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お母さんでもなく、妻でもない私、とはなんぞや

結婚後、自分も働いている間はそれなりに、妻でない自分自身の時間があった。仕事だけではなく、友達付き合いも結構続いていたし。

でも、子どもを産んだらやっぱり、一気に自分がお母さん一色になった。

仕方なかったと思う。

私は正直なところ息子が赤ちゃんの頃なんて、なんじゃこりゃ、この訳わからん生き物は…というのが正直な気持ちだった。

最近はさすがに、女性は生まれつき母性を持ってるというような説?は、否定されるようになったけど。そんなの持ってなかったですよ、少なくとも私は。慣れですよ、慣れ。しかも、逃げ出したいくらいしんどかったけど、逃げ出すことはできなかったから。置いていったら死んじゃうし。

ある意味半ば強制的に、母になったのだった。

もちろん適性があって、そんなに大変な思いをしていない人もあれば、私以上に育児がキツくて、育児ノイローゼやうつになる方もいらっしゃるので、これは本当に個人差があるのだと思う。

そんなわけで、個人的にはそれなりにキツい経験をして、子どもの成長とともに、少しずつ…本当に少しずつ、何年もかけて子どもの手が離れていくと、だんだんと考えるようにになってきた。

私って、どんな女だっけ。どんな人間だっけ。

何が好きで、何にドキドキして、何にこだわって、何が嫌いだったんだろう。一緒にいたい人はどんな人で、どんな場所に住みたかったんだろう。

…というように、最近では今立っている場所をふと見まわす余裕がでてきて、そんなことを考えるようになってきた。私は我が夫の妻であるわけで、そちらの関係もじっくり熟慮すべきではあるけれど…とりあえず今は、

お母さんでもない、妻でもない、一人の私について考えたい。

お母さん一色で過ぎてしまったこの十年近くの日々を経て、今一度、自分を自分だけで切り離して考えてみたいのだ。

それが、この先の後半生の風景を変えていくんではないかと思っている。


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