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コロナにかかってラベンダーが好きになった

イベントの出張で、8月10日昼〜14日早朝まで大阪市北区にいました。大阪見物する時間などなく、連日睡眠不足で最終日終わったあとに、ふらふらなんかでかいビルに迷い込んで、自分へのお土産として、生活の木のベンゾイン買いました。

以前フレーバーライフで買ったベンゾインは、残り香のスパイシーな感じがキツく、もてあましぎみでした。生活の木のベンゾインはテスターの紙に垂らしても甘い匂いが最後まで残っていたので、3ml買いました。これで香水つくってみて、大丈夫そうなら多めのやつネットで買おうと思います。

このときは嗅覚が正常だったので、あの甘いバニラのような香りはまちがいではなかったはずです。

体に異変が起きたのは、帰りの新幹線の中でした。異常な寒気が止まらない。上着を着ても寒い。がたがた震えながら高崎駅についたときは、寒気はおさまったものの、ふらふらで荷物を持って歩くのがとても辛かったです。

そこから1時間に一本のJRの普通列車に乗り換え、地元の駅につきました。ここで気力が一気になくなりました。重い荷物を持って、15分登り坂を歩く苦行に耐えたれたとして、そのあと私は死んでしまうのでは?
タクシー使おうか。経費として5万もらえたし。だが、そのときの私にはNP後払いとヤマト後払いとzozoのツケ払いが待っていて、それらを払うために、大阪滞在中の食費をけちってでかいバゲット一本でやり過ごしてきたので、ここでタクシーを使うという手段をとることはけっきょくなかった。

そして家に帰り着き、体温を測ると39度7分。そっこうでベッドの中へ。そのときは大阪の疲れが出ただけなんだと思っていた。

翌朝は仕事が入っていたのだが、目が覚めた瞬間にこれは仕事行ける状態ではないと判断。体温は39度8分。1分上がってんじゃねーか!そして昨日からは水分以外摂取してないのに全くお腹がすかない。

さすがに地域でいちばんでかい病院行った。が、休みだった。仕方なくグーグル評価の低い個人病院行った。コロナかもしれないと事前に伝えたが、診てもらえた。お医者様は完全防備していたが、なんか割と良い人だった。
「あ、のどちんこのまわりすごいことになってますね〜痛いでしょ」
「じゃ、検査しますね。マスクから鼻だけ出してください」
私は顎までマスクをおろした。特に何も言われず、鼻の奥に棒突っ込まれてぐりぐりされた。
「はい、ちょっと待っててね~あーこれはコロナ間違いなしですね。綺麗に線が出てますよ。いやー本当に綺麗な線だ。薬だしとくから家でしばらく安静にしててくださいね。詳しくはこの紙読んで」
と、コロナにかかった方へという内容の重要性のわりに粗悪なモノクロ印刷物を渡され、薬をもらった私は家に帰ってまた寝た。

熱が下がるまでずっと寝てた。
大阪の荷物の整理もできず。
売上金を会社に持っていくこともできず。
後払いの支払い期限だけ気にしながら。

そして3日半高熱にうなされた私は、とつぜん熱から開放された。喉の激しい痛みはあったが、解熱剤を飲むと喉の痛みも軽減されたのでタバコ吸った。ほとんど液体しか摂取していなかった私は、タバコ吸って異変に気付いた。

自作シケモクなのに焦げ臭くない……!

真新しい白いロールのアメスピを取り出し、吸ってみた。口の中にメントールの清涼感が感じられたが、タバコの匂いはしなかった。

これって、あれか、後遺症というやつか?

