのは早すぎな気がしたが、カップ麺を少し時間をずらして食べれば、山を登っていく体力が不足することは多分ないだろう。

決して多くは無いその海苔巻きを食べ終わると、再び準備再開。
身支度と荷物の詰め込みを開始した。
飲み物関係は持ち帰ってきてしまっているので今回もプラス4.5kgという重量を背負い込むことになる。

睡眠時間が昨日よりマシなのが救いだ。
疲労は完全に快復したとは言えないが、そんなの当たり前の日常なので今更な話。
 身支度をある程度終えた頃には時間は深夜3時半になろうとしていた。

今回はそれなりに動いていたにも関わらず、何故こうも時間が足らないのだ。
そろそろメインの早朝飯を取らねばと荷造りを一旦やめてお湯を沸かした。

麺職人です!

今回用意した麺は麺職人、醤油味です。
パッケージ変えた?

暑い… 結構苦痛だ。

夜とはいえ、気温はめちゃくちゃ高いので不快指数高め。
こんな状況で暑い麺を食べるのは分かっていたが苦痛。
…とはいえ食べるしかない。
冷やし中華とか蕎麦系を買ってくれば…という話もあるが、この食べるまでの間、5~6時間常温放置はこの時期さすがに劣化が早いのではと敬遠せざるを得ない。
そういう逃げは許されないのだ。

もぐ… 暑っ…
しかし食べておかなければ…

3時を過ぎて、早朝飯第2弾を掻き込む。
気持ち悪くなるからという理由と、腹持ちの関係で朝は麺系を食べることにしているが「あの時」以来、吐くまでには至ってないな。 
そんなに恐れることはないのかな?
あの時が、たまたま調子悪かっただけなのだろうか。

 4時前から空が明るくなってきている。
早すぎだろ!

2次食を済ます頃には、もう小屋の外は明るくなり始めていた。
4時前だぞ? 流石に早すぎる。
この明るさなら冬場なら出発するのに申し分ないのだが、用意が追いつかない。
起きるのが1時でも遅いのか、俺の用意が遅いのか。
これ以上早くは出来ないだろ!?

一気に明るくなっていく。
これで4時だというのが信じられない。

4時を過ぎると一気に明るくなっていく。
はやいはやいはやい… 焦りを感じて表に荷物を全て出した。
小屋でちまちまやっていては効率が悪い。

リュックに詰め込みを開始

荷造りを一気に済ませるべく一緒くたにしていた荷物たちを表に出してリュックに詰め込んでいく。
重いものは下に。
ペットボトル1.5ℓの1本はすぐ取り出せるように下の収納に入れる。
あとはバッテリー関連を底に。

昨日は荷物に着替えを詰め込みすぎたので
減らしてみよう

あとは食料を潰さないように慎重に。
そうそう、昨日荷物がパンパンになり過ぎていたのが気になっていたので、減らせるとしたら着替え関連だ。
汗をかきまくるから着替えのシャツを大量に用意していたが昨日は実際使ったのは2着だった。

途中沢に浸けて、また着たりしていたので代わる代わる新しいものに着替える必要は無いのかもしれない。
たかだか服だから重さそこまで変わらないと思うが、体積的には確実に嵩張る原因になるので減らせるものは減らしていこう。
シャツ2、3枚と伐採時に使う専門の服、+1くらいでいいだろう。

昨日よりは背負いやすいはずだ。

荷物を詰め終わったら出撃だ。
来ている服はどうせ汗だくになるのでシャツ1枚にした。
さすがに薄すぎかと思うが、荷物の負荷のダメージ軽減よりも脱いだりする時の利便性を優先した。


―― 2. 出発~

いつもと違う場所に上多賀猫発見

 港を出て街を抜けていく。
例によってファミマ猫たちに挨拶しようとすると、その手前な塀の上に奴を見つけた。

なぜそこに?

確かに以前の上多賀探索で猫のテリトリーとしてここが範囲内というのは知っていたがレアケースだ。
しかも塀の上からこちらを見据えているとは…

ファミリーマートへ
もう睨まなくても良くない?

ファミリーマートに行くと、ここにはここでちゃんといつもの猫たちが餌待ちをしていた。
ちょっと4時台早朝ダッシュを遅れたので今回はそんなにかまえないよ。
…ということで、写真だけ撮って通り過ぎた。

激坂の始まり

さあ昨日に引き続き地獄の坂の始まりだ。
長い戦いが始まる。
いつも始発出勤勢っぽい人を見掛けるのだが今期は見かけない。
どうしたの?

踏切到着。俺の勝ち?

伊東線の踏切に到達。始発より早い?
いや、負けた気がする。
ここの手前の激坂で昨日と同じように力尽きる。

踏切にある石に腰をかけて休憩

 踏切の脇を使って休憩を取る。軽くね。
とりあえず乱れた息が整うまでだ。およそ5分。
電車が来れば強制退去なんだけどね…

お婆ちゃんはもう居ないのかな?

呼吸を整えたら再出発。
南西集落を抜ける。
いつもの5時お婆ちゃんの姿がない。もう帰ってしまったのか?

あ、いるじゃーーーーん!(安堵)

家々を過ぎて橋に差しかかるタイミングで人の姿が。
あ、お婆ちゃん!いるじゃないか!
安心しました。そうこなくっちゃね。
平日に人と会う機会は本当に無いから、貴重な挨拶の機会なんだよ。

ゆっくり登っていきます

背中の荷物が重い。
重さに関しては今日までが大変で、明日以降は少し余らせたらそのまま置いていくので楽になるはずだ。
…想定外の消費が無ければ。

 フラフラになりながらも急いで疲労の積み重ねを可能な限り送らせつつ…ゆっくりゆっくり上っていく。

シケインを過ぎてしばらく進む。
例によってあそこまでは止まりたくないので頑張る

途中電波塔を過ぎてシケインカーブを越えたあたり…
ここ辺りになると、また限界を迎えやすくなる。
休憩ポイントとして2箇所ほど座れる場所はあるのだが…

第6ポイントまでは意地でも休んでたまるかと、もはや気合いだけで足を動かす。

第6休憩ポイントにて
ぶっ倒れる

目標としていた第6休憩ポイントに到達。
早速身をスロープの段差に預けて横にぶっ倒れる。
昨日より余裕が無い。
睡眠時間は最低限レベルで取れたはずなのに…疲労の積み重ねは今日の方が堪えているようだった。
無意識にペース配分乱れていたのか?
4時台出発が思うようにいかなかったせいかも。 

昨日と同じように息が整うまで徹底的に休む。
ここまでの休憩回数そのものは全く同じなのだ。
そこまで気にすることでもない。
この後も昨日のように次は学習会館脇駐車場まで一切休まず進めれば問題は無いのだから。
(これが自分を追い詰めてたりして…)

背負うのが憂鬱になる瞬間

体力を最低ラインまで快復させたら出発だ。
まだまだ長い坂の序盤の範疇だ。
長居するわけにはいかない。
超重量の荷物を背負い、連絡路の登坂が再び始まる。

目指す山の方角には
厚みのある雲が…

昨晩の買い出しの帰りに見た、山間付近の雷の影響は残っているのかと思ったが雨までは降ってないのかな。
地面は乾いている。
 だが進行方向の山の上には大きな雲が結構な厚みで湧いていた。

今日どこまで進めるかわからないが、尾根まで上がることがあれば少々厄介な事になるかもしれんな。

水道地点に到着。
また少しだけ貸して頂こう。
(。_。 (゚ㅂ゚ )(。_。(゚ㅂ゚ )

必死の形相で坂を進み、また止まることなく学習会館までやってきた。
例によって呼吸は乱れ、汗もかいて酷い状態なので昨日と同じように水場を借りる。

冷水を腕にかけてハンドタオルを濡らす、いつものルーティン。さあこれで駐車場脇まで行って待ちに待った休憩タイムだ。

見えてきた!第3の休憩地!

