今日から「愛する」はじめます。

「身近な人の大切にしている価値観、全部言える？」

社長研修が終わった。

最終回、社長から最後にこんな問いかけがあった。

普段一緒に働いている人の大切にしている価値観を、
きちんと理解しているか？それを尊重した上で、

コミュニケーションが図れているか？という問い
だった。

わたしと同じ部署の子が、当てられる。

「正直、まだあまりよくわかっていません…。」

内心ほっとしながらも、はっとしている自分がいた。

わたしだったら、答えられていたのだろうか。
答えはうっすらわかっていた。

部署の人たちが好きだと、いい人たちだと言って
おきながら、わたしは、彼らが大切にしている
価値観や考えを、今すぐここで3つ答えてくださいと
言われたら、答えられないと思った。

はっとさせられたから、考えてみた。

これは職場の人たちに対してだけ起きていること
なのか？

答えはまた、ノーだった。

長年一緒にいる、親友は？妹は？大好きな先輩は？

大切にしている価値観を、胸を張って3つ言えるぞと
確信できる人が、ほとんど、いないことに気づいた。

あれほど好きだと言ってきた人たちですら、
言語化して教えて、と言われたら、答えに詰まって
しまうだろう。

そんな自分が目の前に現れて、愕然とした。

これは、数日前のnoteにも書いた、「誰かを愛する」
という感情を抱いたことがない、という話にも
通ずることのような気がした。

自分で自分の首を締めたくなるくらい、今すぐ
冷水に飛び込みたくなるくらい、自分の愚かさを
痛感した。

痛感したから、今からはじめることにした。

今日から会う人、一人ひとりの大切にしている
価値観を、ノートに書き留めておくことに決めた。

方法はシンプルに、「会って話をするとき、
価値観がわかりそうな話を深堀って聞く」にした。

ただそれだけなのだけど、頭の中に「今日、この
数時間でこの人の価値観を3つ知るんだ」と思って
話を聞いていると、

今まで気にもならなかったようなところで疑問が
湧いたり、興味のなかった話が面白く聞こえてきたり
する。

早速久しぶりに会った人にこれをやってみたら、
あまりにも質問をしすぎたのか、真剣さが伝わったの
か、「なんか、面接受けてるみたいだ」と笑われて
しまったのだけど、その効果もあってか、今まで以上
に話の中から新たな発見をすることができた。

帰り道、何回も会ったことがある人なのに、
わたしは今までこの人のこと、全然知らなかったん
だなあと思った。

その人の中の、「自分が興味がある部分だけ」
知って、「自分が共感できる部分だけ」理解して、
その人の人となりをわかったつもりでいた。

わたしの「人のいい部分しか見ない」癖も、きっと
そこからきていたんだろうなと、今回のことを通して
ようやく気づいた。

「いい部分しか見ない」のではなくて、
「（自分にとって都合の）いい部分しか見ない」
だったんだなとわかった。

誰かを自分の都合のいいように解釈して「好き」に
なるのは、とても簡単なことだ。

だからこそ、自分にとって都合の悪い部分も全部
含めて相手を知った上で、それでも「愛する」決断を
することは、本当に難しいことだと、改めて実感する。

まだまだわたしは「愛する」技術を身につけるまで
時間がかかりそうだけれど、少しずつ、「好き」な
人たちを、「愛する」ことができるようになって
いきたいなあと思う。