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勝手に1日1推し 97日目 「自転車屋さんの高橋くん」

「自転車屋さんの高橋くん」(1~4)松虫あられ    漫画

ともちゃん、可愛くて愛しくて大好き!!ずっとともちゃんを見ていたい。「ドキュメント72時間」(NHK)の対象に”ともちゃん”を所望したいくらい。可愛いし、分かり味が凄い。読めば読むほど大好きになっちゃうよ、この作品。ポテサラ愛。ディープインパクト愛。アニメ愛。動物愛。うんうん、分かる~、私も愛してる~。

飯野朋子(はんのともこ)、略してパン子30歳。
上司からのビミョ~なセクハラや同僚からの誘いを断れないのが悩み。
近所の自転車屋で働く高橋くんはいつも距離が近いし、ちょっと強引なところもあるけど…不思議と嫌じゃない。
それどころか、普段は言えない本当の気持ちも彼にならぜんぶ話せる――。
世話焼き年下ヤンキー×ちょいネガティブなアラサー女子のご近所ラブストーリー! Amazon

ともちゃんと遼平くんがすっごくお似合い!性格的には正反対だけれど、価値観がどんぴしゃなところがドラマとしてとても魅力的です。何からなにまでぴったり♪で、愛し合うために生まれ出会った運命の2人って言うのももちろん大歓迎ですが、現実ではまあ、そんなことあるはずもなく、な訳で、決定的とは言えないズレが2人を繋いだり揺すぶったりする本作は何とも言えない親しみを感じます!

2人に共通しているのが、自分にとって大切な人や物事をおろそかにしないというところです。それは、とても強くて正しいなって思います。心から好きで大切な人や物事がある人生って豊かで、それだけで少しは孤独から解放されるのかもしれないなあと思います。

1、2巻はともちゃんと遼平が出会い、距離を縮める過程が描かれております。ともちゃんの心の声が本当に面白い!面白過ぎる!面白過ぎるし、的を射すぎているし、ぐうの音も出ないって感じで、そっちに意識がもってかれっぱなし。ままならないシーン、やるせないシーンなのに、面白くて泣き笑しちゃいました。実生活でもままならないとかやるせないとかの場面に直面すると妙に冷静だったり、抱いてる感情とは別のこと思たりすることとかって良くあるなぁと。

例えば自販機で飲み物を買おうとして、飲み物代140円ピッタリの小銭を持っていて、あとは万札。いざ、小銭投入!あっ、10円が・・・手が滑り自販機の下に吸い込まれてしまった・・・その時、「うそでしょ?万札崩せっての?!ガーン」ってなって「なんだよぉ」ってがっかりすると同時にふと地面から顔をだして健気に咲いているたんぽぽを目にして、「きれいだなあ」って思ったり。

とまあ、この感じ。この感じをともちゃんが逐一再現していて、ほんの少しの直視してこなかった複雑な感覚、意識の流れがまるっと可視化されていて、斬新だなって、面白いなって思いました!ラブコメ界の亜種かいな?笑い転げました。

話は変わって、私事ですが、先週とても辛くて腹立たしくて悲しくて・・・な出来事がありまして、今週初め、更に追い打ちをかけられたと言うか、衝撃の事実が発覚して、今でもとなんとも言えない気持ちを抱えています。それでも落ち込んで立ち直れないでいるというのに、本作を読んで普通に楽しんでしまいました!って、この出来事がまさかのともちゃん被りだったので報告します。奇跡!!3巻にてともちゃんが遼平くんと喧嘩をしてしまった時のエピソードです。

落ち込んでいるときに 漂流教室を読んでしまった・・・(くそー関谷!)でもやっぱ面白い・・・もちょっと

ってベッドに寝転んで、漫画を読んでいて(楳図かずお大美術展行きたい!)

どうしたら正解なのかな・・・

って思い悩んでいたんです。私が現実世界で抱えているこの気持ちと全く同じ、共有出来る嬉しさよ!(前述したような「複数の感情を同時に抱えてること」でもあります)一気にどんよりした気持ちが晴れた気がしました!ほんと、こういった見過ごしてきたような生活の一部や違和感がたくさん具現化されていて、作品全体に共感力が漲っているんです!ちょっとした甘くて丸い感情もほろ苦くて尖った感情も、簡潔にほっこりと笑いあり涙ありに仕上げているっていう感性が素晴らしい!この作品に出会えたことに感謝(驚)、誠にフィッシュマンズです(?)。2人の喧嘩から仲直りまでに起きる出来事、交わす会話が流れが最高でありますことも付け加えさせていただきたい!いいのよぉ。読んで~。今、人間関係に悩んでいる人や自分自身にも言いたいよ。

私のこと バカにしてる人のために・・・がんばる必要ない

ってさ。刺さる~。

更に読み進めていくにつれ、だんだん2人の過去や彼らの家族や友達、その他の人たちへと関わりが広がっていき、ラブコメとは言っていられない人間模様へ発展しています。これほど全く自然に様々な考え方、価値観や家族関係、性的指向を描いていて、更にどれに対しても肯定も否定もなく、平たく見つめ、受け入れ寄り添っている作品ってあまりなかったなって思います。遼平くんだってヤンキーだけど、カテゴライズされることなく個として描かれておりますし、ヤンキーどころかむしろ紳士だし、先生のフラットな視点は新しい時代を感じさせます。

そんな先生によるあとがきもとっても素敵でした!どんな思いで作品を描かれているのか、真摯な態度で作品に向き合っていらっしゃるのが伝わってきます。登場人物たちの気持ちや行動、性格、服装などの細かい設定やどうしてそう描いたのかという先生の考えが知れたり、元ネタを知れたり・・・。ありがたき幸せです。字もお綺麗ですし、絶対読みましょう!大事なのでもう一度言います。あとがきを絶対に読みましょう!

で、最後にもう1つだけ言いたいので、お付き合い下さい。本作の舞台は岐阜の町です。この町が作品の大きな柱の一つを担っているように思って、私的萌えポイントの1つとなっております。ちょっと狭い町感が絶妙ですごくイイです。どこに行っても知り合いにあってしまう~みたいなところ、そんなところが説得力ありありで楽しいんです。偶然あちこちで繰り広げられる度重なるアクシデントがともちゃんたちを結びつけたり、拗らせたりしていて、何ともうまいなあって思うんです。(こんな偶然ある?と思わなくもない場面が出てこなくもないですが、それは岐阜から離れているのでセーフとします。)土地設定がこんなに活かされてるっていうのも珍しく、面白いなあって思うので、読む際にはこちらの点も気にかけてくれたら嬉しいです。

と、まあ、大好きが止まらない!ので、まだまだ言い足りないし、目が離せない!巻末の描き下ろしも最高です!高校時代の遼平くんとテルちゃんのお話、ほんと好き。今後も楽しみでなりません。遼平くんの過去が気になり過ぎて夜も眠れないし、ともちゃんと遼平くんのこれからを見届けなければ死ぬに死ねない!幸せになれ~。あと、遼平くんの部屋がめちゃ雑然の美!グレイト!

てか、本日note1周年記念ですって。オメデトー!!私。888!1年で100推し出来なかったのは心残りですが、記念すべきこの日に大好きな本作を推せたと同時に、なんと!!本作はnote発信だった(あとがき参照)という奇跡!!私とのシンクロ率の高さに運命感じちゃう。「自転車屋さんの高橋くんと私」だよ、こりゃ。この勢いで「キック・アス」も見たろ!ヒットガールのコスプレ、あつ森でしたろ!

ということで、推します。





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