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ポートランドにはAfuriがある(2)

(1)はこちらからどうぞ

ラーメンは、アメリカでも知名度がある日本食メニューで、ラーメンの店自体はたくさんある。アメリカに住んで10年、わたしもたくさん試してきた。でも心から美味しい、と思えるラーメンは本当に少ない。アメリカ人は熱々のスープは苦手なのか、とにかくぬるい。しかもスープがなぜか甘い。麵も具もそんなに美味しくない。イケてないのに値段は高いアメリカのラーメンを食べると、「モウホントウニムリ、ニホンカエル」と海外暮らしが心底嫌になってしまう。

しかし、ポートランドは違った。
ポートランドには、Afuriがある。日本でも知名度のある阿夫利ラーメンが、ポートランドに3つも支店を出してくれているのだ。
ポートランドAfuriのInstagramアカウント↓

https://www.instagram.com/afuri_izakaya_pdx/

一か月前くらいにちょうど、「モウムリ、オイシイアタタカイラーメンタベタイ」という気持ちの波に襲われて、パートナーに連れていってもらった。場所はポートランドの中でも再開発がすすんでいるスラブタウン。

ひろーくて観葉植物もたくさん置いてあるおしゃれな店内。

注文を取りに来た店員さんに、
「I need my ramen soup to be piping hot, please(私のラーメンスープはお願いだから熱々にしてください」と懇願する。Piping hotは舌がやけどするくらい熱いという意味だ。

私の必死さが伝わったのか、「今ちょうどお昼のお客さんたちがいなくなったところだから、調理チームにも熱々でつくってもらってすぐ出すようにするね」とやさしい言葉をかけてくれたウェイターさん。

10分待って出てきた醬油ラーメンは、熱々で、出汁が効いていて、コクがあるのに柚子の風味でさっぱりしていて、まさに日本の味だった。麺も少しかむだけで小麦のうまみが口に広がる。マックス(パートナー)と無言で麺をすすった。

枝豆もおいしかった

見た目で国籍を判断することはなるべく避けたいが、調理チームもサービスチームもほとんど現地のアメリカ人に見えた。それなのに熱々でラーメンを出すことの重要さを理解してくれたり、なによりも、日本人でさえ叶えることの難しい日本のラーメンのクオリティを再現してくれていることに、感謝の気持ちしか湧いてこない。

そして、ポートランドの日本人人口は、Afuriの三店舗経営を支えるほどは多くないだろうから、このラーメンが食べられるのも、現地のポートランドの人たちが日本のラーメンを愛してくれているからなのだ。もうめちゃくちゃありがたいじゃないか。これからもみんなでAfuriを応援しよう!間違ってもAfuriがつぶれないように、みんなで食べ続けよう!と謎に連帯感すら覚えてしまった。

夢中で食べていると、注文を取ってくれた店員さんが戻ってきて、「どう、スープの温度はちゃんと熱かった?」と聞いてくれた。なんてやさしいのか。「熱々最高!ありがとう」。そしてまた食べ続ける。

「オイシカッタ…」「アフリオイシカッタ…」
食べ終わると、自分がダークサイドの手前で引き返せたことがわかった。
美味しいラーメンは偉大なフォースなり。


Afuriがあるからポートランドでがんばれる度
★★★★★(☆5つ中5つ)


はじめまして!アメリカに住んで約11年のNanaoです。ポートランドで日々コツコツと楽しみを見つけて生きてるよ。もしよかったら↑のリンクからInstagramも見てみてね。