ある技術哲学書を共訳しまして、その中のハイデガー技術論の解説章を訳すための前提作業として、「技術への問い」のドイツ語-英語-日本語の訳語の対応させたのですがかなり苦労しました。実際、誰がやっても最初大変だと思います。今後、似たような作業をする方のために、対応を一覧にしてここに公開しておきたいと思います。
特に英語のハイデガー解説を読むときに役立つと思います。
技術への問いの関口訳、森訳も対応させています。目次は関口訳にしています。引用は関口訳の初出です。
原文ドイツ語
英訳
和訳1(関口訳)
和訳2(森訳)
参考)ドイツ語のグーグル翻訳
〈こちらへと-前へと-もたらすこと〉
Her-vor-bringen
bringing-forth
〈こちらへと-前へと-もたらすこと〉
こちらへと前にもたらして産み出すこと
参考)先に進める
開蔵
Entbergen
revealing
開蔵
顕現
参考)発見する
不伏蔵性
Unverborgenheit
unconcealment
不伏蔵性
隠れなき真相
-
挑発
Herausfordern
challenging
挑発
挑発
参考)挑戦
用立て
Be-stellen
to order
用立て
徴用
参考)注文する
調達
stellen
imposition
調達
かり立て
参考)尋ねる
用象
Bestand
standing-reserve
用象
徴用物資
参考)在庫
集-立
Ge-stell
enframing
集-立
総かり立て体制
参考)フレーム
命運
Geschick
destining
命運
運命
参考)スキル
救うもの
das Rettende
saving power
救うもの
救いとなるもの
参考)節約
叶えるもの
das Gewährende
grant
叶えるもの
存続を認めるもの
参考)付与
以上
追記:存在と時間の方のいくつかも頻出なので取り急ぎ二つ追加しておきます。
Zuhandensein, ready-to-hand,「道具的存在」「用具存在」「手許存在」等
Vorhandensein, present-at-hand,「事物的存在」等