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あの恋の物語。

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あのとき私は、たしかに恋をしていた。 届くことのなかった、忘れたくない恋の記憶。
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#私の作品紹介

「いい人」と「悪い人」の矛盾を抱えた彼を好きになったから、分かった。

この時期になると、毎年思い出してしまう人がいる。 社会人になりたての頃、好きだった先輩の…

明日世界が終わるとしても、愛を伝え続けたいあなたへ。

久しぶりに、彼に会った。 「友達に戻ろう。」そう決めた日から、会うのは今日が初めてだった…

いつかこの「好き」に名前がつく日はくるのだろうか

好きって、愛ってなんだろう、と、六本木駅のホームで電車を待ちながら考えた。 数分前に別れ…

太陽と月、恋の終わり

最近、わたしはひとつの恋を終わらせた。 終わらせた、というのはただの強がりで、 ほんとう…

「円満な関係」と引き換えに、「愛する力」を失っていた。

「人は誰しも完璧じゃないから、一人の相手で、全ての欲求を満たすことはできません。だから…

最後の宵の逃避行

彼と2人きりで会うのは、今回で2回目だった。 そして、これが、たぶん最後の夜だった。 彼は…

秋と冬の境目を歩く朝、ふたつの幸せを想う

雨の音で、目が覚めた。 窓は開いていないはずなのに、部屋の空気はひんやりとしていて、心なしか澄んでいるような気がする。 まだ、夢と現実の間をふわふわと漂っている気分だった。 薄いタオルケットを肩のところまで引き上げ、まどろみながら、しとしとと静かに地面を濡らす雨音に意識を向ける。 昨日の夜、彼から借りた半袖Tシャツから出た左腕は、もうすっかり一晩で冷えきっていたけれど、身体の右半分は、彼の体温であたたかかった。 「おはよう」 隣で何度かそう呟いた彼の声を、目を閉じ

気づけばいつも、恋をしていた。 #恋はいつも文庫版解説文

恋にはいつか、終わりがくる。 それなのになぜ、人は何度も恋をしてしまうのだろう。 その答…

出会ったあの日、終わった世界 #思い出の曲

これまでの人生で、宝物のように抱きしめてきた曲や、イントロを耳にしただけで心が弾んでしま…

春の冬眠から目覚めて

今年はまだ、春の匂いがしていない。 今朝のニュースでは、「今年は暖冬で、例年よりも 桜の…

君がいない夜とごはん

料理がおいしければ、それは最高の食事だと 思っていた。 もしかするとそれは違うかもしれな…

すべてを夏のせいにして

告白された。思わぬ相手から。 それは突然のできごとだった。 さっきまで、出会ったときと全…

春の空気を連れてきて

春の空気のような人。 それが、彼の最初の印象だった。 「あ、おつかれさまです」 そう言っ…