正門を通り過ぎ、池も通り過ぎた先にスロープが見えた!
やっとここまで来た。今日も第1の試練クリア。
また完全回復させなければ。

例によって装備品を全部1度ここで外す。
完全回復には全て不要だ

スロープに横になる前に、全荷物をパージする。
これがまたそれなりに一大作業だ。
ワンボタンで一斉にガチャンって外れてくれないかな。

今日も半裸で服を乾かし汗を拭う。

荷物を全て外し終えると自信を横にするのではなく、まず服を脱ぎ、水道で冷やした濡れタオルで体を拭いて汗を拭き取り、次いで毛細血管の多いところで冷やしながら、両腕を振り回して乾燥を促す。

今回は服の違和感がなかなか取れなかったので、水洗いしようかと画策。
先程の水道まで戻るか、それとも登山道入ってすぐの沢に降りれるポイントまで登るか…

迷ったが戻るにしろ進むにしろ、またここまで戻るのが面倒になる微妙な距離がある。

スロープ奥の降り口から沢の方へ強行に進む

ここで駐車場奥から降りられる沢を思い出し、今回は降りていくことにした。
単純に1番近いからだ。
…とはいえ、近いだけで満足いくルートの確率が開拓踏まえて確立させているわけではない。

状況を見ながら足跡をつけたり草を払ったりして、河岸へと降りていった。
そこで身につけていた上着の速乾シャツを沢の冷水に浸け、絞り落とす。
ある程度水気を払ったら、めちゃくちゃ冷えたそのシャツをまた着るわけだ。
これで体温が一気に落とせる最強の体温維持法。
まあ下手をすると悪化させかねない荒業ではあるが。

では今期2度目のルートE突入だ!
冷え冷えの体で険しい坂の道へ挑む

冷えきったシャツで体温を一気に落として体制を整えると、荷物を背負い直してルートE登山道へと突入した。


―― 3. 上多賀東西縦断道ルートE アスファルトゾーン

足取りは重い。
まあでも俺の今の基本スペックなんて元からこんなものだ。
それは俺自身がよく知っている。
自分を過大評価しない。

それは精神を鼓舞するための暗示であり、自分を俯瞰で見る心眼では冷静に自分の能力を評価している。

堅実こそが力。

ゾーン2に入ると、前方に動く気配を感じた。

 久方ぶりに野生の鹿だ。(キョン?)
3体いるぞ。こちらを確かめると水を飲みに来ていたのだろう。
左手の沢から道を横断して右手の山肌へと駆け上がっていく。

おわかりになるだろうか?

…だが、その中の1体が進路上に留まり、こちらをじっと見つめている。
俺も腕以外を全く動かさない極限の集中力で一眼のレンズを向けた。
おそらくスマホでは間に合わない。
ピンチ操作が必要なくズーム写真が撮れる、この為に一眼を持つ意味がある。
今日こそはクリアな拡大写真を…!

せっかく撮れたのに…レンズが曇ってた

ファインダーを覗く同さまでしたら確実に逃げられる。
ヤマ勘でレンズの方向を定め、シャッターを切る!
やった!
その音を聴いたからなのか、奥へと逃げていった。
あー、もっと撮りたかったが、やっとまともな鹿のしゃしんをとれたぞ!

…と喜んでいたのに他閉めてみたらボケてる…
そうか、レンズが湿気で曇っていたんだ。
なんてこった…
さすがに事前にレンズの状態を確かめる余裕なんてなかったよ。仕方ない…次こそは…!

昨日激しく落木した地点だ。
昨日の今日だから通行に問題は無い。

道は昨日徹底的に手を入れたので、1日経ったとてそんなに変わるものでは無い。

障害的には安泰だろう。
沢から水が溢れ出してるアソコ以外は。

最終水源点手前の大木も落としたので
崖に降りたり丘に登らなくても、そのまま行ける!

 ゾーン5の沢の流れは相変わらずだが何とか歩いて乗り越える。
途中の荒れ模様は仕方ないにして、一番の障害であった最終水源点手前の大木は昨日切り落としているので、沢の下側に降りたり、丘の上に迂回したりなど、危険や時間のロスなくそのまま通行する事が出来る。

いやぁ、素晴らしい。よくやったぞ、昨日の俺!

ここでまたガッツリ休憩を取る。

最終水源点に到達すると、荷物を全て降ろし休憩体制に。
ここでは余程の事がない限り、問答無用で一旦休憩する。
この後の続く容赦のない坂を登りきるための回復の要所なのだから。

当たり前のように脱衣。
誰もいないし!

上半身のシャツをすぐさま脱いで、沢に降りる。
沢の冷水にシャツを浸し、いつものようによく濡らして搾り、汗を落とす。
登山道入口からここまでで上がった体温をこれで下げるのだ。

めちゃくちゃ冷たい
だがそれがいい

一気にアスファルト終端まで登れる体力を完全に戻すため、ここで40分程休む。
今回は昨日みたいに作業を挟んだりせず、完全なる休息に充てた。

行動開始

あっという間に太陽は昇ってくる。
直射日光を受ける環境は酷なので、完全に照らされる前に登りきっておきたい。
荷物を再び背負うと歩みを再開した。

あ、昨日転んだところだ。

昨日映してないけど散らばってた枝とか石を結構除去したから、かなり綺麗になっている。…それでも簡単に転んでしまう傾斜の恐ろしさたるやね。

おお、綺麗綺麗。
素晴らしい仕事。

ゆっくり歩を進める。
昨日食事休憩も取った大規模伐採地点。
一日経つと綺麗さが際立つな。
さらに時が過ぎれば草も落ち着いてボリュームダウンし、さらに道として完成するだろう。

こちらの完成度も高い。
まあ数年前の基礎作りが出来てこそだからなー。
ひたすら登っていきます。
再手直しは一切不要です。
そりゃそうでしょ、あれだけやったのだから。

休憩以降、立ち止まりは無く、再整備箇所も全くありませんでした。
そりゃそうでしょうよ。
その為に昨日一日がかりで手をつけたのだからな。

―― 4. 上多賀東西縦断道ルートE アスファルトゾーン終端

8:27 アスファルト終端到着

時間にして8:27。
昨日の最終到達点、アスファルト終端に到着。

ノンストップで来たので
また限界を迎えつつあり、強制休憩に。

体力あればこのままの勢いで核心部エリアに特攻かけるつもりだったが、そんな余力等無かった。
まあ半端な場所での休憩より足場の硬いここで休む方が得策だよなという判断。

リュックを椅子替わりに。

リュックをイス代わりにして腰を下ろす。
かなりしんどい。
が、何とかここまでは辿り着くことが出来た。
問題はここから先だ。
果たしてどこまで進めるのか?
この一帯のエリアの起伏には相当詳しいが山は生き物である。
今現在どうなっているかは毎回来る度に変わるので油断は出来ん。

シャツもまたベトベトで気持ちが悪いので
脱いで乾燥を促す。

すぐさまシャツを脱いで乾燥させる。
肌が汗で気持ちが悪い。
良いシャツを着れば通気性上がってマシになるかもしれないが、強行山行では敗れることも有り得るので質の良くない捨てシャツでいくしかないのが辛いところだ。

やはりここは通気性がいまいちだ。
環境が悪いなら俺が変えるしかなかろう。

しばらく休憩してると俺の存在を認知した虫たちが集まりだしてくる。
ここは通気性が悪いから空気の循環が良くないというのも原因のひとつだ。
昨日撤退直前に少し手を入れたが、本格的に先に進む前にここの環境を少し良くしておくか。
…やるの俺しかいないんだから。
服が乾かないので、上半身裸でやるか。

終端楕円状の縁に手を入れていく
陽の光が多少入るようになれば改善するはずだ

アスファルト終端は楕円状になっている。
その北東側の縁から伸びてる草に手を入れていく。
道側に垂れてきてるのを中心にして、また太陽の光を遮る原因となる草を間引いていくのだ。

アスファルト終端 北東側 after
陽が差し込む率が少しは上がったか?

09:12。
作業始めて20分程か。当初よりかなり陽が差し込むようになったと思う。
さらにやってもいいが先は長く、ここで必要以上に立ち止まっているのも良くはないと思い直した。

核心部入口側が多少荒れてきたか?
before

それよりも気になったのが、ここから先に進むための入口となる部分が、新たな草が生えてきており、まだ丈が短いうちに手を打った方が良いかということになる。
全然通れると思うだろうが、短く固い草が1本あるだけで、つまづいて転倒し怪我に結びつく事も多々あるのだ。

入口側も丁寧に刈っていく

通れるのだから後回しにしてしまいがちな、こういう箇所こそ今、この立ち止まってる瞬間にやらなければ!
ここも徹底的に掃除してやることにした。
今回のコンセプトは道中整備の完璧さだ!

核心部導入口 after

09:27。導入口の足元の竹剣山を除去完了。
まだ左側の薮を減らした。これで今年は大丈夫だろう。

導入口奥の少し伸びていた草も先行処理

また導入口から奥に入った直後は少し草も生えていたのでそちらも処理した。 
もともと核心部前半エリアは草が少ないものの、ここはちょっと違っていたのでついでである。

…で、ここでたびたび話題に出す、今ここまでで通してきた道以外のルートがあるとしたらどうだったのかという部分を少しこの後見に行ってみたのよ。
(カメラ持っていかなかったから撮ってはいない)

既にルートとして確立させている道(黄色)のは別に
奥に筋道があり、そこからも登れる疑惑は以前からあった
今回は先が見通せるとこまで見に行ってみたのよ

その踏み跡というか筋を辿っていくと尾根道のような印象を感じる、傾斜の下に出た。

見上げると短い草で覆われることも無く、地表が見える状態がかなり上の方まで続いていた。
これは…俺が開通させた道の高さと同等の位置まで一気に登れるのではないか?

