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勝手に1日1推し 115日目 「はじとー」

「はじとー」(上・下完結)どうざき     漫画

ああ、どうしてこんなにたまらない気持ちになるんだろう。この思い、どうしたらいいんだろう。どうしてこんなに好きなんだろう。もう、何も分からない。分からない。分からない。言葉にできない。こんなのハジメテ・・・
とにかく、好きで好きで好きで好き。好きでたまらない。それしかありません。何をしてても2人のことを考えちゃう。寝ても覚めても、気づくと考えてる。もう恋よ。そう、恋しちゃってる。語彙力がどっかすっとんじゃうくらいたまらない気持ちになるのよー。タスケテ、死ぬかも。クルシイ、私をくいとめて。

高校生のとおるは、友達との罰ゲームで通りすがりのイケメン大学生・はじめに告白することに。
当然断られるかと思いきや、なぜか返事はOK!?
はじめはとおるの嘘を見抜き、からかうために付き合いはじめたのだった!
好きでもない男と付き合うことになったとおる。
デートの度に別れようと作戦を練るが、年上のはじめに甘やかされ、丸め込まれてばっかりで…!?

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本作もSNSでたまたま見つけて、直後、書籍化するってなってて、鼻血ブーでした!描きおろしに特典にと、2人の新しいエピソードはほんの少しでも逃したくなくて、人生で4回目(?)の予約をしたほどです。ずっと見てたいの。眺めてたいの、2人を。可愛い。好き、好き、沼・・・沼・・・・。うぎゃー、全く上手く推せる自信がない!このハチャメチャな気持ちを言語化できない!でもこのたまらない気持ちを吐き出せる場があって嬉しい!もし聞いてくれたら嬉しい!ありがとう!!すきだー。

「はじとー」ってタイトルは”はじめ”と”とおる”からきている、腐界隈ではもはや常識である、攻×受カップル用語。つまり、極めてシンプル且つストレートなタイトルであります。で、タイトル同様、シンプル且つストレートな内容で、2人のラブコメです。正直「嘘から始まる恋」だったり「何事にも無気力無関心な愛を知らない不幸美人が自分(の外見?)に興味のない優しく純粋な心を持つ青年と運命的に出会い、変わっていく」だったり、掃いて捨てるほどある設定(褒めています)だったりするんです。更には、予定調和的王道エンディングであるにも関わらず、今だかつて出会ったことがない!他のどれとも違っている!唯一無二!本当に初体験!!な稀有な作品に仕上がっていると思います!!
ほのぼのさが鮮烈で切なさが強烈で、言葉に出来ないたまらない何かがものすごい勢いで襲い掛かってきます!上巻から一転、下巻ぅぅぅ!!!心してかからないと死にますぞ。オリジナリティとはこういうことなんだなぁって、切り口、語り口の妙に心から感服致している次第です。

具体的には、コマ割りが独特で、4コマ漫画のような縦読み構造、それぞれ小題付き。作画も二頭身だったりして、どちらかと言うとギャグ漫画っぽいんです。実際、どんなに胸が締め付けられるように切なくても、次の場面では笑いへの切り返しを忘れていなかったりするし。このBLにしては一風変わったスタイルを貫き通しているというのに、終始小さな幸せが溢れ、ちりつも(塵も積もれば山となる)理論で、最終的には大号泣の大きく心震わす物語に仕上がっており、なんだか、とてつもない多幸感に包まれるという不思議を味わうことになります。感覚が小説的と言うか映画的と言うか、幕間を感じると言うか、本当にユニークで独創的です!

きっと本作を、はじめととおるを、どうざき先生が6年以上も大切に見守り、育て続けた結果のこの味わいなんだと思います。6年って、6年って・・・ピカピカの1年生だった小学生が卒業するまでという、長き時間ですよ!!時間をかけて培った物語には、それと同じ時間だけの愛情や信頼が宿ってる。それが読者に丸ごと全部伝わってくるんだと思います!!キャラが息づいている!!素晴らしい~。どうざき先生、どうもありがとうございます。

