【つらつら草子⑭】貧乏性と高等遊民-2
代助「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。」(夏目漱石「それから」)
私「それな」
仕事はさほど嫌いではなかった。ライターとも編集者とも校正校閲者とも名乗れない、自分の書いたものに自分の名のはいることなど一度もないような仕事だったが、一応は文を書いて生きてきた。文を書くのは嫌ではなかった。けれどもいろいろと嫌になった。
元気であるなら働いたほうがいいんだろうと思う。自分の世話はなるべくなら自分でできたほうがよいだろうし、自分の食い扶持は自分