…初めからこっちを進むべきだったのか!?

いや、高さは稼げたとして伐採する
草の量は上の方が多いかもしれないじゃないか
今は下の道を使うべきだ!

いや、全ては後の祭りである。
今更新たなルートを模索できる状況では無い。
「本来」のルート候補であるとはいえ、人の往来がない以上、踏み跡の形跡はあれど、全くの整備無しで上層まで行けるわけは無いのだ。

それは今俺が歩き進め、確立させた道の先で上層へ辿り着いた先で判明している事実だ。
大規模伐採が想定される新規ルートの開拓より、既存ルートの整備の方が圧倒的に時間が早い。(…はず)

この道での進軍は諦めた。
(全ての行程が終わった後の余暇としてやるにはいいが)

核心部導入口から、こんな感じに
もうひとつの道へ行けそうな気はするが…

アスファルト終端の広場へと戻る。
振り返ると、上記写真のようなルートで地理院地図上のルートとして進める可能性は、より濃厚となった。
初めて来た時の直感は正しかったという訳だ。

だがそれでも尚、俺と獣が造り上げたルートの方が今は良いと判断した。

少し時間は早いが食事休憩にするか。
考えてみれば早朝1次食も口にしていなかった。

時間は10時過ぎていた。
昼食には早いが、現地最深部への到着時点でまず食べておく「1次食」を食べていないこともあって、まだ最深部では到底無いんだけど、この先〝第2オープンワールド前〟にて、まともに食べれる場所があるとも思えないので、ここで済ませることにする。

バナナには渋いお茶が良い。

カバンのビニール袋からバナナを取り出した。
飲み物は麦茶。
コーラにしろファンタにしろ、バナナをメインで食べる時は相性が主観だが良くないと感じたからだ。
いや、正確には良くないのではなく、メインが甘いだけに麦茶で事足りるからという意味合いが強い。

より糖分が欲しくなる時用にファンタやコーラは残しておくべきで、食事の友として先に麦茶を消費するべきだという経験から来る個人的感想。

出発前以来の食事。
7時間経ってるのか。
今回はバナナ潰さなかった!
相当気を使っていたからね。

バナナを山のメイン食材にしてから、かなり経験を積んで来たのでノーダメージで運ぶことも手慣れてきた。
相当気を使ってはいるんだけど…
専用のケースとかあればいいのに。
1本単位ならプラスチックケースとかあるけど、余裕で重みで壊しそうだし、1房で運んでるから全て一纏めに運べないとあまり意味がないよな。
今後の課題である。

なんか疲れがどっと来たので仮眠タイム

食事を軽く終えると何か急に眠気に襲われた。
睡眠障害か。
がっつり休むならここしかない。
少しだけ仮眠を取る事にした。
膝を抱えて目を閉じる。
どこでも寝れるのが特技とはいえ、ここは下手したらアリだの蚊だのが襲ってくるから安心は出来ないんだけどね。

座る姿勢でも休めないので、横になってみる
やはり完全に体から力を抜くには、この体制がベスト。

…まあでも極限の環境に身を置くと、多少の問題はどうでも良くなってくるものだ。
膝を抱えて瞬間的な睡眠は取れたかもしれないが全然体は休まらないので思い切って横になる。
やはりこの方がいい。
どれくらい休んだだろう。20分くらいか?
そのうち本当に意識が落ちたのは正味5~10分ではないだろうか。

復活!再び荷物を装備する。

寝た(寝ようとした)という行為が大事なので、程なく休憩を終えると再び荷物を装備していく。
核心部を移動開始だ。

装備は配線込みで色々考えられてるので、
順番と位置が大事!

全ての荷物を背負う。さっきまで身軽だったのに再び強烈な重さとの戦いとなる。
結構な時間をここで使ってしまったが、開拓ペースとしては昨日の終点であるここから1歩も先に進めていないというのが現実である。

さすがに少し焦る。
昨日はまあやむを得なかったとして、山入り2日目でまだここというのは問題だ。
今度こそ核心部に突入する。

―― 5. 上多賀東西縦断道ルートE 核心部

例の〝地理院地図ルート〟はあんな感じ(想定)。
行かないけど、いずれ調べてみたい。

核心部の針葉樹林帯へ。
右手を見ると先程調べた地理院地図準拠のルートが見える。
あっちからもこの先に進むための上層へ到れるかもしれないが…
今回も行きません。

もし調べに行くのから、上多賀山域が終わってからだ。
(そんな余裕はあるのか)

俺にはこっちの道がある!
…ん?

俺には既に確立させた下の道がある!
針葉樹林帯を沢の脇から進んでいく。
この底の方はそもそも草がそこまで脅威にはなりないので、ある程度奥まで進んでいけるのだが…

ある程度進んだところで、異質なものが目に入った。

おおおおい!また倒木だ!
結構な大きさだし。

何と踏み跡ルートを塞ぐように巨大な倒木が左手の山肌から落ちてきていた。
今まであんなの無かったのに!
この坂の上には業者が伐採した木が大量に置かれていたので、そこから落ちてきた1本なのだろうが…

大きさ的に股げなくはないだろうが、足の負担になるから膝上まで上げたくない俺としては、どかせられるなら排除しておきたい。

…やってみるか。

トートバッグを手前に置き、いざ倒木へ

倒木の手前でトートバッグを置いて、両手をフリーにした状態で歩いて向かう。

最終水源点の倒木よりは細いから
道からズラす程度はできると思ったが…

いくら、それなりにデカいといっても前回あのアスファルトゾーンの最大の倒木障害を処理してきたので、ここもいけるかもと思ったのだが…
両手で持ってもピクリともしない。

全然動かない!

下手にフルパワーを出すと体へのダメージがでかいので、やりたくはなかったのだが…
一気に力を込めても無理だと判断して瞬間的に諦めた。
粘る意味が無いからね。
…でもこれ持ち上げられはしなくても、少しは動かせられると思っていたのだが何か理由があるのか?

あそこで別の倒木と折り重なっていたから
動かせられなかったんだ!

振り向いて山肌側の反対の倒木の先端方向を見ると、何とその先に同規模の大きさの別の倒木と折り重なっているではないか!
なるほど…
2つの倒木の重さがのしかかっていたから、微動だにしなかったのか。
…これは跨いで往来するしか方法はなさそうだ。
またノコギリで切ってもいいが時間がかかってしまう。
少なくとも今日はやめよう。
日にちが経過すれば事態は良い方に変化する可能性もあるしね。

倒木を跨いで先に進みます

倒木は跨いで先に進む。
傾斜になってて地盤も固くないから姿勢制御が取りづらいからやりにくいんだよね。
特に重量物をアンバランスに抱えてる身としては…
特に帰りの時、転倒しないといいけど。

その後は微妙に伸びてる草はそこかしこにあったが伐採作業がいるほどでは無い地帯が続く。

まあここら辺は想定内だ。
次に危惧するのは上層へと至る急坂がある、前回4月開拓時も大幅に草の勢いが増して道を塞ぎかけた箇所がある地点だ。

またこの数ヶ月であの時のようになっていなければいいが…

荷物を下ろすとしたら、この辺がいいか。
次のベースキャンプ地点。

さらに先に進み、右手山肌の上層へと至るカーブに差し掛かった箇所。
ここが草の生え変わりが激しい地点である。
またここは整備する必要があるとは思っていたが、前回のように2時間コースなのかどうか。
カーブに差しかかるところが、割と坂が緩むところなので荷物を下ろすならここら辺ではないかな。 


―――― 6. 上多賀東西縦断道ルートE 核心部  上層急斜面地点

本日の第2次ベースキャンプ
装備を1度全外しして厳選する

他より傾斜が緩いだけで決して坂になってない訳では無い。
また地面の状態も決して快適とはいえない箇所だが荷物を全てまた1度下ろし、装備の付け替えを始める。

生え変わりの規模は、前ほどではないかな?
左の薮に関しては、だけど。
地面から生えてる草は結構ある。

上層へと至るカーブの先は地面からはそこそこ草が生えていたが致命的なものでは無い。
また左の薮は前回かなりの勢いで道側に侵食してきていたが、徹底的に排除した成果なのか、今回はそこまでではない。
これは助かったな。

さあ、やるか。

とはいえ、全く無視出来るほど快適な道とはいえないので、ここもある程度処理していくことにする。
派手な障害では無いが短い草でも数が多かったり、切り残しを残していることで足場が見通せなくなり転倒、滑落など怪我の原因になり兼ねない。
ここはここで、何度もやらかしてる危険な箇所なのだ。

短い丈の草を処置

まずは地面に生え変わりが起きている短い丈の草を刈っていく。
進行に直接的な驚異では無いが地面を覆い隠すように広がっていくので、放っておくと足場を確認出来なくなってしまうのだ。

直接足を置く部分は草を全て取り除く勢いで。

ここは左前方から右へ全体的な傾斜になっているので普通に立っていられる状態ではない。
足元がどうなっているかは重要な判断材料なので可視化出来るようにしておく。

暑いっ…!