上巻は、冒頭から「へ?」って感じのスタートで、早速付き合うことになるはじめととおるなんですが、2人の勘違いや思い違い、そのズレが面白くってただただ笑いながら見てたいの、ってか、笑いながら永久に見ていられるの。
そもそも年齢も5歳くらい違うし育ってきた環境も違うから、価値観がまるで違ってる。朝倉初(はじめ)は擦れていて遊び慣れてるけれど、実は人と深く関わらず表面的な人生を送っている大学生。性的にも奔放で、あっちにふらふらこっちにふらふら。一方、高橋透(とおる)は、別名”ピュア橋ピュアる”ですか?ってくらい、純粋で無垢で素直な男の子。こんなに世間知らずで擦れてない高校生いる?って思っちゃうほどお子様で、今時、小学生の方がもっとませとるわい!ってツッコみたくなるほど、おばかわいいって感じの子です。心から愛くるしい!!はじめの甘やかし、分かり味~。

まぁ、同じところや似たところを探す方が困難なほど、2人には共通点がないって訳です。その違いが「からかい」という形で本当に面白しろ可笑しく描かれていて、当然、ときめきやドラマチックな展開なんてものはなく、デートとは名ばかりでゲーセンに行って遊んで、食べ放題に行ってたくさん食べて、お菓子を買ってぶらぶらして、宿題を教えてもらってって・・・って本当にただただ日常生活を2人が共に過ごしているだけなんです。ま、この時間の共有が2人の行く末を左右するんですけどね。
で、ひたすらからかい倒すはじめと真に受けるとおるは兄弟みたいで友達みたいで、とにかく可愛くって目が離せないの。2人の絡み、言い合い、探り合い・・・全く正反対の2人だからこそ素でいられる関係が微笑ましくて、読み進めていくうちに、変化していくはじめととおるの気持ちが読み手の中でもどんどん膨らんで、たまらない気持ちになるんだよぉ。

からの、下巻。日々、同じようにじゃれ合ってる中で、その時々の感じ方や捉え方がグラデーションのように、気づくか気づかないか程度に変化し続けていったって結果、「好き」じゃなくて、気付いたらもう「好きだった」っていうね、アハ体験的なね。アレですよ、アレ。知らず知らず、相手のことを考えちゃう、相手のことを考える時間がどんどん増えていっちゃって、どうにも止められない。描き方が明確じゃあないってとこも含め、本当にいいんだよなあ。で、最後は、もー!!はじめのばかぁぁぁ!!!!ってなって、とおるぅぅぅぅ!!!!ってなって然るべきなんです(?)。

分かりたかったら読めよぉ。絶対損はしないから読めよぉ。読んでこのたまらない思いを共有しようよぉ。それに良いことがあるよぉ。
例え大行列のレジで、フォーク並びを知らない人が自分の順番の時に、横入りしてきたとしても、はじとーを思い出せば許せるからね。例え最後に食べようと残しておいた大好物を落としてしまったとしても、2人を思い出せば笑顔でいられるからね。どうだ!参ったか!

今回描きおろしの初夜なんて、この2人でしかあり得ない!この2人ならあり得る!と納得するしかない完璧なるモノでした!!とおるのとんでもない提案よ、マジか?はじめの空より広い包容力よ、マジか?本当に最高かよ。笑っちゃってたまらない!!一周回ってロマンチックとさえ思える。
同棲して半年、はじめが我慢できなくてすることになったのか、いやいや、とおるが友達から聞きかじって、しようよってなった線も無きにもあらず、って、実際致すことになった過程についても色々考えが尽きないのよ、マジで私、Yabai!妄想が研ぎ澄まされちゃって困るし怖い。もはや街中で2人の幻を見ちゃうレベルで困るし怖い。
未来編を見せられちゃった日にゃあ、妄想も幻も止む無し!悔い無し!

はじめがとおるを好きになった

条件じゃないってとこかな

上巻

この理由をまんま「はじとー」に捧げたい。
とおるが感じた

こんな気持ちになるなんて思いもしなかった

下巻

この思いをまんま「はじとー」に捧げたい。

この先、1人で9,000,0000PVしちゃうに決まってる!で、都度、涙・・・。可愛い愛しい、たまんない!もー、何を書いてんだかすら分からんくなるほど、そして、全然まだまだ言い足りないほど、どっぷりハマっちゃってます!!
早くも本年度No.1のBLと言えるかもしれない。

ということで、推します。

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