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ママとパパとゲイディスコ

私のママとパパは共通の友人が遊びの予定をダブルブッキングしたことがきっかけで知り合ったらしい。どうして付き合うことになったか聞くと、騙されたとか、間違えたとか、どっちに聞いても「相手の押しが強くて、どうしてもって言うからさあ」なんて言われるのだけれど、ひとつ2人の出会いのエピソードで好きなのがある。

当時うちのママはモテモテで(本人談)、いつもたくさんの男の子たちから言い寄られていたらしい。ママはゲイの友人が多く、時は80年代バブル真っ盛り。遊びに行くといえば毎夜毎夜ゲイディスコだったそうだ。ゲイの親友たちと一緒にゲイディスコに繰り出すと、それまで言い寄ってついてきていた男の子たち誰もが尻込みし始める。ストレートの男の子たちはゲイディスコに行くと途端にノリが悪くなるらしい。そうやって鬱陶しい男の子たちを追い払っていたのだとか。

ところが初めてパパに会った夜。いつものようにみんなでゲイディスコに繰り出したのだが、パパはいつもの男の子たちとは一味違っていた。

「あんなにノリノリでゲイディスコで踊る人初めてだったのよ」

とママは言う。

お家を掃除しているときに見つけたアルバムにはママとゲイの友だちたちとパパがビーチで楽しそうにしている写真があった。

人がひとを好きになる理由はいろいろあると思うけれど、こんな理由、いいなと思う。


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