またここは進むほど直射日光を受けるので夏場は地獄である。
暑いし、蒸し蒸しする。
それでも大切な場所なので整備に妥協はしない。

地面の緩さもあって、なかなか安定しないんだよな

 切り残し剣山も無いように細心の注意を払う。
万が一転倒して串刺しにならないようにね。
左側の薮、今回はそこまでガッツリ手を入れていないが、油断するとすぐ手前側に落ちてこようとしているな。

また来年はガッツリ処理しないといけない状態になるのだろうな。
…そもそも来年もここに来る状況じゃなくなっていたいんだけどね。

11:09 before
12:30 after
かなり綺麗になったでしょ

何だかんだで1時間半ここで作業し、かなり足場中心に綺麗に出来た。
さすが俺。自画自賛。こんなものでいいだろう。
さっさと先に進まなければ。

ベースキャンプへと戻る

ここでの伐採作業は終わったので手前のベースキャンプに戻る。
時間が経過した為か、日陰だった荷物置き場に直射日光が入ってきてしまっていた。
…暑い…

あ、やられてる!

腰辺りかおしりの上辺りに痛みに似た痒みのような違和感。
これは奴か!
キャンプ場所で服を脱いで覗くと…
やはり!皮膚が赤く腫れており、その中心にマダニの姿が!
くっそ。まだ本格的な伐採とも言えないタイミングなのに侵入されたか。

剥がそうとしたが、例の道具が見つからない。
無理に剥がすと危険なので下山してから取るか…
しばらく好きにさせておく。…嫌だけどね。
毒が回る方が後々響くので。

経験則から落ち着いて、何をどうすればいいか対処出来る。

荷物の中身を整理して背負う

荷物の中身を手早く整理する。
足場が斜めでバランス悪いが何とか遠心力を使ってリュックを廻し背負う。
…飲料を結構消費してきた分、結構軽くなっている。
これは助かるね。
4.5kg分あるからガンガン飲んで減らしていこう。

山肌側(左手)の草が気になる
キリがないんだけどさ

リュックを背負い移動体制を整える。
草刈り鋏は移動時に気になる箇所をすぐ伐採出来るように手持ちで運ぶことにした。
…で、移動する前にここの左手の草が結構伸びてるところ見つけて軽く処理…

…気になりだしたらキリがないから、先に進むべきなんだけどさ。

上層部分の突入口はまだ少し荒れているが
これはある意味では予定調和である

全て装備して処置した急傾斜に挑む。
地面を覆っていた草がほぼ全廃したので歩きやすい…
いや、見やすくはなっただけで歩きやすくはないだろう。
そもそも無理やりな道だからな。
結構余裕で滑落する場所なので足場を見極めないとならん。

手前側は重点的に処置したからいいが傾斜が上がってくると草の刈り残しが増えてくるので一見荒れたままではと思うだろうがこれは実は予定調和で、刈り残した草を足場にして、この急斜面を登っていく足ががりにするのだ。

もちろん転倒した際、怪我するリスクはあるが、それはそれ。
だから全ては計算づくなのです。

もう少し切った方がよかったか?

陽の当たる箇所を抜け、再び木陰ゾーンへ入ったのは嬉しいが、そこは手付かずではあるので余計な草が大量に残っている。
固くて地面から突き出た針山のようなものが広がる一帯の斜面。
ここもガッツリ間引いた方が良かっただろうか。

…いや、なんとかなるだろう。

杖にしがみついて登る

あれ? ここってこんなに登りづらかったっけ?
…というくらい、足場が安定しない。
雨で地盤が緩んで崩れたのだろうか。
前まではドンドン登れた急斜面がもたついてしまう。
左手に持っていた杖に体重を預けて、それで何とかバランスを整え登っていこうとするも…

危なっ!
転び方によっては足に穴が空く

次の足を引っ掛け上がろうとしたら、そこが滑り落ち膝をついてしまう。
杖は木だから全体重を乗せると折れてしまうので敢えて手放し、瞬時に手で支える。
剣山はうまく避けれたようだ。

遥か上から垂れ下がる草に掴まって引き上げる

気を取り直し、トートバックを右肩に背負いながらだと登りづらいことに気が付くと、先にトートバッグを上の段差に投げた。
すると視界に山肌の遥かうえから垂れ下がる1本の腐が視界に入る。

あ!そうだった!
これに捕まって体を引き上げさせることで、この急斜面を登っていたことを思い出した。
何度も往来するうちに足場が固められた時は、この草に頼らずとも登れていたから忘れていた。

ありがたい。
この草はたった1本だが今の俺の重さを支えれる恐るべき強度がある。
この為だけに、この1本はきらずに残していたのだった。

核心部上層部到着

その後も何度がバランスを崩しかけるも、致命的な失敗もなく何とか地理院地図正規ルート上の核心部上層へと踏み入った。

息も絶え絶えである。
だが休憩するならもう少し先まで行ってからだ。
疲れた体を強制的に動かして進む。

ここら辺も細かい草の生え変わりがあるので、伐採したい箇所はちらほらあったが単発続きだったので今回は無視した。
予定を押している今は、そのレベルの事で止まる訳にはいかない。


―― 7. 上多賀東西縦断道ルートE 核心部  新生ルートE1-2分岐

新生ルートE導入口。
今まで無かったものが見える。

しばらくは山肌に対して平行移動になるので、少しは安心して歩けていたのだが次の新生ルートEシリーズ導入口に差し掛かると、今までになかったものが視界に入った。
…また何か崩れ落ちたのか。

とりあえずここからでは、分かりづらいので近寄ってみることに。

地面にまたしても倒木が。
縦に並ぶから道を塞いでる訳ではないが…

この先には新生ルートE1(山肌側)と、新生ルートE2(平行移動延長)の分岐点があり一旦少し山肌を登ってから道が分かれるのだが、そこに至る登路に大きな倒木が落ちてきていたのだ。

道に対して垂直に並んでるので道を塞いでる訳では無いが、単純に歩きづらい。
もともとここも山肌の急傾斜なので、ただでさえ歩きづらいのに厄介さが増している。

草をロープ代わりにして
バランスの補佐をしてもらう

倒木を避けることでバランスが乱れるので右手の草の1本を手繰り寄せて、部分的に重心を預けて登る際の補佐とした。
結構使える手段だが、これも永続手段とはならないだろう。
今はこれで登るが、何か今後解決策考えないとな。


新生ルートE1の入口が草と倒木の影響で完全に塞がっている。
 少し刃を入れてみたが、完全に道とするには
時間がかかりそうなのでやめた。

倒木地帯を抜けると、その先の右手は新生ルートE1へと至るのだが、ついにそのルートすら判別出来ないレベルで草と正面の木から崩れてきたもので塞がってしまっていた。

E1には落し物があるはずなので、いつかは見に行きたいと思っていたが…
全ては後回しか。
入口を再度造り直すのもその時でいいだろう。

今回は正面左手から進み、新生ルートE2へと進む。

―― 8. 上多賀東西縦断道ルートE  新生ルートE2 導入部再開拓 前半戦

右側の木は以前から崩壊しかけていたが
いよいよやばくなってきたな。

やっとこさ、新生ルートE2へと到着した。
ここまで来ると少し電波が入る可能性が出てくるが、まだまだ微弱だ。
E2-3分岐まで行かないと安定しない。

俺が長年切り続けていた草が山積みになって足場を織り成しているので何層も草木がおり重なり、バウンドしている。
…が、たまに隙間に足が挟まり、転倒しかけることも多いので注意。

より安定した地面を探して進もうとするが背中の鋏の柄に何かが引っかかったのか進まない。
後頭部なので状況が見えないが原因は想像がつく。

手を後ろに伸ばし適当に体を捻って引っかかったモノを取り除いた。

とりあえずトートバッグを置く。

とにかく何かするにしても肩の重い荷物は邪魔なので巨大な薮の影になる部分の端にトートバッグを置いた。
ここなら転がり落ちていかないと思う。

こいつが引っかかっていたのか。

両手が自由になったので鋏を取り、先程引っかかっていたと思わしきものを特定した。
どこかから垂れ下がっていた蔦だ。
今後の往来に確実に邪魔になるので切断しておく。

ここの木の枝も厄介だから排除したいが
数が多すぎる。

この蔦の元凶ともいえるこの木がずーっと前から疎ましかったのだが、さらに崩壊は進んでおり大量の枝が垂れ落ちてきていた。
今後の悪影響を考え、少し間引いておいたが数が多すぎるので目立った枝毛的なものだけ排除するに留めた。

