私と仙台②~出会い
「東北って涼しいんじゃないの?」
高2の夏。オープンキャンパスの名目で私は人生で初めて東北の地に降り、想像していた避暑地のような気候とは程遠い仙台駅に少々がっかりした。
夏休みの宿題的な感じで1回はオープンキャンパスに行かなければならなかったのだが
とくにその大学に思い入れはなく、ただなんとなく旅行感覚で選んだ。
それが人生を変える決断になるとも知らずに・・・(大げさ)
この時が初めての東北新幹線、初めての仙台だった母と私は、オープンキャンパスを早々に引き上げ、仙台の街へと繰り出した。
(物理学科志望で一応素粒子の研究室を見学したのだが、母は「宇宙線」を最後まで「宇宙船」と勘違いしていて、「何がミクロだよ!でかいじゃないか!」とずっとツッコミを入れていたらしい。口に出さなくてなによりだった)
さて、ろくに下調べもしていない私たちは(一応オープンキャンパスで来ているのだから当然といえば当然だが)とりあえず定禅寺通りとやらを目指して歩いていた。
新緑の定禅寺通り。
一目見て、心奪われた。
・・・なにこの美しい街。
あの時の衝撃が、今思えば私を東北へと惹きつける一番最初の出来事だった。
田舎育ちで、都会へのあこがれがあった。
高校生の私にとって仙台は、とても都会だった。
全く知らない東北の地にもこんな都会があるのかと驚いた。(失礼)
でも、都会なのに、街に美しい自然が溶け込んでいる。
まさに「杜の都」。
はじめて降りた地がとても好きになり、ここで大学生活を送ってみたいと思った。(帰りの新幹線で食べた牛タン弁当が美味しかったのももちろん大きい)
夏休み明けの志望校調査で、今まで書いていた都内の大学とまったく異なる大学を書いた私に担任はいろいろ理由を聞いてきた。
「やりたいこと」が当時なかった私は「住みたい街」で大学を選んだ。
そんな人はあまりいなかったし、親と担任を納得させるためにそれっぽい志望理由を言っていたが、心の中では「仙台で大学生活を送る自分」をモチベーションに勉強を頑張った。
今思い返しても、あの時の自分は本当にグッジョブ。
おかげさまで晴れて2年後の4月、私は期待一杯で
もう一度東北新幹線に乗り、仙台の駅に降り立ったのであった。
(To be continued…)
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