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勝手に1日1推し 232日目 「須田悦弘」展

「須田悦弘」展 渋谷区立松涛美術館     芸術

泣いちゃった。良すぎて泣いちゃった。最近涙もろくてすみません。
作品の美しさと健気さに感激しちゃって、世界観が素晴らし過ぎてうるうるしちゃったの。
2024年もそこそこ色々な展覧会に足を運びましたが、締めくくりに相応しい、というより、今年1番の展覧会だった!と胸を張って言えるくらい、最高の展覧会でした!!!

みなさん、是非行って。アート好きさん、絶対行って。行かなかったら後悔するよ。未来の自分にブッとばされるよ!私、家族・友人・知人・同僚、興味がありそうなさそう関係なく、手あたり次第に布教しまくってます!!
写真もね、撮りまくれるの。てか、撮りまくらずにいられないの。スマホの容量空けといて。しかも入館料1000円って破格!!狂ってるってくらい安すぎる!!!!区立だから?

須田悦弘(すだよしひろ)さんの25年ぶりの個展です。且つ、松涛美術館にて開催の展覧会であることが、マジ奇跡。こんなベストなことある?ってなります。あの空間に展示されることで作品としてより完璧になっている!空間そのものが作品と化している。2Fのサロンに住みたい。ずっと眺めていたい。はあ、うっとりして今だにため息がでちゃいます。

「哲学の建築家」と言われている白井晟一さん設計による松涛美術館。アール・ヌーヴォーを彷彿とさせる曲線美が美しい作りで、螺旋階段や手すり、柵さえもその装飾は甘美でありました。
須田さんの作品がこの建物内に展示されることの親和性が高すぎて、企画した人、天才!ってなってます。どの界隈にも天才っておるんよなあ。その才に憧れずにおれません。
どうやら、無料で建築ツアーも開催されているようなので、そちらも今後参加したいって思いました。

「ヒナゲシ」 美しき作品と建物

話は戻って、本展について少々説明しますと、須田悦弘さんは、木彫り作家です。本物と見紛うほど精巧な木彫り作品の数々を生み出しております。木彫りなのに質感さえも感じられ、本物の柔らかさやしなやかさ、儚さなどが伝わってきます!本当に素晴らしいです!日常では見向きもされないような道端の雑草だったり、歩いている時に見かけるような壁からにょきっと顔を出している朝顔だったり、生命力が感じられる可愛らしい植物たちのなんと美しいことか。眼差しの優しさに心が震えました。
かと思えば、思わず火であぶってしまいそうなスルメもあり、なんでもありやないかーい!
帰り道はきっと、誰もが道端の愛すべき小さき命を探すため、きょろきょろしながら歩くことでしょう。愛おしいよ、雑草。

駐輪場に力強く根を張る
雑草

それから「補作」といって作品の欠損部分を補うことも手掛けていて、今回、鎌倉時代の像や仏様などが展示されておりました。どこを補ったのか全く分らないほど一体化(?)していました。500年以上も昔の作品を現代に蘇らせるなんて、まるで魔法ですよね。

「春日若宮神鹿像」「五髷文殊菩薩掛仏」

「補作をするとなると、本当になでまわすように見ないと作れない」と語っている。

ってキャプションにあって、そっかーってなりました。てか、補作に限らず、自身の精巧で緻密な作品群も絶対なでまわすように見てるから実体化できるんだよなってなりました。

そしてそして、最大級この展覧会の面白いところは、作品としてそこかしこに小さな植物たちが配置されているところです!いわゆる壁に飾ってあったり、ショーケースに入っていたりする展示方法だけでなく、隅々までよく見ないと見逃してしまうような通路の端っこや壁の上の方にもたくさん展示してあるんですよ。
ここって室内、屋外?ってなっちゃいます!!!宝探しみたいで、心躍ります。普段は封鎖しているらしい1Fの通路も解放されていて、そこからの眺めも最高です。
まずは、展示マップを見ないで一通り鑑賞して、展示マップを確認して隠れアイテムを探すのがおススメです!
てか、ロッカーを使われる方は、そこから始まっていますからね!!だからみんな使って。

館内にひっそり根を張る
「雑草」

とまぁ、偉そうなこと言ってる自信があるんですが、実は私、松涛美術館、初めてだったんです。てへ。だから鼻息荒く順路をブッ飛ばして、サロン・ミューゼと呼ばれる第2展示室から見ちゃったんですよね。でもね、それも結構おススメ。ファンタジーの世界に迷い込んだみたいで、大昔の西洋屋敷に迷い込んだみたいで、なんかもう、異世界転生。うわぁーーってなるから。一気に作品の世界観にどっぷり浸れるから。テンション上がる~。我ながら正解を叩き出したって思ってる!一般的な正しさから感動は得られませんのよ(?)。

あと、須田さんは下書きとかしないでいきなり彫り出すスタイルが主流らしいんですが、今回、貴重なドローイングと作品がセットで展示されているのも見どころらしいですよ。要チェックです!

作品の配置も須田さん自らがされているんですって。素敵過ぎる。公開制作、行きたかったよ~(涙)
でね、「東京インスタレイション」でね、ほんと、この作品の一部になりたい願望が唐突に私を支配してね、人生で初めて即身仏になりたいって思ったの(?)。だって、そうしたら作品の一部になれるんじゃないかって、本気で思ったから。須田さん的にはノーサンキューかもしらんが、検討して頂けるだろうか?そのくらいインスタレーションの2作品は完璧なる異世界・異空間で超常的でした!「朴の木」、卒業制作だなんて信じられない。凄すぎる!!
わけ分からない初めての感情が湧き上がり過ぎてるよ。怖いか、私が。

でもまあ、ただ1つ、図録が作成中っていうのだけはいただけなかった!
否、違う違う、そうじゃそうじゃない。もう1度鑑賞する楽しみを得たということなのよね、そうよね?うん、そうだよ。
年明け、図録購入を名目にまた鑑賞できるんだ、やった!
てか、今、何気に再度展示マップを見ていて気が付いた!
万死に値する事実が今発覚した!!!!
白井晟一さんの「黒いユリをみてみたい」のアンサー作「クロユリ」を見逃してるじゃんよ。なんなんだよ、私。死ね死ね死ね。死ね死ね団員じゃん。絶対また行く!

そんな私だから何度も言っちゃう資格ないけど、しかも写真を貼りまくっておいてアレだけど、だからこそ言うよ。本展は実物を見てこそ!なので騙されたと思って足をお運び下さい!!!と。
もし期待にそぐわないようでしたら、私が返金します。って張り切るほど、自信満々で推せる最高の展覧会です!
まだ始まったばかり。会期はにゃんにゃん、2月2日まで!是非!!!
アーティストトークなどもあり〼。ちぇけら。

ということで、推します。

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