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2022年の個展について

「くもゐ くもあい くものみね」

会期:2022年6/2〜6/11

11:30~19:00(日曜日、最終日は17:00まで)

ギャラリー枝香庵 
(7F ギャラリー枝香庵flat)

〒104-0061 東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F

Tel 03-3567-8110

「雷 (び)びりびり招き猫 茶虎」

木製パネル、綿布、アクリルガッシュ、アルミ箔、岩絵具

サイズ:30×30㎝ 
制作年:2022年

擬音は狂言の雷(神鳴り)の気分で、
ぴかーーーり、ぐわらりぐわらり…
雷はごろごろ、猫もごろごろ



展示に寄せて

「くもゐ くもあい くものみね」

雲居 雲間 雲の峰。

高く遠く離れたところにあるところを思うこと、
雲の様子や空模様を気にすること、
高くそびえ立つ雲は何をもたらすのか。

ここ何年か空や雲を眺めることで何を想起するのかが気にかかり、雲や気象現象からなにか描きたいと思うようになりました。
気象現象というとかなり大きい意味になっていますが、私は「雲」と「雷」が特に気になっています。

雲といえば、先人たちが描いてきた山越阿弥陀図、聖衆来迎図、早来迎…、見れば見るほど雲の造形が素晴らしく、面白いと感じますし、絵巻では場面展開や時の流れを表すために使われています。
地上と天上の世界を繋ぐ、二つの異なる世界の間を取り持つ媒介として描かれてきたとも思えます。

雷は、稲妻の閃きや雷鳴や雷雲とともに訪れる豪雨の体験的記憶から関心をよせるようになりました。
私の実体験と先人によって描かれてきた雷の表現や物語や伝承をヒントに描きます。
左右交互に折れ曲がるジグザグ模様も勢いがあって好きですし、浮世絵などで描かれてきた表現、古事記での記述、風神雷神…など。
空からやってくる強大なエネルギーは恐ろしいようで、不謹慎にも高揚感があるように思います。
雲が形がふと顔に見えるようなこと、雷や豪雨の体験的記憶。
そのような個人的な記憶と来迎図などに見られる雲の造形や雷の記号的な表現を織り交ぜた作品を制作しています。

「乱雲雷鳴図友禅摺箔着物」

手描き友禅、染料、アルミ箔、金箔、絹、

制作年:2022年
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個展では新作の着物を展示しました。
両親2人でやっている石原染色工房に仕上げてもらいました。かなり(かなり)無理を言って超特急で作ってもらいました。
私の無茶苦茶を実現してもらって感謝です。
着物を作る理由は「この家に生まれた」とか「こう育った」とか「家族、とりわけ親との関係」とか些細なルーツを辿れるような気持ちになれるからかもしれない。
「乱雲雷鳴図」

木製パネル、綿布、アルミ箔、アクリルガッシュ、岩絵具

サイズ:53×53㎝(S10)
制作年:2022年
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この作品が着物の原案になった。

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