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語句レン! 認知的不協和理論

こんにちは!ココナラで心理学予備校をしているナナラボの寺島です!
全国の心理系大学院の過去問を分析し、頻出語句をピックアップしました。実は、この「認知的不協和理論」は出題される割合がかなり高かったです。必ず説明できるようになっておきたい用語の一つですね。

事前知識

認知的不協和理論は心理学の中でも「態度変容」と呼ばれる単元で学習する理論です。態度変容とは、どのように説得すればある事柄に関する態度が変わるのかを研究する分野です。例えば、喫煙者にタバコをやめさせるというのも態度変容です。「煙草を日常的に吸う」という態度から「煙草を吸わない」という態度に変わっているわけです。

態度

態度についてもう少し専門的に学んでおきましょう。態度と姿勢は全く違います。姿勢は見てわかる体の態勢なのに対して、態度はこころの中にあるものです。ある物事や、集団、個人に対して特定の行動をとってしまうような心的傾向のことを言います。

「態度が悪い」と聞いたときにどのような人を思い浮かべるでしょうか。悪態を付いたり、こちらに向かって唾を吐いてきたりなんだかそんな柄の悪い人を想像しますよね。この行動自体が態度なのではなく、「この行動を頻繁にとるという心の傾向」が態度なのです。「考えを改める」とか言ったほうが「態度変容」というよりもしっくりくるかもしれません。今回は関係ないので飛ばしますが、この態度を変えさせる一つの方法論として「説得」があります。説得と関連する語句としては「スリーパー効果」などがありますね。

認知的不協和理論(cognitive dissonance theory)の概要

態度変容は説得によってだけ起こるわけではなく、様々なことで起こります。その「様々なこと」の一つが認知的不協和であるという理論です。これはレオン・フェスティンガー(L.Festinger)という心理学者によって提唱されました。ほかにも「認知的斉合性理論」「認知的均衡理論」などがあります。この二つは優先度は下がりますが、語句説明やこれらを比較させる論述などで出題されることがあります。

端的に言うと、矛盾した二つの認知があるときに、それらを解消するように認知が変わるということです。よく例に挙げられるのは喫煙の例です。

認知A:自分は喫煙をよくする。
認知B:喫煙は身体に良くない。

自分の身体によくないことを肯定する人はなかなかいませんので、これは一般的に矛盾した認知だといえます。認知Aが変わるとするならば「自分は喫煙をやめる」という認知になり禁煙という行動につながるでしょう。

一方で認知Bが変わるとすると、「喫煙は精神的にいい」となるでしょう。そうなると、禁煙せずに喫煙を続けるでしょう。注意が必要なのは、この場合、「喫煙」という行動は変わっていませんが態度変容が起きています。態度とは行動ではなく、行動を生起させるような心の中にあるものだからです。(この心の中にある傾向を心性と言ったりします)

不協和の解消の種類は3つあるとされています。

1.どちらかの認知を変化させる。
2.認知の過小評価と過大評価
3.新しい認知の追加

先ほど示した煙草の例は1ですね。2ならばのように認知Aを過大評価して「喫煙はよくすることはよいこと」のように受け取り、認知Bを過小評価するので「喫煙はちょっとしか身体に悪くない」などになるでしょう。

3ならば認知C「タバコよりもストレスが溜まることでの疾患のほうが多い」というものを付け加えます。

語句説明の解答例

解答に当たってはまずキーワードを並べます。理論の場合は必ず提唱者を入れたほうが良いです。今回は「態度変容」「L.Festinger」「矛盾した認知」「認知の変化」「過大評価と過小評価」「新しい認知を加える」あたりでしょうか。この辺りを使って解答をつくっていくことになります。

解答例

認知的不協和理論とは、人間の態度変容について説明した理論である。L.Festingerによって提唱された。人間は矛盾した認知があると、それらの間で不協和を起こしそれらを解消するにために態度が変容するという理論である。認知Aが「煙草を吸う」、認知Bが「煙草は身体に悪い」だった場合、認知Aが煙草をやめて「煙草を吸わない」に変わるか、認知Bが「煙草は身体にいい」と変わることで矛盾が解消される。不協和の解消方法には「認知の変化」「認知の過大評価と過小評価」「新しい認知を加える」が挙げられる。

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