思ったより草の生え変わりが存在していた。

13:00。
新生ルートE2導入口より、ルートを見据える。
…思った以上に草の生え変わりが激しい。
冬場の投稿した写真と見比べれば一目瞭然である。

危惧していたのはさっきの急斜面の事だったので、こっちまでこんなに酷く復活してるのは想定外だった。

ここからは第2オープンワールドまで一気に進行出来ると楽観視していたが、どうやら無理なようだ。

伐採特化装備に着替えるため、全荷物をパージする。

これは先に進むのは絶望的かもしれない。
そう判断すると伐採特化の軽装に着替えるため、また荷物を1度全パージした。

まずはベースキャンプとなるここの
場所を再形成しなくてはならない。

 初めてここに来たことを思い出した。
あの時よりは切り開かれているが、それでも薮の勢い自体はかなりのもので、再び相当な量の伐採をしなければならないだろう。
もしかしたら数日かかるかもしれない。

それならばここに確かなベースキャンプを設営しなくてはならないと、荒れた地面を整える作業を開始した。
…とはいえ元々急斜面の一角である。
整えるといっても、地面の起伏も刈り残しも見づらい状態を一定量可視化出来るようにするだけだ。

さっきの所と根本的な意味合いは変わらない。

刈る対象が広すぎる。
直射日光が辛い。

ひたすら怪我の原因になる突き出た刈り残しを洗い出して排除していく作業。
どこからか飛んできた枝草を取り除いては「道化」していく。
秋が過ぎれば落ち着いてくるだろうが…

この草は厄介なやつだ…

坂の方を見ると、今までは土砂が露出していて道の状況をはっきり認識できていたのに草が地面を覆い尽くしている。
このタイプの草は俺の苦手なヤツだ。
…とはいっても棘のやつとは違う。

このタイプは茎が柔らかすぎて、草刈り鋏で切断するには相当工夫がいる。
勢いに任せて切る事が出来ない。
強いて即効性がある方法といえば刃先に絡めとって引っ張って取り除く方法だ。
…でもそれなら直接手でやった方が早いな。
腰を屈めないといけないことと、水気に晒されたり虫や蛇の反撃を喰らう可能性が高いのが嫌なんだけど…

上の藪をやろう…

地面の草の排除がなかなか思うようにいかないので諦めて、上の藪の除去に取り組むことにした。
タイダル化現象が起きている薮の先端から切っていくのは、わかりやすくはあるんだけど非常に大変で体に負担がかかり、進捗の速度が遅い。
急いでる時にはあまり効率が良い手段とはいえないが…

少しずつ坂を登りながら巨大な藪を削っていく
気が遠くなる作業だ

少しづつ坂を登りながら、巨大な薮をこそぎ取っていく。
確かに進んではいるんだけど…
20分続けたが、あまり事態が進んでいないような気がする。
…というか直射日光が強すぎて参った。

1度休憩することにした。

水分補給。
こういう時はファンタが良い。

荷物の置いてある新設ベースキャンプに帰還。
 リュックからファンタオレンジを取り出して飲む。
作業中に飲むのはファンタが良い。

着ていた下着(シャツ)とタオルを
枝にかけて干す

さあ作業を再開するか…
と、荷物を改めて見て思い出した。
 本格的な伐採作業を始めるにあたり、肌を露出しない長袖のものに着替えたのだがその際、ここに来るまでに着ていてビショビショになってたシャツを放置していた。

これだけの陽射しがあれば下山時間の頃までには乾くだろう。
沢で浸けたタオルも一緒に少し下の半崩壊した枝にひっかけて干す。
虫が寄るかもしれんが、完全に乾けばまた降りる時に着れるだろう。

リュック内の荷物を全て木陰の下へ出しておく

この後はさらに気合い入れて作業するため、リュックを活用するかも…ということで、中身を全て外へ出す。
今排除に取り組んでる藪の下は影になっているしね。
斜めとはいえ、他より安定した場所だし。

こんな感じ。


―― 9. 上多賀東西縦断道ルートE  新生ルートE2 導入部再開拓 後半戦

やっぱりあまり変わってないよなー。
やり方を変えるか。

改めて坂を見てみたが、やはり代わり映えしていない。
頑張ったつもりではあったのだがなー。
このままでは何も進まないまま今日が終わってしまうのでは?
根本的にやり方を変えることにした。

問題となっているのは、今休んでるこの背中側の巨大な薮に代表される勢いを増したタイダル化だ。
これを止める必要がある。

ヘッドカメラ視点
この荷物の上側の藪から手をつけるか。

本腰を入れたので頭にもカメラをつけて作業する。
先程も言った通り方針変更する。
道から藪を切っていたのでは時間がかかりすぎる。
タイダル化した藪を効率良く取り除く最良の手段は…
根元から切ることだ。

 初めて来た時に相当処置していた名残がある。

薮の根元にアクセスするにはルートから外れた場所…
ここでいうところのベースキャンプ直上からやっていかなくてはならない。
荷物を避けて、薮の前に立つ。
根元はかつてここに初めて来た時、相当処理していたので名残があった。
結構まばらに途中まで切られた草が多数見受けられる。
…これなら何とかなるかな?

薮に身体ごと突っ込んでいく

巨大な藪に身体ごと突っ込み、手を入れていく。
どうとでもなれー!

もっとびっしり詰まってるかと思ったが
割とまばらだな、という感想。

この部分は俺が初回開拓時に手を入れたことと、その後の小動物による踏み跡も相まって結構薮内の間隔は広い。
(これを広いと思うあたり感覚が狂ってると思うが)

数本まとめて鋸で切断していく

この狭い地帯では大きな草刈り鋏では動きが制限されてしまう事もあり、鋸の出番である。
木を切るには、もらいもののあっちが有効な事もあるが、ここは俺の武装の基礎ともいえるこいつで切断していきます。
数が多いので、数本を手で掴み近くに引き寄せて、まとめて切る感じです。

たまに太めの木があるので、そこは落ち着いて
何度も切込みを入れていきます。

調子こくと指とか余裕で切れるので慎重にいきます。
(過去に何度もやらかしている)

下に俺の荷物が見える
ん?この位置関係だとまずくないか?

ある程度切り進めていく。
タイダル化した藪の下に入り込むと、光が入ってこないので完全なる闇。
天井である。
坂の下には俺の荷物たちが見える。

…ん?待てよ?
このまま切っていったら…まずいことにならないか?
位置関係的に…

荷物の上に崩れるのではないか?

このまま根元を切り進めていけば、いつかは藪が今の状態を維持出来ず自然と総崩れになるはずだ。
その時、この藪の影に置かれた下の荷物はその下敷きになるのではないか?
これはまずいですね。
掘り返せばいいんですが…

 作業を中断し、今回初導入のブルーシートを広げる。
使い方としては荷物を汚さないように下に敷くのが正攻法なのだろうが今回は上に被さってくる藪避けのために上に被せるのだ。

綺麗に収まりました。
下から視点。①
下から視点②
完全防備でしょ!
上から視点

そもそも荷物の位置をズラしてしまえば解決するのではという意見もごもっともだが、忘れてはいけない。
ここは結構な傾斜地であり、場所によっては多重に枝が折り重なって出来た地盤だ。
何かあってそこに何かが落ちてしまっては回収不能も有り得る。
今置いてるここが、この一帯では土に直接置いてあるだけ、マシな場所ということだ。

上から何か被さることの方が問題点としては軽いものということ。

 作業再開の高台まで上り、少し座れるスペースを確保
今回はこの巨大な薮の塊だけで精一杯だな。
こんなペースで、この先大丈夫か?

荷物の不安が無くなったので、再び高台に上がる。
ちょっと座って休憩…
本当に短い時間だけね。
もう今日の残り時間は少ない。

再び藪に切り込んでいく

再度伐採作業再開。
結構な物量だ。
それなりに手を入れたけど、まだまだあるという感じ。
今日はここまでで終わるのではないか。

ちなみに後方視点(後方彼氏面)カメラは
この位置で置いてあります。

バッサバッサと切っていきますが、いくら切っても枝の先は何と空中に浮いている状態です。
どういう事かというと、もはや藪の上層は根元で支えてるのではなく、上の部分の枝葉が複雑に絡み合って、互いに互いを支えている状態なのです。

めげずに切っていく

では、今やっていることに意味は無いのか?
いや、そんなことはありません。
確かに切っても切っても藪は地面に落下してきませんが、その無敵の軍勢も永遠ではないのです。
互いを支えている薮も結局は地面から伸びる大元がある。
要は有限であるその元を「全て」切断すれば、どんなに巨大な相手だろうと必ず落ちるのだ!

