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本質に気づくストンと刺さる言葉たち【おいハンサム!!2第五話より】
こんにちは。
私の大好きなドラマのシーズン2が2024年4月から放送されました。
「おいハンサム!!2」。
2022年1月に深夜にひっそりやってたドラマで、吉田鋼太郎さん演じる伊藤源太郎が個性豊かな3人の娘の幸せを願って奮闘し、生きていく中での大切な気づきを家訓・教訓として家族会議で共有していく、シュールだけれども温かいホームドラマです。
ちなみにシーズン2からみだしても、心配なく楽しめる内容になっています。
このドラマは狭まった視野や固定観念を、ハッと気づかせてくれたり価値観を見直すきっかけをくれるワードが多数でてきます。
特に終盤で毎回開催される伊藤家リモート会議(家族会議)は人生で大切にすべきことを家族で共有するために、吉田鋼太郎さんが押し付けがましくなくハンサムに言っていくところがドラマの一番の見どころです。
このコラムでは、ドラマを見てる見てないに関わらず、ストンと刺さる言葉たちを紹介していきたいと思います。
<第五話あらすじ>
父源太郎(吉田鋼太郎)と一緒に仕事することになった長女ゆかと元カレの大森(浜野謙太)。意地を張りあいながら仕事を順調に進めるも、取引先の野々村(山内圭哉)の料理の大量オーダーや食事に関する考え方にモヤモヤしてしまう。
元夫からの意味深な連絡にイライラする次女りかは、惹かれている原(藤原竜也)と散歩している最中に、たいやきを食べることに。
三姉妹はたいやきを半分こできるかが話題に。伊藤家ではフードロスについて家族で話し合う。
今回は三姉妹での伊藤家ぷちリモート会議がありました。また各エピソードで名言やハッとする言葉があったのでご紹介します。
伊藤家プチリモート会議「たいやきは半分にできるか」
伊藤家プチリモート会議を招集します。お忙しいとは存じますがお時間、、、
りか:あのさ、半分こってしてる?最近。
みか:半分こ?ひとつのものをふたつに分ける半分こ?してないなぁ〜
ゆか:私こないだしたよ、たいやきで。全然半分こじゃなかったけど。
りか:でしょ!たいやきなんか絶対に平等には分けられないと思ってた。どっちが大きかったり小さかったり、頭の方とかあんこがいっぱい詰まってる方をくれたりするけど。ほら、わたし尻尾のほうが好きじゃん。上下に分ける人もいたし、開いて半分にする人もいた。だからたいやきで完璧な半分こって絶対に無理なんだろうなって思ってたんだけどさ。
みか:でも分け合うっていいよね。一人じゃできないことだし。
ゆか:たしかに。一人じゃ分け合うっていわないね。
りか:分け合うってことはひとりじゃないってことか。
ゆか:なんかさ、シェアするっていうより分け合うっていうほうがいい感じしない?
みか:するするなんか親密な感じ〜
<りか回想 たいやきを半分こするシーン>
りか:じゃんけんぽん
原:僕が分けます 伊藤さん食べたい方選んで
りか:じゃぁこっち
原:こういうのって完璧に半分って絶対に無理じゃないですか。だから分ける人と選ぶ人を別にしたらいいんですね。じゃんけんで勝ったほうが分けて、負けたほうが先に選ぶとか。負けた人が分けて、勝った人が選ぶとか。分ける人はできるだけちゃんと分けようとするし、選ぶ方は納得する方を食べられる。それが一番お互い嫌な思いしないでしょ。そうやって世界も平和にならないですかね。
りか:全然半分こじゃないのに確かに半分こだった…
”全然半分こじゃないのに確かに半分こだった” なるほど〜と。物質的な量の問題ではない半分こがこのエピソードの醍醐味でした。とっても曖昧な表現で、分かる人にしかわからないような…そういったニュアンスで刺激してくる感じがおいハンサムならでは表現です。
個人的には、”分け合うってことはひとりじゃないってこと”というワードにも、改めてハッと気付かされました。分け合うことができるって幸せなことですね!
