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仏蘭西生活記

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フランスに住んで考えたこと、気づいたこと
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#私の仕事

仕事の話 : 外国人として働く価値とは

昨日、撮影の仕事のあと先輩アシスタントMからお褒めの言葉を頂戴しました。よく頑張ってくれてるってわかってるよ、と。 昨日の撮影はかなり大きなお仕事でした。某有名ブランドのキャンペーン広告と動画の撮影です。午後の初めまではなかなか順調に進んでいたのですが、最後のショットを撮っている最中にライティングが変更になりました。その時私はスタジオの外で余っていた機材を片付け中。他の2人の先輩アシスタントがフォトグラファーについていました。 早く上がれるように、使わないであろう機材を先に

奪取すること、写真の暴力性

何度か一緒に働いた駆け出しフォトグラファーと話した時のことです。彼はニット帽ブランドの写真を撮る仕事を定期的に行っていて、夏のバカンス中にアフリカ3カ国を回って写真を撮って来たと言います。ニット帽とカメラを鞄に詰めて、ひとりでアフリカへ。現地で通訳ガイドさんを雇って旅をする。旅の途中で出会った人たちにニット帽を被ってもらって写真を撮らせてもらったのだとか。 これを聞いたとき、なんとなく、咄嗟に、モヤっとしました。嫌だな、とまで断定はできないのだけれど。 写真を撮らせてもら

パリのファッション写真業界に潜り込む方法/フォトアシスタントの仕事とは

フランスに引っ越す前に日本でよく聞かれたことが、「なんでフランス?」「何するの?」「そんなに貯金あるの?」などなど。答えは「フランスに住んでみたいから」「まずは語学学校に行って大学に行こうかな。何か書いたり写真撮ったりするような仕事もしてみたいな」「ビザ取得に要求される金額は貯めたよ」。特に明確な目標を掲げて渡仏した訳ではなかったので、心配されたり呆れられたりすることも多々ありました。 それでもやってみると案外何とかなるもので、パリ生活も7年目に入りました。自分の長所は運が良