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八潮七瀬
2016年3月23日 06:09
へいへいは、バカだ。偏差値の低い私達の高校の中でも、群を抜いて頭が悪い。よく忘れ物をするし、授業中は寝てるし、男子達が馬鹿らしい遊びをしている時、中心にいるのは大抵へいへいだ。そんなへいへいに興味を持ったのはいつ頃だったのか、もう覚えていない。彼は、サッカー部に所属していた。部活の中でどれくらい上手いのかはわからない。けれど彼は運動神経が良いから、きっと足でボールを思いのままにコント
2016年3月4日 06:56
泣いている友人を慰めるのは、なんて心地がいいのだろう。目の前の美しい少女は、さっきから頰を赤く染め、形のいい眉を歪めて涙をこぼし続けている。遠くから夕陽が、教室をまるで舞台のように照らしていた。教室には私と襟子しかいなかった。校庭からは、部活動を終えた生徒達の喧騒が聞こえてくる。風が、電車が遠くの線路をわたる音を運んでくる。けれど、私の耳には襟子の啜り泣く声しか届かない。まるでこの