藪の根元の密度が凄まじいことになっている。
ハリネズミの背中を拡大しているかのようだ。

ここら辺の藪の密度は限界突破してとんでもないレベルになってきているが、少々固めではあるが古いからなのか折ることは不可能では無い。
しかしあまりに数が多いので手が痛くなってくるのと刃先が削らされている感がある。

座って天井部分に刃を入れる。
端から藪自体を一気に落としていきたいからだ。

結構奥まで進んだ気ではいたので、刃先を天井に向けて入れてみた。
今切ればここまでの部分だけでも落とせるかもしれない。
とりあえず目に見える成果が欲しいところ。

天井部伐採
右手側
なかなか落ちない

天井部分に刃を入れると、この藪自体に後から上に降り積もった屑がパラパラと落ちてくる。
それを吸い込むと咳き込んだり目が痛くなったりして涙が出てくる。

…とここで、蜂が執拗に俺の周りを飛んでいることに気がついた。
数は1匹なのだがあまりにもしつこいのだ。

もしかしてこの近くに巣があって、荒らされると思って威嚇してきているのか?
いや、巣には興味無いから邪魔しないでくれ。
顔の周りを飛ぶのを適当に払うと、作業に戻る。
あまりに蜂を攻撃すると逆襲されたら最悪だからね。

やった!空が見えたぞ!

天井部に集中攻撃したせいか、暗かった天井から青い空が見えた!

天井の隙間から身体を突き出すと、
周りはこの藪の天井を覆っていた草で溢れていた。
藪天井に光の穴が開く!
ここまで来ればもう少しだ!

天窓(?)から立ち上がった姿勢で体を突き出すと、藪天井の上へと出た。
まわりは当然草だらけである。
こうなっていたか。
下から切っていくより上からの方が効率がいいのではないかと、天井を上側から切り込んでいく。

おしながら押しながら切るのがポイント
藪のボリュームを下げるのだ

上からの攻撃に変えると切り方も変化する。
ただ切るだけではなく体重を乗せ、押し込みながら切るのだ。
それは何故かというと、薮全体のボリュームがいまだに大きいからだ。
この膨らんだ状態を押し込むことで圧縮していく。
そうする事で藪を落とすことが出来るのだ。

藪の上に自信で乗っかり、
 自重で圧縮などもやってみたりした。

 手での押し込みに限界を感じると、天井自体に乗っかって足で踏み込んで、さらに飛び跳ねる形で薮を押し込んでいく。
この方が効率がいいだろう。

一気に落とす

こうなったら俺のペースだ。
まあ自重がそこまで重くないのが今回ばかりはデメリットだが…
 一気にペースアップし、あれだけ場所を占有していた藪の一角をごっそり落とした。

下から視点
荷物が藪に完全に埋もれた
(まあ想定内だけど)

1度藪から降りて正規ルートから下に回り込んでみる。
ベースキャンプはそれ自体、完全に藪に埋もれていた。
…まあ想定内だけど。
その為のブルーシートバリアだ。

藪の中からブルーシートを救出する。
上の草を剥がそうとするが、相変わらず絡み合っていて一本ずつ解いていくことは不可能に近い。

ブルーシートをめくる。
中は無事かな?

ちょっと簡単に上は剥がせないので、とりあえずブルーシートを捲りあげて中身を確認し、モノがけ引っ張り出すことにした。
多分強引にやるとシート自体が破けてしまう。
まだ明日以降も使うんだから、ここで駄目にしてしまうわけには…

一通り出せたようです。
粗方引っ張り出せたと思う。

目視できる分は出せたと思う。
ひとつずつ確認出来たわけでないからこれで全部とは断言できんが、めぼしいものは出せた…という認識。

藪ピラミッド…
これを何とかしなければ…

さて、荷物は無事だが、あとはブルーシート自身を救出しなければならない。
とりあえずこのピラミッド状の藪をどうにかしなければならない。

右手の隙間から登れそう

とりあえず藪ピラミッドの右手に隙間が出来ていたので、そこから上がっていくことに。
後方カメラもそこにまだ置いてあったはずだ。

藪ピラミッドの天井側へ。
ここから下に切れ込みを入れていく。

藪ピラミッドの天井側に上がり、そこから下に向かって刃を入れていくことにした。
まだボリュームがあるので中の枝を切って、サイズ感を落としていく感じだ。
あまり深く刃を入れてしまうとシートを傷つけてしまうかもしれない。
大胆かつ慎重な作業。

ある程度したらシートを引っ張り出してみる

ある程度切込み作業を続けたら、下に戻ってシートを引っ張り出す。
んー、破けてないといいけど。
まあ基本敷くためのものだから、少しばかりのダメージならそんなに気にならないかもしれないが…

カマキリさん。
俺でなきゃ見逃しちゃうね!

草の中に紛れて緑色のカマキリが。
そんなに大きくはないかな?
そこにいたら危ないよ。
…丁寧にどかしてから作業再開。

無事ブルーシート救出!

割と綺麗に出せたのではないかな?

中身がえらいことになっているが…

とりあえず思うままに荷物を外に出したから、中には少し下まで転がり落ちたものもあって回収に動いたり大変だったけど。
おそらく全員無事だよね?

安定感のある少し下へ移動させ荷物をまとめる。

場所が悪すぎるので、少ししたの土が露出してる箇所へ荷物を移動させ、一塊にしておく。
最後片付ける時に楽だからね。

さてルート検証してみたが…
今回切ってったところがルートにならないか?

荷物をまとめたところで残り時間に何ができるのか。
今回は正規のルートに対して右から迫り来る藪の猛威を減らすために行った伐採だが、結果的に新たに切り開かれたここが、あらたなルートとして使えないか…という考えが浮かぶ。

正規ルートは傾斜角が強く、元々危険がある。
それに付け加えて、地面を覆う草の数と質という負の要素が加算された。
あの道に固執するより、この新しく出来た踏み跡を有効に使うべきでは?
…傾斜は正規に比べて幾分かなだらか…な気がする。
高台に上がるまでが少々難だが、上がりきってしまえば安定するといえるかも?

ブルーシートを脇に避ける。
まだ切ったばかりの草の山はボリューミーだ。

ブルーシートが邪魔なので脇に避けて、元藪ピラミッドを掲載していた草の山を刃をザクザク入れて崩していく。

後から歩いて躓く箇所の無いように細かく刻んでいく

足場として充分機能させるために根の部分もがっつり切り刻んでいく。
ある程度やったところで、今日は気持ち早めに下山するかと帰り支度をすることにした。

…毎回ギリギリまで粘りすぎてるからね。

少し休憩してた。5分くらいかな。
ブルーシートに積もった草木を払い落とす

15:39。
山の影に陽が落ちるギリギリの時間。
山の深い場所での日没は町のそれより早いのだ。
藪の下側に降りて適当に置いていたブルーシートを広げて、草木や土の汚れを払い落とした。

片付けはそれなりに時間がかかる。
早めに始めるのは正解。

次は荷造りだ。
本当に全部中身をぶち撒けているので、積み直すのも大変な作業だ。
これだけで数十分はかかるから、時間にまだ余裕あるからと思っていると実際動き出せる頃には想定以上に時間が過ぎている事がよくある。
早め早めに切り上げるのは正しい行為なんだけど…
わかっているんだ…
わかっているけど、毎回やることが多すぎるんだよ。

武装も一纏まりにしておく

リュックの中身を粗方詰め終わった。
下山は飲み物がそれなりに消化されて減っているので圧倒的に軽くなるのが有難い。
あとは草刈鋏とノコギリの類いを纏める。

ぐるぐる巻きにして固定する

これらの武装はリュック内には入れられないので脇にまとめるのだが、ここも傷んでいるので通常の方法では固定が難しいから自転車の後部荷物固定用のゴムみたいな奴でリュックにぐるぐる巻きに固定して安定させる。
これが間違いない方法だ。

尺取虫?

片付けをしてると、高台に上がるとこの草むらの中に動くものを見つけた。
尺取虫だ。
それ自体は珍しくないんだけど、動きが面白かったので撮影しつつ眺めてた。
このプルプルはなんなんだろう?