実は次女りかがいいなと感じている原(藤原竜也)とはたいやきのあと、後日続きのやりとりもありました。
りか:こないだはありがとうございました。お散歩。
原:こちらこそ。たまたま見つけたたいやきやだったけどおいしかったね。
りか:うまく半分こできたし。わたし和菓子づくり手伝ってたことがあってあんこにはうるさいんです。
原:いいね、どこで?
りか:京都です。
原:京都は夜の気配が好きだ。こないだみたいにああやって歩いていて居心地のいいご飯やとか喫茶店をたまたま見つけられたらいいね。
りか:原さんはかとログ(口コミサイト)とか見ないんですか?
原:ああいうのはすぐに結論がでてしまうからなぁ〜すぐに答えを見つけようとしたら面白くない。僕は時間をかけてだんだんと分かってくることのほうが好きなんだね。では、また!
そこはかとなくクセを感じるけど、すごくかっこよく感じてしまうのは藤原竜也だからなのか…。すぐに答えが知りたくなってしまう私とはかけ離れている考え方だけど、深みを感じてしまいました。ハンサムだな、うん。
今回、伊藤家周辺では「フードロス」問題がたびたび上がります。
しれーっと社会問題に切り込んでくるのが、おいハンサムの面白いところです。
せっかくなのでご紹介しますね。
長女ゆかの元彼 大森流フードロス対策
(片足で立って目をつぶり感性を研ぎ澄まして古いベーコンの匂いを嗅ぐシーン)
大森:パッケージなどに書かれている賞味期限などの情報は二の次、生きとし生けるものとして消費期限と向き合う「食べてもいい?」頭に聞くんじゃない、体に聞いてみる。それが俺のフードロス対策!!
(そういってベーコンを食べ、食あたりしていた。)
浜野謙太演じる大森は本当見習うべき考え方の持ち主なのですが、ドラマの中ではとっても残念に表現されていて、見ている側に正しさを押し付けない稀有なポジションとしてこのドラマの要になっています。賞味期限ではなく、消費期限と向き合う。分けるけど、頭に聞いてしまうなぁ私は。…なかなか難しいんですよね。
「フードロス」について考える伊藤家の話し合い
ゆか:あのさ(取引先の)野々村さんね、結局ちょっとずつしか食べないんだけど、たくさん注文して少しづつだけ食べてあと全部残すの。
家族:だめね
ゆか:でもさタダで捨てられてたものに対価が発生するんだから
家族:だめね
ゆか:どうして?
源太郎:食材としていただくものの命や生産者や料理を作ってくれる人に対して失礼だろ?食事に感謝して無駄にならないように食べる。人として最低限の礼儀だとお父さんは思うぞ。
ゆか:わたしもそう思うよ。でも経済の仕組みとしては間違ってないよね。
りか:でもみんながその人みたいにしたら人類はすぐに滅びるよ。
みか:うん、一瞬で滅びそう。
源太郎:天下をとっても二合半。いくらお金や権力があっても人よりたくさん食べられるわけではない。全てを食べ尽くせるわけでもない。例えばりんごは最初の一口目が一番おいしい。だからといってこのりんご一個を食べきる代わりに一箱のりんごを買って一個につき一口ずつ食べて残りは全部捨ててしまう、そうゆうことが許されるだろうか?果たしてそれはおいしいのだろうか?必要以上、身の丈以上の贅沢は慎むべきだな。だか一方で我々は野々村さんの考えを一概には否定できない社会で生きている。大量消費大量廃棄を前提としたシステムの恩恵を受けてぬくぬくと生きている。大切なのは、これからだ。これからお前たちがどう考え、どう生きるかだ。
”必要以上、身の丈以上の贅沢は慎むべきだな。”
グサグサグサッ…この言葉に尽きる気がします。
経済は大量消費大量廃棄で回っていて、その恩恵があるから豊かな生活が送れているけど、その割り切った方向に行き過ぎても滅亡の一途でしかなくて、結局はバランスを考えながら個々人でフードロスに対応していくしかないのかと考えさせられちゃいますね。
毎度ながら感服でございます。
そんなこんなで第五話もハンサムでした!
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