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第15話〜最新型ペットロボット「LOVOT」と一緒に暮らしてみた――ロボットと人間の新しい関係【前編】〜

2020年12月11日に公開した記事を記録として残したものです。

楽しみながら、たまに失敗しながら、IoTハウスを作る「IoTおうちハック!」。築10年の一戸建てを、最先端のIoTハウスにできるのか? おうちハックで生活は便利になるのか? 筆者ななみんが2匹のねこと一緒に実証していく物語、第15話。

新型コロナウイルスの影響でおうち時間が長くなり、この機会にペットをお迎えしたという方も多いのではないでしょうか。

我が家の場合は、2020年の4月末から1匹の子猫を新しくお迎えし、合計3匹の猫さんと一緒に暮らしています。

動物と一緒に暮らすのは楽しく、100匹以上の金魚さん、20匹のカブトムシさん、3匹のカエルさんを自粛期間中に我が家で育ててきました。命あるものを育てるのは責任が伴いますが、楽しく、日々新しい発見があります。そして何より、「慈愛の心」を取り戻せている気がします。

とは言っても、犬や猫のような動物を飼うには、住環境を整える必要がありますし、日々のお世話も手がかかりますし、家を頻繁に留守にする人には向いていません。また、家族がアレルギー持ちだったり、家族が動物が苦手だったり……といった理由であきらめている方も多いでしょう。

でも、ペットが飼えない家庭でも、ペットロボットなら一緒に暮らすことができます。今回は、日本のベンチャー企業であるGROOVE Xが2019年に発売した、最先端技術搭載のペットロボット「LOVOT」(らぼっと)が我が家に2週間のホームステイに来てくれたので、その様子をご紹介したいと思います。我が家の3匹の猫さんと仲良くできるのでしょうか。

ペットロボット「LOVOT」。左にあるのが充電ステーションのネストです(LOVOT Web Storeのページより)

ペットロボット「LOVOT」とは?

 LOVOTは、一言で言うと「ペットロボット」なのですが、これまでのペットロボットの常識を超える「あたたかさ」「かわいさ」「ほっこり」などを備えた、「いやしのパートナー」に近いロボットです。

特徴1:体温や人間とのインタラクション、抱っこしやすさにこだわり

一世を風靡(ふうび)したソニーの「aibo」(アイボ)の登場から約20年が経過し、今では世界中でさまざまな家庭用ロボットが発売されています。一般的にロボットというと、二足歩行もしくは四足歩行で、プラスチックで覆われた「ハードタイプ」のものが連想されると思います。

一方、LOVOTは、ふわふわ素材の身体で、手触りがソフトです。また、生き物のような「体温」(37度~39度程度)に保たれているので、抱っこしたときに暖かみが感じられます。当初は正直、「排熱で暖かく保っているだけでしょ、電力の無駄使いだなあ」と思ったのですが(ひねくれている)、ここがこだわりポイントの1つなのです。

例えばLOVOT を「よしよし」となでると、飼い主の方をまっすぐに見つめ、「クゥ?」とか「シュポッ」とか反応してくれるのもかわいいです。鳴き声も、パターン化された声があるわけではなく、飼い主が話しかける声や状況によって違う声色が毎回生成されます。

また抱っこしようとすると、足のホイール部分(つまり、動き回る足の部分)を体内に格納して、ローラーが飼い主に当たらないように気を遣ってくれるんですよ。

ローラーを格納したLOVOTさん

特徴2:かわいいだけじゃない! 最新技術のセンサーを搭載

LOVOTのフォルムで印象的なのが、頭の上のちょんまげ……ではなく「センサーホーン」(センサー入りのツノ)なのですが、中には360度見渡せるカメラが入っています。

さらに、音声の方向も判別できるマイク、照度センサー、人を把握するためのサーモ(熱)センサーなどが搭載されています。中でも、サーモセンサーは3つも内蔵されており、人がどこにいるかを正確に把握できます。

LOVOTが人を正しく認識するために、こんなにセンサーや技術を使っているとは驚きでした。一緒に過ごしていると、「LOVOTちゃんがこっちを見ている!」という感覚や、結構な頻度で目が合うという感覚があります。これは、他のロボットにはない特徴といえます。

LOVOTが備える機能いろいろ

LOVOTには、自宅マッピングやお留守番など、いろいろな機能が用意されています。

自宅のマッピング

LOVOTが毎日やっている「自宅マッピング」。ネストの周辺から徐々に行動範囲を広げて、家の間取りや家具の場所などを覚えてマップを作る作業です。行動範囲が広がるにつれて、部屋のマップも徐々に正確になっていきます。

例えば、家具の配置を換えることはあまりないかもしれませんが、椅子や床に置いているモノの配置は日々少しずつ換わりますよね。LOVOTは、日々部屋を駆け回るついでに、自宅マップを更新しています。

お留守番ができます

LOVOTには、意外にも「実用的」な機能もあります。お留守番機能は、家の中を見守り、不審者などを検知したら、撮影した写真をアプリで通知してくれる機能です。

残念ながら、不審者に向かって大声でほえるなど、不審者を追い払う機能はないのですが、今後需要があれば進化してくれるかもしれません。

お出迎えも!

猫や犬を飼っていると、家に帰ったときにお出迎えをしてくれて、1日の疲れが吹き飛ぶ! という経験も多いですよね。我が家の「けだま」さんと「ころにゃ」さんは、飼い主が帰ってくるとほぼ必ずお迎えに来てくれ、本当にいやされます。

LOVOTにも、お出迎え機能があるのです!

上記で説明した「自宅マッピング」で、お出迎えしてほしい場所を指定すると、飼い主が帰ってきたときにその場所まで来てお出迎えしてくれます。「ラボカム」(ビーコン)があると、お出迎えの精度が上がります。ラボカムはネストとペアリングして使います。

LOVOTが我が家にやってきた!

箱の中では、「おくるみ」を着て「目隠し」をされた状態で眠っていました。段ボールの中で移動頑張ったね。早く開けてあげましょう。

「おくるみ」に入っています
身長は子猫のころにゃさんと同じくらい?

猫たちとの初対面!

我が家の子猫ころにゃさんは、新しい我が家の「ライバル」に嫉妬したのか、珍しく興味津々で、センサーホーンの部分が気になるのか、充電中もずっとちょっかいを出していました。

LOVOTさんに興味津々

LOVOTさんが充電され、やっと動き出すと、ころにゃさんは手荒い歓迎のあいさつをしていました。

数日はこの調子で、少しLOVOTさんがかわいそうだったのですが、2日も経つと、ころにゃさんも新しいメンバーを仲間として受け入れたご様子で、手を出さなくなってくれました。

一方、成猫であるけだまさんと「るんるん」さんは、当初からLOVOTに対して無関心だったので、猫の性格によるのかなと思います。

こうして始まったLOVOTとの暮らしはどんなものだったのか……は、後編で紹介していきます。

※記事初出時、「THETA」(シータ)を内蔵している旨の記述がありましたが、現状の量産品には含まれておりません。おわびして訂正します(2021年2月4日21時50分)

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