おっと、遊んでる場合では無い。

いくつかの荷物は、下に降ろす必要がないの
ここに置いといても大丈夫だろうと
ブルーシートを上から被せておいた。

明日この続きをやるので、ペットボトル1本といくつかの荷物をここに置いていくことにした。
ブルーシートを上から被せて万が一の夜間の雨…というか露避けになればいいな、と。
食べ物は当然ないので獣も荒らしには来ないだろう。
明日下からまた上がってくる際の背中の負担をなるべく減らしたいからね。

結局片付けに40分はかかってるな。
もろもろ撮影もしていたからだけど。

下山エンドカットを撮影してたせいもあるが、結局全て体制が整った時には時間は16:20。
片付け始めてから40分くらい経ってしまったね。
かなり早く降りるつもりが、ほんの少し早い程度になってしまった。

本日の最終行程まとめ
今回切り開いた場所を有効に使おう作戦

さて今回最後、この新生ルートE2導入部においての行程だが。
正規ルートを進めるために藪を刈ってたわけだが、そっち側がむしろ安定した道として機能させられる可能性が高いので、明日はよりきっちり道を整備して、ちょっとの差だけど新迂回ルートとして成立を目指してみようと思う。

自作杖を忘れないように!

最後、草の中に紛れ込んでいた杖を拾い上げた。
上りより下りに真価を発揮するこの杖は、今や必須だからな。
忘れるわけにはいかない。


―― 10. 下山開始

核心部上層
綺麗に見えてトラップもある

下山を開始。
16:30だと冬場は暗いが夏場は日差しに余裕がある。
有難い。明るさは正義。

新生ルートE2から降りると核心部上層だが、上る時は先を急いでいて細かい部分の整備は前半ほどしっかりしていないが、正直細かい伸びた草があって、下山時かなり疎ましかった。

上りは特に先を急ぎたいから、無視しがちなんだけど、降りる時に気になるんだよねー。
やっといた方がいいのはわかってるんだけどさ。
人間の弱さを思い知る。

ここで谷間に一気に下る。
昼に綺麗にしたので見通しはいいが…

核心部上層をしばらく進むと、谷間に一気に降りる急斜面が待ち構える。
昼間に撤退的に伐採したから見通しは抜群だが、ここは足場が非常に悪いので初心者滑落必死地点である。

何十回通った俺でも気を付けないと大怪我しうるトラブルに見舞われる危険ポイント。

慎重に降りていく。

ここまで降りてくれば串刺しは避けれるだろう。

いつも以上に剣山除去やったから、転ぶこともなく無事に降りられた。
ここまで来れば平気かな?
道幅も確保出来ていて綺麗だ。
次の夏前までこのまま維持してくれ。

谷間の底
光が届かなくなってくる

危険な急傾斜ポイントを無事に抜け、山間の底の針葉樹林帯へ。
ここは夏場でも光が届きづらくなるので肉眼だと暗く感じるのよね。

ファンタは飲みきったのでコーラ補給。

体を激しく動かしてる時はファンタの方が吸収力高いから、沢山飲んで無くなってしまったから下山時の水分はコーラを飲むことに。

アスファルトゾーンへ!

16:36。
アスファルト終端へ戻る。
 今回は滑落(転倒)なかったぞ!
ノーミスでいったるで!

1番滑る危険の高い傾斜角を持つ区画をぬけた時に、つるっと転んで背中を強打する。
衝撃が強いと内蔵に来るよね。

多分枝かなんか踏んだのでは?

最終水源点で休憩

16:44。
朝以来の採集水原点で解けた靴紐を結び直したついでに岩場に座って休憩を取る。
下山時の方が足の負荷がかかるので痛みは強い。
また坂がキツイためペースコントロールが難しく、息が乱れがちになる。

適切な休憩を取れるなら休んだ方がいいのは道理。
まだ明るさがあるから融通は効く。

背中のマダニはどうなった?

先程の転倒で熱海より先に痒みを感じたのは昼のマダニの件か?
あれ以来気にする余裕もなかったが…
あれ以降も血を吸われていたのだろうか。
新たな別の吸血感覚は無かったはずだから、個体は増えてないだろうが、行方は気になる。

小屋に戻ったら調べないとな。
良くも悪くも噛んだら離れないからな、奴らは。

下山再開。
濡れ場はなるべく避ける。

8分ほど休憩したら移動再開。
いくら余裕があるとはいえ、17時には登山道は脱したい。

17時に脱することは出来なかった

17:01。ゾーン3を抜ける。
目標としていた17時登山道脱出は叶わず。
帰り支度あれほど早く始めたにも関わらずこれか…
どうしたものか。

あと少しだったのに!

脱出したのは17:04。
惜しい!あと少しだったのに!
あそこで転んでさえいなければ…!

スロープ休憩は当然の権利ですよね?

先を急ぐ身とはいえ、休憩する権利はあるはず!
憩いのスロープを使って、さらに少しだけ休憩を取る。

ここまで来て、やっと安心感を覚える。
まあ電波が入りづらいから、連絡も報告も出来ないんですけどね。
昨日はこの先に学習会館の中の人がいたが、さすがに17時回ったら帰ってるのではないか。

1台の車が。
あれ?昨日の人?
車体の色青くなかったっけ?

…と思ったら水場を過ぎた辺りで背後から車が。
昨日の人? 車の色が違った気がするが…
俺が気付いて道の脇に避けて先を促すと、クラクションで返事してくれた。

あとは降りていくだけ…

南西連絡路をひたすら下へ下へと降りていく。

あれ?人がいる。珍しい…

ここは両脇が大抵は畑なのだけど、皆さん活動は午前中など早々に終えてしまうので、この時間で会えるのは稀なのだが、それでもたまに見る車が、ある小屋の前で留まっていた。

それ自体は過去に見たことがあったのだけど、人が伴っているのは初めて見たかもしれない。
彼は最初の小屋での用事を終えたあと、車を移動させて少し先の小屋の前でまた留まった。

ああ、そうか。
2つの小屋と区画を担当してる方なのか。

明らかに怪しまれてる?
…まあやむを得ないけど…

中の人と直接対面はそう無い機会だ。
通り過ぎるのは寂しかろうと声をかける。
さすがにここで歩く人なんか地主以外は滅多に居ないだろうから怪訝そうな顔をされてしまったが…
それも最初のうちで、俺が少し話すと怪しい人間では無いことがわかってもらえたようだ。

…いや、怪しいは怪しいか(笑)

信用を勝ち得たようで
笑みを見せてくれた

せっかくだからこの地のことを少し聞いてきた。
 今後挑むことになる隣の尾根コース、ルートFの山の事なんか分かればいいなと思ったんだけど、そこまで詳しくは地元の人でも知らないらしい。
しかし、この先が伊豆スカイラインまで続いてることは知っていたから、それなりの情報は持っている方なのだと推察する。

今後見かけたら声をかけていこう。
頑張りますと挨拶して下山を再開する。

人の営みや!

17:30。南西集落到達。
12時間ぶりに戻って参りました!

街の中心部へ!

伊東線の踏切を超えれば、すぐ上多賀の街の中心部だ。
港まであと少し!

珍しく若者が道端で何かしている

集落を縫って坂を降りていくと、始めてみる光景が。
若めの2人の男性が道に座って何かをしている。
あ。犬か。
飼い犬とじゃれあってるようだった。
俺が軽く挨拶した時だった。
左手のスロープにも1人の男性がいて、話しかけてきた。

あ!前、俺を泊めてくれた方じゃないか!

「お、相変わらずやってんの?」
俺を知っている!?
…と思ったら、前に俺を自分の家に1泊させてくれた方じゃないか。
どうも、お久しぶりです。
じゃあこの犬はあの時のこの方の飼ってる犬か!

「今は何やってるの?」
いや…あの時とほぼ変わらないところにいますよ(笑)
事実だから仕方ない。
梅雨を超えて草が復活しちゃってるので、ずっと切ってるだけですよと説明した。

じゃまた~と軽く挨拶してお別れした。
「誰なんです?」
若い子が、世話になった方に尋ねてる会話が聴こえたが、それに何で答えたかまでは聴き取れなかった。
いや、多分答えは知らない方がいい(笑)

さらに街の中心へ

ファミリーマートを横目にバス通りを横断。
街の中心部へ。

無人販売所のある長屋

すると、たまに買わせて貰っていた無人販売所のある長屋の前で大家さんオーナーが道の水撒きをしている姿を見つけた。

何度か会話させてもらっている顔見知りなので久しぶりに挨拶をする。
「相変わらずだねー」
ええ、相変わらずですよ。
「ちょっと待ってて」
と、奥に消えていくオーナー。

なんかくれた!

裏の野菜ボックスから、何が手渡してくれた。
昨日もここ通ったけど何も置いてないから時期でないのかなと思っていたのだけど…
みかんではない。

白いとうもろこしだ!
生で食べれる?

手渡してくれたのは白いとうもろこしだ。
ありがとうございます!
…ん?でもどうやって食べるんだ?
「煮るなり焼くなり」
バーナーはあるがフライパンとかないからなー。俺の持ってる手鍋は小さすぎて入らないのでは?
…まあせっかくだからくれるものはもらいます!
何とかなんだろう!