鼻が利かないという以外にも、食欲がないという症状もあった。ま、重い風邪のあとならよくあることではあるのかもしれない。

問題はその長さだ。

医者からもらった紙には
発症日を0日目として、5日過ぎるまでは外出は控えることが推奨されると書いてあった。誰から推奨されてんの?国か?県か?郡か?町か?国連か?医学博士?近所の物知りおじさん?私的は熱もあったし外出するな!とあったほうが嬉しいのだが。そして8日〜10日過ぎるまではウイルスを排出している可能性があるため、人と会うときはマスクをつける、高齢者や基礎疾患ある人との接触はなるべくしないようにするなど書かれていた。
熱が下がったあとは、普通に動けるようにはなっていたが、いろいろ御託を述べて11日連休を勝ち取った。少しはリモートで仕事したよん。

もらった紙には、後遺症については何も書かれていなかった。

匂いが分からないというのは、かなり辛いことである。幸い私は味覚があったから、レモンゼリーだけは食べれた。冷たい、甘い、酸っぱい=爽やかウマい。体調不良時の味覚は単純なものを好みがちである。喉通るときしみるし痛いけど、水飲んでも痛いんだからしょうがない。
最悪だったのはプリンだ。甘い脂の固まり食わされてるようでなんどか吐きそうになった。

まともな食事というのは脳が拒否していた。卵おかゆつくって食べてみたが、しょっぱいだけだった。スプーン一杯でギブアップ。残りは捨てた。なんか湯気たってるもの見るのがおぞましかった。コロナウイルス入りおかゆ食べたい人がいたらプレゼントしたかもしれないが。

11日連休のあいだ、私は精油を片っ端から買いでは落胆していた。熱が下って2日間は本当に何の匂いも分からなかった。鼻が詰まってない鼻詰まりみたいな感じ。食事もほとんどポカリとチューブゼリー。大阪行ってる間に後払い決済で届いた、パフューマーハウスのバニラの精油(バニラは厳密にはエッシェンシャルオイルにはならない)も、なんかくすんだ匂いらしきものが瓶から漂ってるくらいしか感じられず悲しかった。生活の木のベンゾインも、甘い匂いがゼロだった。パチュリーとレモンでつくった化粧水も、顔にバシャバシャしても無臭。

匂いがわかりだしたのは8日目くらいだったと思う。大阪の荷物の整理をしていたら、ふわりとなんかの匂いがした。そーいえばディフューザーリキッドつくって、ミニリードディフューザー持って行ったんだっけ。アロマグッズパックを開けると、ちょっとだけ植物の香りがした。何の植物かはわからない。ディフューザーリキッドにはシダーウッドアトラス、ラベンダーフレンチ、パイン、パインニードル、レモンを確かブレンドしていたからその中の何かが香ったのだと思う。
私はちょっとうれしくなった。

それから、徐々に嗅覚が回復していった。キムチの匂い、タバコの匂い、カレーの匂い、靴下の匂い。どれも薄いけれど、確かに分かるようになってきた。

長い療養連休が終わる頃、私はアロマストーンにローズマリーを垂らしてみた。ほんの少し匂いが分かった。しばらくすると石は乾いてローズマリーの香りも消えた。マンダリンも試してみた。なんか柑橘系の匂いするなとは感じられたけど、やっぱりはっきりとは分からなかった。
はっきりわかりそうなもの、と私はハッカ油を手にしてドボドボ投入した。これはかなり効いた。薄荷の香りというよりもメントールのスースーする成分が心地よかった。調子にのってハッカ油を使いまくってたら、アロマストーンが薄荷ストーンになってしまった。

先週の金曜日から本格的に生活し始め、仕事もやりつつ絵も描きつつ、空いた時間にアロマを嗅ぐをやっていたら、今日、バニラ精油の甘い匂いが分かるようになってた。嬉しい。

でもやっぱり嗅覚は完全復活していなくて、シダーウッドアトラスとユーカリのリードディフューザーはあんまり何も感じなかった。

なんとなく、ラベンダーフレンチのシングルでリキッドつくって棒ぶっ刺したら、あれ?めっちゃいい匂い。今までラベンダーとかフローラル系ルームフレグランスにすると気持ち悪くなってたのに……

ということで、今はコロナの恩恵を受け、ラベンダーフレンチに酔いしれたいと思います。

※ガチで嗅覚のコロナ後遺症悩んでる人は病院行ってね いい先生に当たれば嗅覚後遺症は治る可能性高いらしい

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