見出し画像

シナリオ分析、はじめました。

初めまして、株式会社LOCKER ROOMの比暮ななみです!
現在、私は主にwebtoonのシナリオライターとして脚本を書いたり、原案企画を考えたりしています。
好きなことは、小説を読むこと、映画を見ることです。
特に三島由紀夫が大好きで、遺作四部作『豊饒の海』の第一巻『春の雪』は、もう何度読み返しているかわかりません。
言葉の力にうっとりとし、心を見透かされてる気分になりますよね。

さて、個人的な話はここまでにして、
本題ですが、『シナリオ分析』という弊社で月1で行っている分析を,
このnoteでお話していきたいなと思っています。

「シナリオ分析?なにそれ?」と思う方が大多数だと思いますので、今回のnoteでは「シナリオ分析ってなんぞや」という話からしていきたいと思います。


シナリオ分析とは

弊社が行っているシナリオ分析とは、以下の2冊の本
・『SAVE THE CATの法則』
・『キャラクターからつくる物語創作再入門』
を使って、映画の構成がどうなっているのか、キャラクターはどう描かれているのかなど分析するものです。
次に、各本がどういった役割を持っているのかを簡単に紹介します。

『SAVE THE CATの法則』

『SAVE THE CATの法則』には、物語の構成を面白くする鉄則が書かれています。
ハリウッドや、売れている映画はまさにこの鉄則に基づき、書かれているものが多いです。(邦画は準拠してないことがほどんどですが)
基本的にこの鉄則に基づき、物語を構成すれば、「分かりやすく」面白い作品が作れます。
最近だと『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』もこの法則に綺麗にのっとっているなと思いました。

しかし、構成を整えるだけでは、良い物語は作れません。

私たちが「いい物語だった」と思う時には、必ず感情が揺さぶられていると思います。
揺さぶられた結果、泣いたり、嬉しくなったり、怖くなったり、苦しくなったりします。

なぜ感情が揺さぶれるのか。
それは、「登場人物に感情移入したから」です。

つまり、感情移入できる登場人物を置くことが、良い物語を創るうえで絶対条件なのです。

ではどうやったら観客が登場人物に感情移入できるか?
それを教えてくれるのが『キャラクターからつくる物語創作再入門』です。

『キャラクターから作る物語創作再入門』

キャラクターを最初にどういう設定にして、どんなカセを用意してあげて、どんな試練を与えて、最終的にどうなるかをきっちりと設定してあげなければ、観客が感情移入できる登場人物にはなりません。

『キャラクターからつくる物語創作再入門』にはその設定の仕方や、試練の例など、細かく載っており、物語を創る際に非常に参考になる本です。

この『キャラクターからつくる物語創作再入門』と『SAVE THE CAT』の2冊の本を使い、映画を構成面からと、キャラクター面からの2視点から分析するのが、私たちのシナリオ分析です。

なぜシナリオ分析をやるのか

そもそもなぜ私たちがシナリオの分析を始めたのか?
それは『良い物語を作るため』です。

前提、弊社は良い原作を自分たちの手で考え、生み出し、IP(知的財産)にしていきたいと思っています。

「映画」や「漫画」「ドラマ」においてIPとなる良い作品というのは、前提物語が良いのです。そのうえで演出が光り、演技が光り、絵が光ります。
全ての根底には、『良い物語』があるのです。

つまり、良いIPを創るには、良い物語が必要不可欠ということです。

だからこそ、まずはシナリオ、ひいては物語について勉強しなければいけないのです。

シナリオライターさんの力量に全て任せたり、プロデューサーが主観的な意見でFBしているままでは、『良い物語』を作れる会社になりません。

一緒に良いものを作り上げるには、ライターさんと同じ目線、いや、もっと高い目線でプロデューサーたちもシナリオを見れるようになるべきだと考えています。

しかし、シナリオや物語の勉強方法など私たちには未知すぎる領域。
『SAVE THE CATの法則』という本は知っていた私ですが、「読む」「当てはめて物語を考えてみる」以外にどう活用するのか、どう血肉にできるのかまったくちんぷんかんぷんでした。

そんな私たちを見かねた弊社代表が、とある方を弊社に特別講師として読んでくださいました。

そのとある方というのが……夏生さえりさんです!

映画「MONDAYS/このタイムループ上司に気づかせないと終わらない」の企画・脚本と担当していらっしゃる方で、ご存知の方も多いかなと思います。

私はさえりさんとお会いする前に、渋谷のシネクイントで「MONDAYS/このタイムループ上司に気づかせないと終わらない」を見まして。
本当に面白くて、シナリオの良さはもちろん、演出もキービジュアルもおしゃれでとにかく楽しい映画でした、
特に部長のマキタスポーツにプレゼンをするシーンがめっちゃ好きで、声を出して劇場で笑わせていただきました。

そんなおもしろ映画の脚本を担当された、さえりさんに月1で弊社に来ていただき、シナリオワークと称して、さまざまなことを教えていただきました。

シナリオワークでは毎回「へえ~~」「ほえ~~」と思わず言ってしまうくらい、タメになることを教えていただき、物語を分析するというのはこういうことなのか、とか、良い物語はこんなにも綺麗に作りこまれているのかとかメンバー一同さまざまな発見がありました。

実りが大きかったゆえに、さえりさんのシナリオワークが終わった後に私たちメンバーは、

「さえりさんに教えていただいたことを無駄にしたくない!」
「ちゃんと習慣化して血肉にしないとだめだ!」

と強く思うようになり、自主的にメンバー同士で「シナリオ分析をしよう」と決めました。
決めてからは月に1度、みんなで題材映画を決めて、「BS2担当」「キャラクターアーク担当」「ファシリテーター」「自由人」と役割を決めて、題材の映画についての分析を2時間ほどかけて行っています。

これからもさえりさんに教えていただいたことを活かしながら、『良い物語』への追及を怠らずにメンバー一同やっていきたいと思っています。

次回の分析

次回のnoteでは、ピクサーの『2分の1の魔法』という映画の分析結果を公開したいと思います。
胸にジーンと来る兄弟愛と、彼らの成長がなぜ上手に描けていたのかを分析しましたので、良かったら次回もみてくださると幸いです!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?