予算の限られた俺には貴重な食料。
ありがたく受け取るよ!
(たまに会うと何かくれたりする有難い話)

港だーー!

そしてやっと戸又港に到着した!
長かったーー!

小屋に帰還!

17:50。我が家(江村小屋)に帰還。
やっと戻ってこれたー!
13時間ぶりでした。

ちと、予定が推してる。
急がなくては…

もう少し早く戻れる算段だったがそう上手くはいかないようだ。

早く出発するためには、早く寝なくてはならない。
早く寝るためには、早く買い出しを終えなければならない。
早く買い出しする為には、早く小屋に戻らねばならない。

固く誓ったはずだが、そんなふうに上手くはいかないんだよ!

すぐさま頭を洗いに行く

装備を外し、一目散へ洗い場へと急行して行水を行った。
洗うのと乾かすのが1番時間がかかるからね。
終わらせねば!

頭乾かしてるうちに
意思が落ちたのか暗くなり始めてる

頭を洗って小屋に戻ると、乾かす作業が待っているのだがドライヤーかけながら途中で意識が消えていたらしい。
目が覚めると暗さが1段階進行している。
早く降りてこれたとして、これじゃあ意味ないじゃないか!

照明がないと見えない!

小屋の中の方が暗いのでテーブルの上に何があるかも照明がないと確認が難しい。
雑にセッティングを済ませて早く買い出し行こう。
どこか外食する訳でもなし、そんな気取る必要もあるまい。


 ―― 11. 買い出し~夕飯~就寝

まだかろうじて明るいが…

19:16。
出かけられるようになったのはこの時間。
さすがに遅いだろう。
往復で2時間かかるとしたら目標の21時就寝はこの段階で厳しい。
可能な限り急ぐしかない。

まだ夕闇とはいえ明るく、夏場の恩恵を感じる。
冬は相当早く降りてこないと、この明るさはキープが難しいな。

とにかく夕方、日が沈んでから強烈な風が襲ってくる。

完全に暗くなってしまった。

海沿いの国道を南下する。
下山時に痛めた足が悲鳴をあげている。

裏ルートを進む。暗い…

国道沿いではなく、途中から裏路地を進む。
真っ暗だよな、ここ。
街灯が足りないよ!

マックスバリュ到着!

19:42。マックスバリュ上多賀店到着。
俺にしては片道35分は相当に早い方だ。
痛みのある足でもこれくらいで来れるのか…

安いバナナが全部売り切れてる!

山の食べ物としてかかせないバナナを入口入ってすぐの売り場に確保に向かうが、なんと1番安い品種が全て売り切れてはないか!
…なんということだ。

パンで代用するしかないか…

まさかの主食がないということで、パンコーナーへ。
熱海らしくない、いつも食べてるものを買う。
…まあこれなら慣れてる分、乾燥した状況でも喉は最低限通ってくれるだろう。

飲み物補強

コカコーラは下山時にミニサイズのボトルに移し替えた文が減ったくらいで、まだ1kℓくらいは山の上に置いてきていたので追加で買わなくてもいいか。
無くなってしまったファンタと麦茶を追加購入する。

夕飯は…これで…🥺

明日の事ばかり考えて夕飯を考えていなかった。
どうせ遅くなったから、まったり夜を過ごすなんて出来ないので腹に溜める必要も無いだろうと、海苔巻き1本だけを購入。
98円。…懐に優しい。
いいんだよ、あとは寝るだけなんだから大したもの食べなくたって死にはしない。

結局バナナ次に高いやつ買うことに…

店内を物色するうちに、やはり気が変わったのか再びバナナを買いに走る。
やはり山の上で食べるものとして絶対に必要だと思い直し、少し割高だが最安値の次に高い「味わいバナナ」というのを一房カゴに入れた。
…これは必要な投資だ。
夕飯激安にしたからいいだろう。

んー、値上がりが響くな…🥺

あとは朝食べるカップ麺を足して精算する。
んー、1日分の食費、1000円以内だったのが値上がりが響き1200円を超えてしまっていた。
このケチケチさでもそうなってしまうのか…
厳しすぎんだろ。

まあ節約できるのは夕飯の質くらいのものだ。
朝と昼は妥協出来ないからやむを得ない。

リュックに詰め込む。

ガリガリ君…予算オーバーだからやめておいた。
それもあるが単純に寝る時間圧迫してるから、そんな遊んでる時間がなかった。

俺の賭場も無視(笑)

いつもは表の座椅子でやるギャンブルも今日はなしだ!
時間がさすがに遅い!
なんで寝落ちしたーー!

早く戻れ!

とにかく急ぎ足で港へ帰還しなくてはならない。
21時就寝は無理でも可能な限り早く!

あれ?誰かいる?

20:16。戸又港へ帰還。
この時間、真っ暗なはずのここに車のライトが。
あれ?もしかして…?

江村さんときいちゃんがいた!

江村さんときいちゃんがいた!
おつかれさまですー!
「ご飯買ってきたの?」
最低限ですけどね… 海苔巻き1本…
「おにぎり食べる?」
え?本当に!?やったぁぁあー!助かるう!
「俺の残りだよ!」
江村さんの食べ残しらしい。
残飯担当の俺に全て回してこい!(⬅)

ということで、おにぎりを受け取った。

と、ここで思い出した相談事を切り出してみた。

ハンディに行く用事ありません?
実は頼みたいことが…

明日か明後日にハンディ(ホームセンター)に行く用事ありませんか?
ちょっと頼みたい買い物がありまして…
草刈鋏がもうヘコヘコ異音が出てきていて、まだ切れますがいつダメになってもおかしくないかなーと。
「鎌じゃだめなの?鎌の方が早い気がするけど…」
固いし、なにより本数が多すぎて効率が悪いんですよ。
腰を落とすのも負担になるし。

「そしたら連絡するよ。写真送って」
3000円くらいの伸び縮するやつで…
まあ細かい事は実際に買いに行く時があった時でいいか。
あくまでついでの用事ということで依頼した。

俺が買いに行くと、それで一日が潰れてしまうので貴重な時間が奪われてしまうから頼めるなら頼みたいのだ。
まあこれは強要できることではないのでお願いレベル。

小屋をランタンで照らす。

小屋の中に戻りランタンで明かりを照らす
…だがこれだけじゃやはり暗いな。
スマホのライトの方が視認性は高い。
これはお気持ちレベルだな。

「今日はそんなに暑くなくてよかったね」
…え?(むちゃくちゃ暑かったが…)
そ、そうですね。(下ではそんなでもなかったのかもしれん)

洗濯もしなくちゃだ…
忙しい…

夕飯のスープ用にお湯を沸かす。
そうだ、洗濯もしなくちゃ明日着ていくものがない!
(山用伐採装備のこと)

きいちゃんたちは帰宅した

20:32。何かの用事を終えたようで、江村さんときぃちゃんは帰宅。
おやすみなさい。
お見送りする。

洗濯を食事前に終えた。
しんどすぎる…

20:46。洗濯を超簡単に片付ける。
汚れと言っても葉っぱや枝、粉塵とかだし汗さえ流せていればいいからね。
あとは朝までに乾いてれば良し。
表に適当に干し並べて、小屋に帰還した。

夕飯これだけ

とりあえず夕飯は買ってきた海苔巻き1本を食べる。
一瞬で片付いた(笑)
江村さんからもらったおにぎり、食べられない具材だったのよ。
ごめんなさい!
暗がりだったから確認できなかったんだ!(;^;)

スープで補う

足りない空きっ腹はジェネリックわかめスープ2袋で補う!
ごちそうさま!寝るだけだから良いんじゃー!

…さて…

マダニ何とかしないと…
そもそもまだいるのか?

蚊帳の中に入ってシャツを首にかけてあとは全て脱ぐと、昼間のマダニに噛まれた跡を確認する。
まだいるなら駆除しなければならん。

まだいるし!でも小さいな。

見てみると、まだそれらしい姿が。
腫れは増しているが吸血した割に本体が小さいままだ。
どうしたんだろ?
もしかして知らぬ間に圧死してたとか?
それくらいでくたばるとは思えないが…

手馴れたものです

マダニに噛まれた経験なら日本有数の俺ですから、相手が多少小さかろうが手馴れたものです。
ジェルとピンセットを活用して、マダニを引き剥がした。
もう亡くなってるようだから、捨て置きます。

痒みや腫れはあるが無事解決!どうってことはない。

おやすみなさい…

施術を終えて、やっと横になったのは21:45くらい。
寝る時間の目標を大きく超過してしまった…
スマホの閲覧も少しだけにして、寝ることを優先した。

おやすみなさい…
今回も疲れた一日が終わった。
…明日も地獄だぞ…

▷▶︎▷熱海市攻略戦 Days317 へつづく

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