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読書日記 『三つ編み』レティシア・コロンバニ

読みながら泣いた。

インドのカースト制で最下層の不可触民の女性は死んだように生きている。実際に、多くの女性は殺される。その呪われたようなカルマから、幼い娘を逃れさせようとするひとりの女性。

イタリアの田舎町で、時代に取り残されたような家族経営の小さな作業場を存続させるため、自ら身売り(と言う名の嫁ぎ)をするか悩む女性。

カナダで、男性の何倍も努力をして手に入れた地位をもつ、子供を3人抱えたシングルマザー。
ガラスの天井を突き破る直前に、重篤な病気が発覚。

それぞれ、絶対に出会うことのない土地で、懸命に生きる女性たちが、偶然織りなす「三つ編み」の物語。
最後は感動の涙。

女性の連帯って、こういうこと。
これは、全世界に生き、日々を重ねている、もうひとりのキム・ジヨンの物語。

著者が女優だからか、シナリオ脚本のような文体なので、画が浮かぶ。映画化希望。

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