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原初のサイボーグを生きる

今また西表島のジャングルに来ている。2週間の野営中である。Iriomote JUNGLE CLUB の仲間が十数名入れ替わりこのベースキャンプに訪れ、ジャングルに生きる意味をクエストしている。


WIRED Japan編集長の松島さんが、WIREDの今月号で、この活動について触れてくださったので、その応答として急ぎこの記事を書いている。松島さんには先日ご自宅で、このジャングルについて熱く語らせていただいた。

このジャングルでの野営。その意味は、プリミティブな道具で狩猟採取的な仮暮らしをし、人類は生まれながらに道具と共にあることを野生の勘を呼び起こしながら体験することにある。われわれは、生まれながらに原初からサイボーグなのだ。この滞在は、サイボーグとして生きるわれわれが、いかにテクノロジーに対してマインドフルになれるのかという私の研究テーマ(リンク)の実践であり実験の場でもある。

ちなみに、少なくとも私には地球規模のクライシスに向けてサバイバル能力を身につけるべきだというような想いはない。そのようなクライシスが起きたときに必要な能力は、もっと別の能力かも知れない。それよりも、私は「今」を生きる力としてこれが必要だ思っている。それほど「今」という過去や未来に伸びるさまざまな時間軸が交差する点は複雑化し、生き抜くための強い力を必要としているのだから。


ヒトは自己の境界を脳から身体(皮膚)へ、皮膚から道具の外面や切先へ延長する。そうして能力を拡張することで、予測不可能な面を含み変化し続ける(自然・人工)環境に対応する。それがヒトという主の「生きる」術である。生まれながらにサイボーグだとゆわれる所以である。

そして、脳・身体・道具をうまく使いこなし、ある環境が、自在に対応可能となると、その環境にまで自己の境界は延長される。

原生自然へと広がっていくその境界を、再構築するために、ぼくらはジャングルにこもっているのだ。

そのジャングルで用いている道具とその意味を紹介したい。

ベースキャンプ

ぼくらの「身」をジャングルに「ゆだねる」こもからすべては始まる。
まずは、ベースキャンプにヒトが最低限居住できる環境を構築し仮住まいとする。

心身を整える

簡単なボディワークやメディテーションをまずは行う。そうすることで、原生自然に心身を馴染ませることで、道具の馴染みもよくなる。そして、自ずと道具にマインドフルになるというのが、サイボーグメディテーションの意味でもある。

道具を使う

まず生きるための道具を扱うことから始めるといいだろう。「火の賜物」の新装版が出版されたが火おこしのさまざまな方法を実地で試してみるのもいいだろう。今回からジャングルクラブでもいくつか試している。

今からまた電波の入らないジャングルの中のベースキャンプへ戻り、原生の海で今晩の食料を調達する必要があるので、記事はここまで。追って海や山での狩猟の道具などを紹介する。

今回(また4日しか経過していないが)の狩猟の画像を取り急ぎ。
それでは。

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