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勝手に1日1推し 70日目 「カントリー・ダイヤリー」

「カントリー・ダイヤリー(春から夏へ)&(秋から冬へ)」イシノアヤ     漫画

ストレスがたまるばかりの日々です。ようやく感染者数が落ち着いてきましたが、重傷者数やその病床使用数は未だ高いままで、いくらワクチンを接種していても、安心出来る状況ではないですし、まだまだ我慢の子でいるしかないという今日この頃。恋しくなるのが、カントリーサイド!と言うか、のんびりしたいのですよ。特定の人としか会えない毎日は何だかギスギス味が感じられてたまらんのですよ。解放されたーい。爽やかな秋晴れの空の下、マスクなしで新鮮な空気を感じたーい!

そんな時、読みたくなるのがこの1冊(計2冊)「カントリー・ダイヤリー」です。心の逃避行先はこの世界と決めております。大自然の中、四季を感じ、旬の野菜を育てて食し、DIYで自宅を改装。はぁ、都会からの移住。テレワークが進む昨今、移住する方が多いと聞きます。移住移住移住・・・・憧れます。が、自分で言うのもなんですが、都会育ちなもので、暮らせるか心配だったりもします。リアルでは行動を起こせなそうな、こんな私の妄想と欲望を具現化してくれている本作は、本当に癒しです。いつもと変わらぬ部屋で時折眺めては、壮大な景色をバックにたたずんでいる気分に浸りまくっております。

BLジャンルらしいんですけど、そうかなあ?普通に男子2人がお互いの得意な部分を生かしあって田舎で暮らしている物語って感じです。とにかく、イシノアヤ先生の画風にマッチした内容で、美しい四季の景色と実り、食べ物、丁寧な日々の営みがキラキラ輝いております!本編がカーキとブラウンというアースカラーインクで印刷されているのが、また素晴らしい!装丁と共に、優しさと温かさが溢れていて、作風を更に引き立てております。本ってやっぱり表・裏・背表紙、そで、扉絵、フォント、インク・・・etc全てをひっくるめて作品だなあと改めて感じました。うっとり。

物語はいたってシンプル。田舎で過ごす春夏秋冬。正にカントリー・ダイヤリー。その普遍性というか、懐かしさというか、やっぱり私的には憧れかなあ、それがとても今の時代に心地良いです。誰も傷付かず、誰も困らない優しいお話はとても心地良いです。

ひとりきりで北国にやってきた胡桃澤さん。畑を耕し、マイペースに自然の息吹を楽しむ日々。職人の宇佐くんと土地の人たちに支えられた、あるがままのネイチャー・ライフ。 Amazon

都会からやってきた胡桃澤さんは、不慣れなことも多いけれど、家具職人を目指す宇佐くん含め、周りの人たちと共に生き生きと暮らしています。胡桃澤さんの視点は、大自然を知らない私を含む読者と同じで、珍しいアレコレ、不思議なアレコレを見つけては感動し、楽しみ、自然の恩恵に感謝し、心に刻みます。田舎育ちの宇佐くんとの対比もいいなあ、と思います。気取ったり気負ったりせず、暮らしの中で行われるアウトドアにも羨望のまなざしを向けずにおれません!そこに浮かび上がる人との繋がりも温かいなって、何だか失われた時を求めているのでしょうか、私は。ひたすら癒されたいのだけなのです、私は。里山をお散歩中、秋の恵みを堪能するシーンには、何度だって心奪われほこほこします。

そして、完成した胡桃澤邸は理想なんだなあ。あの二階を雑然の美目指して好きな物で埋め尽くしたい!いやはや、トリップ!めっちゃトリップ。肺に映ってトリップ。今もずっと「カントリー・ダイヤリーズ」の世界へトリップしておりますわ。椎名林檎様ですわ。至福の時です。こんな時だからこそ、みなさまも多いに自己流トリップをお楽しみ下さいませ。

ということで、推します。

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